バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

第16話 最愛の・・・(脚本)

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〇海辺
テオフィル・ベフトン「・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ん・・・テオ?」
テオフィル・ベフトン「・・・波が」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なみ?」
テオフィル・ベフトン「波が・・・、リアリナ様をさらってしまう気がして」
テオフィル・ベフトン「怖かったのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・さらったりしないわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ここにいるでしょ?」
テオフィル・ベフトン「失いたくない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・」
テオフィル・ベフトン「あなたを失ったら、私は・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・テオ?」
「これはワニの歯で作った指輪だよ。ハニー」
「きゃあ! 素敵!」

〇海辺
結婚詐欺師「あなたと50年後もこの場所で愛を語りたい」
結婚詐欺師「僕と結婚してくれるね?」
???「ちょっと!!」
結婚詐欺師「な、なんだお前は!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そのセリフ、「ワニと蛙を愛でる猫」のセリフでしょ?」
結婚詐欺師「だから、なんだ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「作家はね、たった一度しか出てこないモブのセリフだとしても」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何時間も、なんなら何ヶ月もかけて捻り出してるの」
結婚詐欺師「な、何が言いたい?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「それを、結婚詐欺のために使われたとなれば作品ごと燃やしたいほど悔しいってものよ」
結婚詐欺師の婚約者「結婚詐欺?」
結婚詐欺師「ち、違うんだ。 俺は君と結婚したい! 愛している!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ハウゼン・ルースライトを知っているわね」
結婚詐欺師「なぜ、その女の名前を?」
結婚詐欺師の婚約者「誰よ?」
結婚詐欺師「っあ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「やっぱり、あなただったのね!」
結婚詐欺師「あああああー!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「これは、作家の恨み、そして」
結婚詐欺師「ひいいいい!!」
結婚詐欺師「ひっ! たっ助けてくれ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「騙された女の恨み!!」
結婚詐欺師「ぎゃあああああーーー!!」

〇海辺
リアリナ・シャルルド・グレイ「はー! スッキリしたわ!」
テオフィル・ベフトン「ふふっ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「怒ったりしないの?」
テオフィル・ベフトン「何を怒るというのです?」
テオフィル・ベフトン「悪人を成敗したのでしょう?」
テオフィル・ベフトン「むしろ、何かご褒美を渡さなくては」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ご褒美? いいの?」
テオフィル・ベフトン「私ができることでしたら、何なりと」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「じゃあ、飴を頂戴」
テオフィル・ベフトン「え。これですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうそう! 久々に食べたくなったのよね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「うーん。あまーい!」
テオフィル・ベフトン「まさか、覚えていらしたとは」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ん?」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様が幼き頃、」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様に飴が必要な時は、いつでも差し上げると約束したので」
テオフィル・ベフトン「いつでも差し上げられるよう、ずっと持っておりました」
リアリナ・シャルルド・グレイ(そんな約束、私は忘れてしまったのに・・・)
テオフィル・ベフトン「でもこれを差し上げるのは、最後にいたしましょう」
テオフィル・ベフトン「これからは、大人扱いしなくてはなりませんね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「じゃあ、次からは、チョコがいいわ」
テオフィル・ベフトン「それは、あまり変わってないかと存じます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「じゃあクッキーー!」
テオフィル・ベフトン「私のポケットがどうなるか、ご想像なさってから、リクエストをいただけますか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんだかお菓子の話をしてたら、お腹が空いたわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「さっさと着替えて、美味しいものをお腹に詰め込むわよ!」
テオフィル・ベフトン「では参りましょうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「う、うん・・・」
テオ「やはりシーフードですかね?」
リアリナ「甘いわね! 意外にも、ジビエ料理が美味しいのよ」
テオ「ほお。それは楽しみでございます」

〇海辺の街

〇西洋の住宅街
スタンスラス・ブラン・エレオノール「今夜はこの宿に泊まる。夜明け前に発つから準備しておくように」
リアリナ・シャルルド・グレイ「わかったわ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「全く、頭にイソギンチャクをつけて戻ってきた時は、何事かと思ったが」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あら、あの子はおとなしくて可愛かったわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「っふ。まあ良い」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「楽しい夜であった。ゆっくりと休むといい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね! じゃあおやすみなさい! スタン!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・うむ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「あ、リアリナ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ん? なに?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「い、いや。なんでもない」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「この辺りの夜は冷える。ちゃんと暖を取るのだぞ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「心配してくれてありがとう。じゃ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リ、リアリナ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「明日」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「どんなことが起きようと、信じてほしい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「だから・・・それまでは」
「リアリナ様!」
「先程のイソギンチャクを水槽に入れてみたら、復活いたしました」
リアリナ・シャルルド・グレイ「え! ほんと?」
テオフィル・ベフトン「元気にうねうね動いております!  ご覧になられますか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もちろん! あっ。スタンも見る?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「テオフィルべフトン・・・」
テオフィル・ベフトン「あ、スタン様、お話の最中でございましたか?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ちょっと来たまえ」
テオフィル・ベフトン「ですが、リアリナ様にイソギンチャクを・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「いいから来るのだ!」
「痛っ! スタン様!」
「本気でつねらなくともーー!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「いったい、なんだったのかしら」

