とある王国の異世界難民問題3 〜大いなる負の遺産〜

ぽんたろう

第3話『石井貢ぐ』(脚本)

とある王国の異世界難民問題3 〜大いなる負の遺産〜

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〇草原の道
ユーリ「さて、もうすぐエルフの森周辺だな」
石井「ようやく着くんですね」
北川「村を出て3日長かったですね」
ユーリ「3日なんて大した距離じゃないだろ」
ユーリ「本当にお前らの基礎体力終わってるよな」
北川「そんなことより、もうすぐ町ですよ」
石井「ようやく休めますね」
ユーリ「お前ら、休むことばかり考えてるよな」
北川「さーて、みんなのところ戻ろうと」
ユーリ「逃げやがった」
石井「ちなみに、どんな町なんですか?」
ユーリ「商業で有名な街だな」
石井「へえ、楽しみだなぁ」

〇ヨーロッパの街並み
ユーリ「とりあえず、この町で休むか」
シャルティア「みんな、ヘトヘトだもんね」
上杉「目的地には、あと少しで到着するのね」
ユーリ「ああ」
ユーリ「その前に体力を回復させとこう」
シャルティア「宿も決まってるし、自由時間にしようよ」
ユーリ「そうだな しばらくの間は自由時間だ」
上杉「じゃあ、観光に行こうかしら」

〇ヨーロッパの街並み
北川「急に自由時間になりましたけど どうしますかね」
佐々木「僕は散歩してみようと思うよ」
石井「同じく」
北川「じゃあ、みんなで仲良く回りますか」
佐々木「そうだね」
石井「ええ」

〇古書店
上杉「わー、面白そうな本がいっぱいあるわね」
伊藤「本当ですね、この世界の文化や習慣を 学ぶには最適ですね」
上杉「何冊か買って帰りましょ」
伊藤「はい」

〇西洋の市場
石井「来てみたものはいいものの」
石井「数分で飽きてしまった」
佐々木「僕らはインドア派だったのを忘れてたよ」
石井「何を楽しめばいいんだか」
佐々木「パチンコ屋でもないかな」
「あー! どいてどいて!」
「えっ!?」
「なんだ?」
「ごめんなさーい」
アリス「お怪我はありませんか!?」
(可愛い)
石井「いえ、怪我はしてないです」
アリス「でも、手当てをしますから 付いてきてください」
石井「あ、はい」

〇商店街の飲食店
シャルティア「久しぶりの街だね」
ユーリ「そうだな 今まで村ばかりだったからな」
シャルティア「でも、みんな大丈夫かな 自由時間にしちゃったけど」
ユーリ「言葉と通じてるし金も持ってるし 大丈夫だろう」
シャルティア「変な人に騙されたりしないか不安」
ユーリ「いくら、あいつらでも そんなバカなわけ・・・・・・」
ユーリ「・・・・・・??」
ユーリ「不安だわ」
シャルティア「だよね」

〇スナック
アリス「良かった! 怪我はなかったみたい!」
石井「そんな気を使わなくて良かったのに」
佐々木「ここって・・・・・・」
石井「佐々木さん どうかしましたか?」
佐々木「いや、何でも」
佐々木(この雰囲気は間違いなくバー)
アリス「実はここ」
アリス「キャバクラなんです」
石井「キャバクラ!?」
佐々木(やっぱり)
石井「どうして、あなたみたいな方が キャバクラで働いてるんですか」
アリス「こんなことを初対面の人に言っていいのか わかりませんが」
石井「気にせず、言ってください」
佐々木「そうですよ」
アリス「実は・・・・・・」
アリス「実は両親、祖父母、姉、妹、兄、弟が 病気で私1人で家族を 養わないといけないんです」
アリス「その治療のための借金がたくさんあるんです」
アリス「それを返すために ここで必死に働いてるんです」

〇建物の裏手
上杉「そういえば、ここって歓楽街もあるのよね」
伊藤「そうなんですか?」
上杉「そういう街なのよ」
上杉「昼は商業で賑わい 夜は歓楽街として活気付くの」
上杉「夜になるとキャバクラ、ガールズバー ホストクラブみたいな店が顔を見せるわ」
上杉「ぼったくりはないけど 中にはたくさん貢がせる輩もいるらしいわ」
伊藤「そうなんですね」
伊藤「みなさん、大丈夫ですかね」
上杉「いくら、あいつらでも大丈夫でしょ」
伊藤「ですよね、まだ昼間ですもんね」
上杉「そうそう」
にゃにゃたん「あのー」
にゃにゃたん「お姉様方、お暇ですか?」
上杉「えっ? 何?」
にゃにゃたん「男の娘バーに興味ありません?」
「男の娘バー?」

