BARのふたり

編集長

まぎらわしいふたり(脚本)

BARのふたり

編集長

今すぐ読む

BARのふたり
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇シックなバー
麗子「ええ、例の百貨店とのお話、無事にまとまりそうです!」
麗子「水木社長にご紹介いただいたおかげです。 本当にありがとうございました!」
麗子「今ですか? 先方との会食が終わったので、 バーで飲みなおしてます」
麗子「やだ~、秘書とですよ。例の」
麗子「相変わらず気が利かなくて・・・ 今日の会食でもね、ずーっと黙ってるんですよ」
麗子「にこりともしないの! いる意味ある?みたいな」
麗子「ですね。はーい。ええ、またぜひ! それでは・・・」
麗子「ふう」
早紀「お疲れ様です」
麗子「あ、ちょっと。 なんであなたが先に2杯目飲んでるのよ」
麗子「普通、社長のペースに合わせるものでしょ」
早紀「失礼しました・・・ですが、 今夜はもうお酒は控えられたほうが よろしいかと」
麗子「出た。 ほんっとにつまんないことしか言わないんだから」
麗子「マスター、これと同じのを頂戴」
麗子「ああ疲れた・・・ ねえ。明日の宣伝部との打ち合わせ、 午後にずらしといて」
早紀「承知しました」
麗子「あ、昼前にスパいっちゃおうかな~ マッサージつきで」
早紀「承知しました 予約手配いたします」
麗子「あと、あのさっきの電話の。 水木社長に、なんかいい感じの・・・」
早紀「お好きだとおっしゃっていたガーベラと、焼き菓子のギフトセットはいかがでしょうか」
麗子「ふうん、悪くないんじゃない」
早紀「承知しました」
麗子「ねえマスター。 AIみたいでしょ、この子」
麗子「ほんっと、可愛げがないのよね」
早紀「恐れ入ります」
麗子「褒めてないから」
麗子「はあ。あなたねえ」
麗子「そんなだといつまでも独り身だよ? あたしみたいに」
麗子「だれか紹介してあげようか? 大学の後輩でいい男がいるんだけど」
早紀「いえ、結構です」
麗子「あなたのためを思って言ってるのよ!」
麗子「あたしもさあ、こうやって何年も毎日振り回してて、ちょっとだけ責任も感じちゃうわけよ」
麗子「だから──」
早紀「いえ、結構です」
早紀「再来月に結婚することになりましたので」
麗子「あっそ」
麗子「ゴク・・・ゴク」
麗子「え!?」
早紀「再来月に結婚することになりましたので、ご紹介いただく必要は──」
麗子「いやそれは聞こえてる!! 待って・・・」
麗子「彼氏、いたの?」
早紀「はい。学生時代から交際しております」
麗子「初耳なんだけど!?」
早紀「これまで申しあげる機会が特にありませんでしたので」
麗子「だからって・・・」
麗子「ま、まあ、おめでとう。 よかったじゃない」
早紀「ありがとうございます」
麗子「でも仕事はこれまで通り、 きっちりやってよね?」
麗子「パフォーマンスが落ちるようなら、あなたの替わりなんていくらでもいるんだから」
早紀「そのことなのですが・・・」
早紀「結婚するにあたり、 お暇をいただきたく思っております」
麗子「・・・え?」
早紀「結婚するにあたり、 お暇をいただきたく思っております」
麗子「だから、聞こえてる!!」
麗子「マスター、おかわり」
早紀「社長。今夜のアルコール摂取量が 限界値を超えておりますので おやめになったほうが──」
麗子「うるさい!!」
麗子「あのね。今ここで抜けるって正気?」
麗子「せっかく大手百貨店との取引にこぎつけて、会社がこれからってときに・・・」
早紀「申し訳ありません」
早紀「ご迷惑をおかけしないよう、 引継ぎはしっかりしてまいりますので」
早紀「私一人がいなくても 会社は大丈夫かと思いますし──」
麗子「ゴクゴク・・・ゴク」
麗子「はあ・・・」
麗子「会社は大丈夫でも、 あたしが大丈夫じゃないのよ・・・!!」
早紀「社長?」
麗子「だめ。 やめるなんて絶対ゆるさない」
早紀「えっ・・・」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:『夢』見がちなふたり

コメント

  • 秘書と社長、性格や話ぶりは全く違いながらもふたりともズバズバ言うタイプで、台詞の応酬がすごく面白かったです!それぞれすごくキャラが立っているのに自然な台詞で、読んでいると登場人物の声が聞こえてきました…すごい…!

  • 社長が可愛い!
    ツンデレはキュンとしちゃいますね。
    秘書もなかなか冷静でいていい性格してますね

  • 最初と最後でパワーバランスが逆転するのが
    意外でした!2人とも紛らわしくて、でもとっても可愛らしい😂✨

コメントをもっと見る(7件)

成分キーワード

ページTOPへ