〇綺麗な部屋
リアリナ・シャルルド・グレイ「ふああー」
リアリナ・シャルルド・グレイ「流石に疲れたわ。ふう・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「イソギンチャク。可愛かったー♪」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんとかして、屋敷に持ち帰れないかしら」
リアリナ・シャルルド・グレイ「っは!!」
ツヴァイ「貴様・・・リアリナだな?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「どうしてここに?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そんな!」
アインス「悪いが・・・その首、頂戴する」

〇黒

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「ぎゃああああーー!!!」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、どうなさったのですか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「最悪だわ!  ほんとに最悪なバッドエンドよ!」
テオフィル・ベフトン「どんな夢をご覧になったのです?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「サメの次に最悪なやつよ・・・」
テオフィル・ベフトン「サメ?」

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ(どういうこと?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(どうしてあの場所にいると気づかれたの?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(あの村にいたときは、襲ってこなかった)
リアリナ・シャルルド・グレイ(なのに、どうして今回は現れたの?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(私の場所が・・・、知られている?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(これってもしかして・・・)
リアリナ・シャルルド・グレイ(暗殺者と繋がっている内通者がいるってこと?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(一体・・・誰が、スパイなの?)

〇華やかな裏庭
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、クッキーが」
リアリナ・シャルルド・グレイ(もしかして、テオが?)
テオフィル・ベフトン「全く、リアリナ様はまだお子様でございますね」
リアリナ・シャルルド・グレイ(そんなわけないわね。だって私を庇って何回も死んでいるわけだし)
リアリナ・シャルルド・グレイ(それに・・・)
リアリナ・シャルルド・グレイ(テオだけは、裏切っていて欲しくないわ)

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「とにかく、あの村へ行かないと!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ギルバトル・フォルダンテ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あの公爵の力を使わないと」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でも、あの好色な公爵を屋敷から引き摺り出すには、何をすればいいの?」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「は!! そうだわ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ねえテオ。大人の男性は、なにをプレゼントしたら喜ぶかしら?」
テオフィル・ベフトン「そ、そんな!」
テオフィル・ベフトン「私はリアリナ様からいただけるものなら、なんでも」
リアリナ・シャルルド・グレイ(・・・・・・)
リアリナ・シャルルド・グレイ(テオ・・・。ごめんなさい)
テオフィル・ベフトン「・・・・・・🎵」
リアリナ・シャルルド・グレイ(確か、ギルバトルは攻略対象だったから、おすすめアイテムがあったはず)
リアリナ・シャルルド・グレイ(何が好みだったかしら?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(ああー。おもいだせない!)
リアリナ・シャルルド・グレイ(そうだわ!)
「こんなところで──」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下! 今すぐ私に付き合ってください!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・う、うん?」

〇黒
  そして隣町──

〇市場
リアリナ・シャルルド・グレイ(さてと、ギルバトル閣下が好みそうなプレゼントを急いで選ばなくちゃ)
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナ、付き合えというのは隣町への買い物に付き合えということか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ。ここは男性の意見が必要ですの」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「一体どういうことだ?」
テオフィル・ベフトン「申し訳ございません。殿下、私のためなどにご足労を」
テオフィル・ベフトン「しかし、わざわざ隣町まで来なくても」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「一体、なにを買うつもりだ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そう! それが問題なのです! 殿下!」
リアリナ・シャルルド・グレイ(ゲームでは、割とサクッと攻略しちゃったから覚えてないなんて)
リアリナ・シャルルド・グレイ(ショッピングをしている間に思い出すかと思ったけれど)
リアリナ・シャルルド・グレイ(定番中の定番だったか、それともレアすぎて思い出せないのかすら、忘れてしまったわ!)
リアリナ・シャルルド・グレイ「ああー!! 私の記憶力に課金したーい!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なんの話をしている?」
テオフィル・ベフトン「きっと夢の話かと」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「全く、リアリナは、どんな夢を見ているのだ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ(この乙女ゲーは、何度となく周回したから、隅々まで知ってる)
スタンスラス・ブラン・エレオノール「お、からくり人形か、」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これなんかリアリナにそっくりだな」
テオフィル・ベフトン「本当ですね、リアリナ様によく似ております」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なんと。服が着脱できる」
テオフィル・ベフトン「悪趣味な人形でございますね。未来永劫営業停止にする処理でいかがでしょう」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「いや、私が、全て買い占めよう」
テオフィル・ベフトン「しかし、このような卑猥な人形を堂々と販売しているのはいかがなものでしょうか」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「やはり私が全て買い占めよう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ちょっと二人とも、今考え事しているから、黙ってて!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「って! 何これ!」
テオフィル・ベフトン「ほくろの場所まで一緒ですね」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「どこである??」
テオフィル・ベフトン「ええと・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「その人形は全廃棄よ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今すぐ店を畳みなさい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「さもないと燃やすわよ!!」
人形屋店主「ひい!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「こんな露店で堂々と売るから」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もっと隠れた場所でこぢんまり営業していたら、燃やされることもなかったのに」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・隠れた場所?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「思い出したわ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ギルバトルを喜ばせるアイテムのゲット方法!」

次のエピソード:17話 リアリナが娼館へ???

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