〇スナック
石井「そんな辛い境遇だったんですね」
アリス「このままでは 一生ここで働き続けないといけません」
石井「ちなみに、借金はいくらなんですか?」
アリス「500万ルーンです」
「500万!?」
石井(確か、同人誌一冊500ルーンぐらい)
佐々木(日本円とほぼ同等だから 500万円か)
石井(まあまあな金額だな)
アリス「わたしは一体どうしたら・・・・・・ 利子を払うのでやっとなんです」
石井「分かりました!  少しでも協力させてください」
佐々木「石井くん さすがだよ」
アリス「でも、会ったばかりの人を頼るわけには」
石井「安心してください」
石井「我々、少しぐらいなら蓄えがあるんです」
佐々木「同人誌を売って得たお金 全く使ってないからね」
石井「アルコールのないドリンクお願いします」
アリス「いいんですか!?」
石井「ええ」
佐々木「僕には、お酒を頼みます」
アリス「ありがとうございます」

〇ホテルのエントランス
ユーリ「石井と佐々木が戻ってこないな」
ユーリ「あの2人は野垂れ死んでてもいいけど」
ユーリ「伊藤さんと上杉さんが心配だな」
北川「石井君と佐々木さんも 心配してあげてください」
北川「2人とも途中まで一緒でしたけど 喉乾いたからって飲食店街に行ってましたよ」
ユーリ「飲食店街、嫌な予感」
佐々木「すみません ただいま戻りました」
石井「申し訳ありません  ちょっと用事がありまして」
ユーリ「そうか」
ユーリ「罰として、朝までオモリを膝に乗せて正座な」
北川「キツすぎません?」
北川「それよりも伊藤さんと上杉さんですよ」
ユーリ「そうだったな 探しに行くぞ」
ユーリ「女子2人はさすがに危ない」

〇ホストクラブの待機スペース
にゃにゃたん「お姉さんたち 今日はどこから来られたんですか?」
上杉「ニホンでーす」
伊藤「はじまりの村でーす」
にゃにゃたん「今日は楽しんでいきましょう!」
「いえーい!!」

〇市場
ユーリ「お前たちはあっちを探索頼む」
「了解です」
ユーリ「じゃあ、俺はあっちだな」
佐々木「僕らは反対方向を探そう」
石井「はい」
佐々木「それにしても、石井くん凄かったね」
佐々木「彼女のために10万ルーンも使うなんて」
石井「この世界に来て全然使わないで 取っておいたお金ですからね」
石井「人のためになるなら安いもんです」
佐々木「もしかして、彼女のことが 気になってるのかい?」
石井「あ、いや、そういうわけじゃ」
佐々木「そういうことにしておくよ」
石井「ありがとうございます」

〇ホストクラブの待機スペース
にゃにゃたん「ちょっと席外しますね」
伊藤「はーい」
上杉「結構楽しいのね」
伊藤「本当ですね」
伊藤「でも、そろそろ帰らないと みんな心配しますね」
上杉「確かに、そろそろ帰ろうか」
  ひゃっほー!!
伊藤「向こうはやけに盛り上がってますね」
上杉「うん」

〇ホストクラブの待機スペース
アリス「きゃー!! すてきーー!!」
人気ナンバーワンキャスト「ありがとう!」
人気ナンバーワンキャスト「でも、こんなにボトル入れてるけど平気?」
アリス「今日、凄いカネヅルから お金巻き上げたから気にしないで」
人気ナンバーワンキャスト「あ、うん それならいいんだけど」
アリス「それより、このあとアフター行って 飲み直そうよ」
人気ナンバーワンキャスト「いいよ」

