エピソード37『弱肉強食』(脚本)
〇諜報機関
2034年、アラスカ『ホーム』『ブラック・ダド』
4年前の2030年、
地球外から『ノア』と呼ばれる知的生命体が大規模宇宙船『箱舟』に乗って、
地球へやって来た。
ノアの技術力と引き換えに、
我ら『ホーム・ホルダー』は、彼らにアフ〇カの土地を提供。
モノにした技術を用い、地球全体の情報網を把握。
数多くの口と手を用い、地球をモノにした。
『ノア』の渡来から4年後、今日《こんにち》も我らは世界の事情を確認し、その管理を行っている。
ブラック・ダド「──今日はどれほどのヒトを救えたのかい? ──どれほどの家族を守れたんだい? 『レッド・ボーイ』」
レッド・ボーイ「66億、当然全てを守ってみせたよ」
ブラック・ダド「流石だね。 『マム』と『ガール』も結果を残している。 この世界の父として、私も鼻が高いよ」
パープル・マム「──いえ、支配者として当然の義務です」
ピンク・ガール「そうよ『ダド』。 この程度の事『ピンク・ガール』な私には夕飯前ってやつよ!」
ブラック・ダド「アメ〇カは落とした。ヨー〇ッパも同様。 今、動きがあるのは・・・、アフ〇カ『ノア』の移民たちか」
ピンク・ガール「アフ〇カじゃないけど、 『ボーイ』あんた、アレは放っておくわけ?」
レッド・ボーイ「『なゆちゃん王国』か? もちろん忘れていないさ」
レッド・ボーイ「島国日本のアニマルランド。 俺たち『ホーム・ホルダー』に反する狂信者どもの事ならな」
レッド・ボーイ「けど、もう終わりさ。 そろそろデータがトンデくるかな?」
〇諜報機関
レッド・ボーイ「さっき狩ったからな。 王国の母たる、」
レッド・ボーイ「・・・・・・『柊なゆた』を、ね」
ブラック・ダド「ご苦労『ボーイ』。 で、だ。──話を本題へ戻そう」
ブラック・ダド「みんなは何匹狩ったのかい? 我々、家族の生活を損なう非生産的な隣人、 もとい害虫を」
殺した害虫の数。
我ら家族を守る為、その生活をより豊かにするために狩った幾十、幾百、幾千、幾万のゴミ共の数だ。
我ら『ホーム・ホルダー』は、選んだ民を残して、
移住地、食料、財政、それぞれの妨げとなる動植物を駆逐している。
何を責められることがあろう。
それはひとえに人類、我等の家族の為だ。
ブラック・ダド「おっ、食事の時間だね。 今日も皆よく頑張った。明日も家族のために精一杯働こう!」
〇黒
〇荒廃したショッピングモール
2034年、イバラキ。『柊モカ』
柊 モカ「ママ。マァマ? どうして起きてくれないでしゅか?!」
ボクの足元で『マァマ』が血にまみれていた。
柊 モカ「・・・マァマ? ボクのこと視えないでしゅか? 今、今お医者さん呼んだでしゅからね!!」
大丈夫でしゅよ! 大丈夫でしゅよ!
そう伝え『マァマ』から流れる血を上着で覆う。
そして、『マァマ』の傷ついた身体を抱きしめた。
また触れ合えるよう強く願った。願い続けた!
「────『モカ』ごめんね。お、お母さんね」
柊 モカ「声を出しちゃ駄目でしゅ。 マァマ、もう少しでしゅ。もう少しの辛抱でしゅから!!」
『マァマ』のその手がボクの頬、その隣の目蓋へと届いた。
「泣いちゃ、・・・駄目だって『モカ』」
「・・・お母さん、・・・負けちゃった。 みんな、みんなを守ること、出来なかったの」
血に染まった腰のポーチから
『マァマ』が犬耳の付いたカチューシャを取り出した。
「これを『モカ』にあげるね。 ・・・これね、スゴイんだよ」
柊 モカ「ボクはこんなのいらないでしゅ! お願いだから動かないで! も、もう少しでしゅからっ! もう少しの辛抱でしゅから!」
それから更に待った。
・・・けど幾ら待っても、
『マァマ』を救うモノは現れない。
『マァマ』の瞳が徐々に閉じていく。
『マァマ』の腕が地に落ちる。
ボクと『マァマ』を、埃と風が追い立てた。
柊 モカ「マァマ? もう、もう少しでしゅよ。 も、もう少しでお医者しゃんが、 きっと、世界一のお医者しゃんが・・・」
その後、
二度と、『マァマ』が動く事は無かった。
柊 モカ「・・・・・・・・・」
強く大地を叩きつける。
血が出ても、肉がむき出されても叩き続けた。
──落ちようとする陽を恨んだ。
──憎んで空へ呪詛を吐き続ける。
〇荒廃したショッピングモール
──罵倒し世界を呪い続けた。
陽の消えたこの大地には、もう、
──ボクしか残っていなかった。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭
うわぁん❗マァマーーーーー‼️‼️˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚
モカちゃんが……モカちゃんが😭
すごく切なくて悲しい回だった(´;ω;`)
モカちゃん幸せになって🙏🍀