バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

第13 悪役令嬢の策略。好色で狡猾な公爵の登場(脚本)

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〇広い厨房
「ルネ!」
ルネ「はい、お嬢様!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「夕食の買い出しは済んでいる?」
ルネ「はい。 下ごしらえも済んでおります・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今夜の夕食の材料を馬車に運んでちょうだい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テントも必要よ」
ルネ「どのような催しでございますか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうね、グランピングかしら?」
ルネ「ぐら・・・?」

〇華やかな裏庭
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナー!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタン・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これを」
リアリナ・シャルルド・グレイ「残念ですが、お断りいたしますわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ん? まだ何も言っていないが」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王妃の生誕祭ならお断りいたします」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なんだと?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「困りますわよね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私が参加しないと殿下の体裁が整わず、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「面目丸潰れですわね」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そうとわかっていて、断るのか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私に参加してほしいのでしたら、一つ条件がございます」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「この私と、取引をするつもりか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「はい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「是非とも」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下のお口添えが必要なのです」

〇黒背景
リアリナ・シャルルド・グレイ「このまま、あの村に飛び込んだとしても」
リアリナ・シャルルド・グレイ「また同じことを繰り返す可能性が高い」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あの少女を救うには」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あの村を統治するフォルダンテ公爵家の力が必要」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でもグレイ家はフォルダンテ公爵家と直接的な親交はない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ここは従兄弟であるスタンに動いてもらわないと!」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「私を、フォルダンテ公爵家の当主に会わせていただけませんか?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ギルに会いたい・・・だと?」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ(まあ、そういう反応になるわよね?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(だって、フォルダンテ公爵家の当主である)
リアリナ・シャルルド・グレイ(フォルダンテ公爵は好色で有名ですもの)
リアリナ・シャルルド・グレイ(でも、聖女様と出逢って、心を入れ替えたように一途になるのよ)
リアリナ・シャルルド・グレイ(それは、リアリナが追放されてからのイベントだけど・・・)
リアリナ・シャルルド・グレイ(本当は、本筋イベントに関わりたくないけど!)
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ギルに興味が湧いたというのか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下はフォルダンテ閣下と懇意にされていると伺いましたので」
リアリナ・シャルルド・グレイ「婚儀の前に一度、お会いしておきたいと思いまして」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・その心がけは素晴らしい。 だが、ギルは」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あら? この私が殿下の従兄弟にお会いできない理由でもあるのですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まさか婚約を破棄なさるから、親族には合わせたくはないと?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そ、そんなわけは・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「わ、わかった。 ギルに会わせてやろう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「んっふっふっふ♪」

〇宮殿の門
リアリナ・シャルルド・グレイ「うわー! すごい屋敷ね!!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「エレオノール王国の3大公爵家のひとつだからな。当然だろう」
リアリナ・シャルルド・グレイ(たくさんお金を持っているのに)
リアリナ・シャルルド・グレイ「領地の民は、なぜあんなことを・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ん? 民がどうした?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「い、いえ? なんでもありませんわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ(なんとしても公爵家を引き摺り出して)
リアリナ・シャルルド・グレイ(人さらいの村ごと、世直ししてもらわなくっちゃ!)
リアリナ・シャルルド・グレイ「よおっし! 気合い入ってきたぁー!」

〇黒背景

〇宮殿の門
  ──フォルダンテ公爵家──

〇貴族の応接間
ギルバトル・フォルダンテ「ようこそ、我がフォルダンテ家へ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「フォルダンテ公、嶺美なもてなし感謝する」
ギルバトル・フォルダンテ「畏まらないでいいよ。君との仲ではないか」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「では遠慮なく。ギル。突然の訪問になったが、構わなかったか」
ギルバトル・フォルダンテ「ああ。ちょうど子猫ちゃんたちの相手が一巡したところだったからね」
ギルの愛妾1「ギル様!」
ギルの愛妾1「また後で遊んでください♪」
ギルバトル・フォルダンテ「待っててねー!ハニー」
ギルバトル・フォルダンテ「あははは〜」
ギルの愛妾2「キャッキャ──」

〇貴族の応接間
リアリナ・シャルルド・グレイ(うわ。ゲームでプレイしてる時も酷かったけど、)
リアリナ・シャルルド・グレイ「えぐ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ(このお花畑男子を改心させる聖女様のこと、尊敬してきたー)
リアリナ・シャルルド・グレイ(いけない、いけない。 急いで本題に入らなくちゃ)
リアリナ・シャルルド・グレイ「フォルダンテ公爵閣下にご挨拶申し上げます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「リアリナと申します」
ギルバトル・フォルダンテ「・・・こちらが噂のリアリナ嬢か」
ギルバトル・フォルダンテ「これは、これは、噂通りの美しさだな」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あら。この私の美貌が噂になっていたんですの?」
ギルバトル・フォルダンテ「それはもう。スタンが自慢するものだから」
ギルバトル・フォルダンテ「何度も合わせてくれと頼んだんだが、ずっと会わせてもらえずにいたのだ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ギル!」
ギルバトル・フォルダンテ「照れるな、照れるな」
ギルバトル・フォルダンテ「この俺様に取られやしまいかと心配だったのであろう?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「タイミングが無かっただけだ。他意はない」
ギルバトル・フォルダンテ「心配せずとも、畏友の婚約者を奪いはしない」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・ふん」
ギルバトル・フォルダンテ「それで、婚儀はいつだ?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「婚儀?」
ギルバトル・フォルダンテ「結婚が決まったから報告にきたのだろう?」
ギルバトル・フォルダンテ「この領土は奴隷も貴族の隔たりもない誰もが平等に楽しめる夢の島をモットーとしている」
ギルバトル・フォルダンテ「生憎、我が領土には特産と言えるものは少ないが」
ギルバトル・フォルダンテ「欲しいものがあるなら、美しきリアリナ嬢のために用立てよう」
ギルバトル・フォルダンテ「遠慮なく言ってみよ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「すまないが、受け取れない」
ギルバトル・フォルダンテ「どうしてだ?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナとはまだ婚約者であって、婚儀は定まってはいない」
ギルバトル・フォルダンテ「では前祝いで、いいではないか?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「申し訳ないが・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ(そうよね、)
リアリナ・シャルルド・グレイ(明日婚約解消するというのに、前祝いはもらえないわよね)
リアリナ・シャルルド・グレイ(わかっていたけど、なんだか寂しいわ)
リアリナ・シャルルド・グレイ(って!  感傷に浸ってる場合じゃなかったわ)
リアリナ・シャルルド・グレイ「せっかくこちらの領土にお伺いしたのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「是非とも街を拝見したいわ」

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