〇ホストクラブの待機スペース
伊藤「世の中には羽振りがいい人もいるもんですね」
上杉「そろそろ帰ろうか」
上杉「お会計お願いしまーす」
にゃにゃたん「はーい」

〇市場
ユーリ「この辺にいるかな」
ユーリ「飲屋街だけど」
にゃにゃたん「ありがとうございました」
上杉「また来るわね」
ユーリ「いた!」
上杉「ユーリ」
伊藤「ユーリさん」
ユーリ「2人ともこんなところにいたのか」
ユーリ「心配したんだぞ」
上杉「ごめんなさい」
伊藤「すみませんでした」
ユーリ「2人が無事なら良かった」
ユーリ「帰ろうか」
上杉「ありがとう」
伊藤「はい」
人気ナンバーワンキャスト「たくさんお金使ってくれたのは嬉しいけど 本当に大丈夫?」
アリス「さっき話した金づるから また搾り取るから平気」
アリス「どっかの村から来たみたいだから 世間知らずみたい」
人気ナンバーワンキャスト「そうなんだ」
アリス「明日も来るようにおねだりしといたから またお金が入ったら来るね」
人気ナンバーワンキャスト「はーい」
上杉「かねづる? 村?」
上杉「クラブに忘れ物しちゃったから 戻ってきたけど何の話かしら」
にゃにゃたん「良かった! まだいた! 忘れ物だよ!」
上杉「ありがとう」
上杉「ねえ、さっき、ここにいたキャストと 客のことなんだけど」
にゃにゃたん「あの2人が気になるの?」
上杉「あ、うん」
にゃにゃたん「あの子さぁ、お客さんだから あまり言いたくないんだけど」
にゃにゃたん「結構金づかいが荒いんだよね」
上杉「そうなんだ」
にゃにゃたん「噂によるとキャバクラで 男に貢がせてるんだってさ」
上杉「・・・・・・」
上杉「その話、もっと詳しく聞かせてもらえる?」

〇おしゃれな廊下
石井「とりあえず、上杉さんたち無事でよかった」
ユーリ「石井」
石井「ユーリさん、どうしました?」
ユーリ「そういえば、お前に 渡し忘れてたものあってな」
石井「なんですか?」
ユーリ「今月分の売り上げだ」
ユーリ「お前、経理もやってるだろ?」
石井「ありがとうございます」
石井「あとでみんなで”給料”として分けますね」
ユーリ「任せる」
石井「では、失礼します。おやすみなさい」
ユーリ「おやすみ」
ユーリ「・・・・・・」

〇可愛らしいホテルの一室
佐々木「今日はいろいろあったけど楽しかったね」
石井「そうですね」
佐々木「明日もまだ滞在するらしいけど またキャバクラ行くのかい?」
石井「ええ。滞在している間は行こうかと」
石井「佐々木さんは、キャバクラとか 行ったことあったんですか?」
佐々木「う、うん 恥ずかしながらね」
佐々木「自分が行っていたのは ガールズバーだったんだけど」
佐々木「キャストに貢ぎ過ぎて 親の仕送りと学費に手を出しちゃってね」
佐々木「やばかったよ」
石井「それは、大変でしたね」
佐々木「でも」
佐々木「まだ手を出しちゃいけないお金に 手を出してなかったから助かったよ」
佐々木「手を出しちゃいけないお金に 手を出してからが本番って人もいるからね」
石井「手を出しちゃいけないお金・・・・・・」

〇可愛らしいホテルの一室
佐々木「・・・・・・」
石井「・・・・・・」
石井「・・・・・・」

〇ホテルのエントランス
佐々木「今日も行くのかい?」
石井「はい」
石井「佐々木さんもどうですか?」
佐々木「俺は遠慮しとくよ」
佐々木「石井君だけで楽しんできて」
石井「はい」
佐々木「気を付けてね」
上杉「さて、たまには あいつに恩を売りますか」
上杉「その前に下調べに行かないと」

〇スナック
アリス「100万もするボトル入れてくれて ありがとう」
アリス「イシーさんって優しいのね」
石井「ええ。お金ならありますから」
アリス「嬉しい」
アリス「私、好きになっちゃうかも」
石井「えっ?」
アリス「あっ! 聞こえちゃった?」
アリス「恥ずかしい」
アリス「でも、おかげで、借金が少し返せそうだよ」
石井「では、どんどん入れましょう」
アリス「ありがとう」
「ちょっと待った!」
石井「上杉さん?」
石井「なぜ、ここに?」
上杉「アリスさん」
上杉「あなた、このカスを騙しているそうね」
アリス「そ、そんなわけないじゃないですか」
上杉「調べたわよ」
上杉「あなたに借金なんてないってね」
アリス「しょ、しょうこは!?」

