コンカフェ嬢の流儀

ぽんたろう

第9話(閑話)『妖精さん』(脚本)

コンカフェ嬢の流儀

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〇メイド喫茶
  妖精さん
  コンカフェ界隈の用語で
  キッチン、雑用などをしてくれる
  不思議な存在のこと

〇メイド喫茶
  これは月がお給仕を始めて
  間もない頃のお話
あみーな「今日はいろいろと説明するね」
月「お願いします」
あみーな「まずはドリンクについて」
あみーな「ソフトドリンクは容器からコップに 移すだけだから簡単だよ」
あみーな「えっと、アルコールは種類があって ややこしいから最初は先輩に聞いてね」
月「はい」
あみーな「あとはフードなんだけど」
月「いろいろありますよね それも作るんですか?」
あみーな「おつまみみたいな簡単なやつだったら キャストが作ってもいいんだけどね」
月「ちょっとお皿に盛ったり レンジで温めるだけですからね」
あみーな「そうそう」
あみーな「簡単なやつはそれが正解なんだけど」
あみーな「うちの店、オムライスは 冷凍じゃなくて手作りなんだよね」
月「凄いですね」
あみーな「でも、作るの大変だし時間もかかるから 妖精さんにお願いしてるの」
月「妖精さんですか!?」
月「妖精さんは実在したんですか!?」
あみーな「いるよ」
月(コンカフェって凄いところなんだ)
あみーな「ただね、うちの妖精さん とっても恥ずかしがり屋だから キャストの前にもあまり出たがらないの」
あみーな「いつも裏に隠れてるの」
月「妖精さんだから、そうですよね」
月(人に見つかったら大変)
あみーな「そうそう」
あみーな「だから、お料理系の注文受けたら 厨房に向かってその内容を言えば 妖精さんに届くから、そしたら作ってくれる」
月「分かりました」
月(さすが、妖精さん)
あみーな「じゃあ、そんな感じでお願いね 分からないことがあればどんどん聞いてね」
月「はい!」
客「こんにちは」
月「おかえりなさいませ ご主人様」
あみーな「おかえりなさいませ」
客「チャージでコーラ お腹空いたからオムライスお願いします」
月「かしこまりました」
あみーな「じゃあ、早速やってみてね」
月「分かりました!」
月「ドリンクはすぐにお待ちします! 少々お待ちください」

〇広い厨房
月(注文を言えば良いんだよね)
月「オムライス一つお願いします」
月「えっと、次は飲み物っと」
月「ドリンクは良し」

〇メイド喫茶
客「そんなことがあったんですよ」
あみーな「ハハハ」
月「ご注文のコーラです」
客「ありがとう」
月「オムライスはもう少しお待ちください」
客「はい」
「ハハハハ」
月「この音は何ですか?」
あみーな「オムライスが出来たみたい」
あみーな「これが合図だよ 聞こえたら取りに行ってね」
月「分かりました」
月「取ってきますね」

〇広い厨房
月「本当に誰もいない」
月「でも、美味しそうなオムライスが出来てる」
月「すごーい」
月「作ってくれて、ありがとうございます」

〇メイド喫茶
月「お待たせしました!」
月「オムライスです」
あみーな「オムライスには愛情を込めるんだよ」
月「アレですね」
あみーな「そうそう」
月「それではご主人様一緒にお願いします」
客「はーい」
「もえもえてん!」
月「ありがとうございます!」
客「こちらこそ」
あみーな「よく出来ました」
あみーな「これで一通り出来たね」
月「はい!」

〇メイド喫茶
  数日後
月「今日はお休みだから早めに来ちゃった」
月「誰もいないのかな」
月「とりあえず着替えちゃおう!」
「何でやねん!」
月「あれ? 誰かいたのかな」
月「挨拶しないと」

〇広い厨房
??「マジで何だよ! この油汚れ!」
??「油飛んだらすぐにキッチンペーパーで 拭き取れよ!」
??「ガラスのコップは水垢が 目立たないようにしっかり拭けや!」
??「・・・・・・」
月「・・・・・・」
「・・・・・・」
??「てへ」
月「ん?」
月「あれが妖精さん? それとも虫?」
「虫ちゃうわ!」
月「あれが恥ずかしがり屋の妖精さん?」
月「凄い! 本当にいたんだ」
あみーな「月ちゃん、ここにいたんだ」
月「あっ、店長」
月「こんにちは」
あみーな「こんにちは」
あみーな「ごめんね、ちょっと用事で外に出てたよ」
あみーな「それより、何かあった?」
月「妖精さんに会ってました」
あみーな「妖精さん?」
月「はい」
あみーな「おかしいな」
あみーな「今、その妖精さんと買い出しに 行ってきたんだけど」
月「えっ!?」
月「どういうことですか!?」
あみーな「ちょっと、フレンちゃん!」
あみーな「月ちゃんと会ったの?」
「あ、会ってない」
月(声が違う でも可愛い声)
あみーな「フレンちゃん せっかくだから 月ちゃんに挨拶しようよ」
「・・・・・・恥ずかしいから嫌」
あみーな「月ちゃんは優しいから きっとフレンちゃんも好きになるよ」
月「フレンさん こんにちは」
「こんにちは」
月「私、月って言います」
あみーな「ほらほら、フレンちゃん」
フレン「こ、こんにちは フレンです」
月「こんにちは いつもお料理作ってくれて ありがとうございます」
フレン「そ、そんな」
フレン「こ、こちらこそ い、いつも『ありがとう』を ありがとうございます」
あみーな「打ち解けることができて良かったよ」
月「これから、よろしくお願いしますね」
フレン「こ、こちらこそ」
月(さっきの妖精さんは何だったんだろ? まあ、いいか)

〇宿泊旅館
月「ということで フレンさんと仲良くなったんです」
月「今日、フレンさんも来れたら 良かったのになぁ」
マイマイ「結局、その虫みたいなのは何だったの!?」
えるる「何これ!? 怖い話!?」

〇メイド喫茶
  次回予告
  コンカフェ業界の常識を身につけて
  さらにレベルアップした月
  しかし、彼女にある悩みが生まれる
  次回『やりたいこと』

次のエピソード:第10話『やりたいこと』

コメント

  • 冒頭の説明から、今回は「妖精さん」の認識違いで進むお話なんだろうなぁと思いきや、まさかまさかの😂 予想した展開を気持ちよく裏切られました🥰 さらには、ちゃんと実在(?)する妖精さんことフレンさんが美麗で…💕 そして、あみーな店長を見るとどうしてもあの私服姿が脳裏に過ってしまいます😊

  • おぉ!妖精さんが登場しました!✨😆わかります!あの妖精さん登場させたくなりますよねー!!!!!😂表情豊かで素敵ですよね✨☺️

    次回テイスト違うのですね!
    楽しみに読ませていただきますねー✨😊

    もえもえてん!✨

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