〇市場
にゃにゃたん「男の娘癖が悪くてね そのお金を稼ぐために男に貢がせてるのさ」
上杉「へえ」
にゃにゃたん「詳しく知りたいなら 明日酒場に行けばいいわよ」
上杉「了解」

〇怪しげな酒場
証人「えっ? アリス?」
上杉「その人について、何か知らない?」
上杉「知り合いがキャバクラで貢いでるんだよね」
証人「あいつ、またそんなことやってんのか」
証人「どうせ、病気の家族がいるとか 借金があるとか嘘ついてんだろ?」
上杉「嘘?」
証人「ああ。あいつんちは もともと裕福だったんだけど」
証人「金遣いが荒いから家を追い出されたんだよ」
証人「楽して儲けたいからって ああして、嘘ついて同情で金を稼いでんだよ」
上杉「なるほどね」
上杉「ありがとう」

〇スナック
アリス「あーあ、バレちゃったか」
石井「病気の家族がいるっていうのは 嘘だったんですか?」
アリス「嘘に決まってんじゃん」
アリス「ばーか」
佐々木「あんた、ふざけんなよ」
石井「佐々木さん!?」
佐々木「やっぱり心配で上杉さんに付いてきたんだ」
佐々木「それよりも」
佐々木「石井君の気持ちを考えれないのか!?」
アリス「な、なによ 別にぼったくったわけじゃないわ」
アリス「そっちが勝手に貢いだだけでしょ?」
佐々木「石井くんは本気で あんたを心配してたんだ」
石井「佐々木さん・・・・・・」
アリス「騙される方がバカなのよ!」
アリス「勝手にあんたが勘違いして 舞い上がったんでしょ?」
石井「確かに」
アリス「でしょ?」
石井「でも、よかった」
アリス「えっ?」
石井「病気の家族や借金もないってことですよね」
石井「なら、良かったです」
佐々木「石井君?」
アリス「ば、ばかじゃないの?」
アリス「騙されたのに、なに笑ってるのよ」
石井「あなたに教えておきましょう」
石井「人に騙されるよりも 人を騙す方が苦手な人間もいるんですよ」
石井「だから、良かったって思ってるんです」
石井「不幸な人たちがいない それが知れただけで十分です」
アリス「なにカッコつけてんのよ!」
アリス「ばーか」
佐々木「行っちゃったね」
石井「ええ」
佐々木「これで良かったのかい?」
石井「ええ」
上杉「あんた、少しは見直したわ」
石井「上杉さんもありがとうございます」
上杉「貸しにしとくわ」

〇ヨーロッパの街並み
ユーリ「お前、あの金を使い込んだのか」
石井「はい」
石井「すみません」
石井「全てを受け入れて罪は償います」
ユーリ「死刑だけど、言い残すことは?」
石井「やっぱり、減刑お願いします」
佐々木「石井君を許してやってください」
石井「佐々木さん」
佐々木「元は我々の給料ですよね?」
佐々木「だったら、そのお金はいりません 石井君にあげたことにできませんか?」
村田「話は聞きました」
村田「僕らはお金いりませんから どうか石井さんを許してください」
山田「お願いします!」
石井「みんな」
ユーリ「お前ら・・・・・・」
ユーリ「じゃあ、処刑にするわ」
石井「鬼かい!」
ユーリ「冗談だよ」
石井「ユーリさんが言うとマジなんだよなぁ」
ユーリ「安心しろ」
ユーリ「石井、お前に渡したのは 1人分の給料だ」
石井「どういうことですか?」
ユーリ「俺は『売り上げ』としか言ってないぞ」
ユーリ「一言も『全員分の給料だ』なんて 言ってない」
石井「言われてみれば確かに・・・・・・」
ユーリ「俺は、お前を信用してないから あのとき全員分を渡すのは控えてたんだ」
ユーリ「だから、全員分の給料ではなく まず1人分の給料を渡してみたんだよ」
ユーリ「そのあと、どこかでちゃんと全員分を 渡すつもりだった」
山田「つまり、石井さんは 一人分だけの給料を使い込んだと?」
ユーリ「そういうこと」
石井「じゃあ、みんなの給料は無事なんですね」
ユーリ「ああ」
山田「良かった」
ユーリ「やっぱり、お前らを信用しなくて良かったぜ」
「ハハハハ」
  オタクたちは安心したことによって
  気づいていなかった
  ユーリのさり気ないひどい言葉を

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