ダイオー人

栗スナ

22話 現れし道(脚本)

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〇教室の教壇
虹場 柊(にじば しゅう)「何かつまらんなー 暇だー」
熊元治(くまもと おさむ)「虹場くーん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「虹場くーん」
虹場 柊(にじば しゅう)「ん クラス会長も?」
虹場 柊(にじば しゅう)「何ですか」
熊元治(くまもと おさむ)「趣味は何だっけ~」
虹場 柊(にじば しゅう)「え サッカーだけど」
熊元治(くまもと おさむ)「そうじゃなくてさ~」
熊元治(くまもと おさむ)「もう一つあるじゃん」
虹場 柊(にじば しゅう)「ゲーム?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「違うよー もーう」
虹場 柊(にじば しゅう)「え」
虹場 柊(にじば しゅう)「あ、じゃあまさか」
虹場 柊(にじば しゅう)「オカルト?」
熊元治(くまもと おさむ)「そうそう そうだよー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「気が合いそうねー」
虹場 柊(にじば しゅう)「じゃあ君達も?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうよー もちろんよー」
虹場 柊(にじば しゅう)「じゃあいいんだ、ここで公言しても」
熊元治(くまもと おさむ)「わかるわかる その考え方」
虹場 柊(にじば しゅう)「分かる? えっと、分かってくれるの?」
熊元治(くまもと おさむ)「ははは みんな通る道だよね、そういうの」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「引かれたらどうしよう、とかね 分かるよー」
熊元治(くまもと おさむ)「こんなこと言ったらクラスの人気者になれないとか 友達できないかもしれない、とかね」
熊元治(くまもと おさむ)「そういう考え やっぱ よぎっちゃうよね~」
虹場 柊(にじば しゅう)「ああ!」
虹場 柊(にじば しゅう)「君たちもそうだったのか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうなのよ もう全く気にせずべらべらしゃべる奴がこのクラスにいてね~」
熊元治(くまもと おさむ)「そうそう 陰謀系の話ばかりしてて・・・ 陰謀論は真相論なんだとかうるさい奴で」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「周りから白い目で見られようがバカにされようが容赦なくしゃべっててね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「私たちもその毒気をくらってしまってね」
虹場 柊(にじば しゅう)「そうだったんですか」
熊元治(くまもと おさむ)「君もどうだ 僕達オカルト探偵団に入らないか?」
虹場 柊(にじば しゅう)「え。探偵団? 何するんですか」
熊元治(くまもと おさむ)「ふっ」
熊元治(くまもと おさむ)「宮城!」
宮城まつき「おす! 失礼します!」
虹場 柊(にじば しゅう)「誰、この人!?」
宮城まつき「宮城まつき、歌います!」
宮城まつき「壁に耳あり~ 障子に目あり~」
宮城まつき「探偵だーん!」
宮城まつき「我ら空耳探偵だ~ん!」
宮城まつき「おす!」
虹場 柊(にじば しゅう)「す、すげーな・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「気に入ってもらえたかな? うちの団歌なんだ」
宮城まつき「気に入ったか?」
虹場 柊(にじば しゅう)「え? き、気に入った!」
宮城まつき「ほんとか!」
虹場 柊(にじば しゅう)「ほんとだー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「いいわね」
熊元治(くまもと おさむ)「うん 見どころがある」
熊元治(くまもと おさむ)「どうだ、君もうちに入って活動を行わないか?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「やったわね!」
虹場 柊(にじば しゅう)「そ、そうだね ぜひお願いします」
熊元治(くまもと おさむ)「よし」
虹場 柊(にじば しゅう)「フッ」

〇フェンスに囲われた屋上
熊元治(くまもと おさむ)「どう?ここ落ち着くでしょ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ここがあたしたちの活動場所なの」
虹場 柊(にじば しゅう)「そうだな」
熊元治(くまもと おさむ)「さっきも言った通り、俺達は今公園で起きた事件を追っているんだ」
虹場 柊(にじば しゅう)「面白そうだよね 楽しみだな」
宮城まつき「気に入ったか、新入り!」
虹場 柊(にじば しゅう)「あ、うん」
虹場 柊(にじば しゅう)「お前、一年だろ?」
宮城まつき「あ、ばれた てへぺろ~」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これから一緒に捜査をよろしくね」
虹場 柊(にじば しゅう)「・・・」

〇女性の部屋
  千穂の家
高の木千穂(たかのぎ ちほ)(今日もつかれた~ でもあの虹場君がうちの探偵団に入ってくれてよかった・・・)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)(今日あったことをパパに報告して意見でも聞いてこようかな)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「よし」

〇研究所の中
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「パパー あれ・・・!?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「え 何これ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ドーナツみたい・・・」
良和「あー!千穂」
良和「ダメじゃないか、いきなり入って来たら」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ごめーん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これは何?」
良和「実はな・・・あのレンズなんだが・・・」
良和「千穂たちが公園でひろった あの小さいパーツのせいからか急にこれが現れるようになったみたいでな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「えー!すごいじゃなーい!」
良和「あのパーツは何かのスイッチになっていたのかもな」
良和「以前はこんなことは起きなかったからね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何で教えてくれないのよー」
良和「すまん」
良和「それが十分ほど前に現れたばかりだからな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「いきなり?」
良和「ああ。突然にな レンズを持っていたら急にな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「へー 中には入った?」
良和「うん。何もない 真っ暗で行き止まりだった」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうなんだ どうして現れたんだろう」
良和「うーん 何だろうな、特別変わったことはしてないんだが」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「してないのにねえ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うーん ・・・・・・そのとき何を思っていたのかも関係ないのかな?」
良和「なるほど」
良和「千穂が前に話してくれた大横長者の話を思い出していたかな・・・」
良和「あの昔話の「戸口」って何だろうと思っていじっていたら急に現れてね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「それじゃないの?」
良和「かもしれんな そう言えば目に入れたときは思ったことに反応していたからな」
良和「目から外した状態でも作動するのかもしれんな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたしも入っていい?」
良和「ああ。足元に気をつけてな」

〇暗い洞窟
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ほんとに真っ暗ね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「遠くは見えない・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)(何か不思議ね 周りに空気を感じない・・・)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「湿気もないわね けど何だかごつごつしてて洞窟って感じ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「自分がいるところが見た目は岩場のような感じだけど、何だか床って感じがするのが不思議ね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)(歩いてると何だかどこかに吸い込まれていくような気分になる・・・)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)(寒い・・・けど寒くない)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「壁はちゃんとあるわね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「いたっ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「行き止まりか・・・」

〇研究所の中
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ただいま~」
良和「どうだった」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何かこの世の物ではないって感じ・・・ 体がふわふわするんだよね」
良和「うん。自然のようで自然ではない感じがするよな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん、そう」
良和「大横長者の話から考えて、向こうの世界に行けるってことなんだろうが行き止まり・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「大横長者の話だと、右の目と左の目が二つないと行けないみたいだから、もう一つと連動させて使うのかな」
良和「そうだな そうすれば出口が現れるのかもしれない」
良和「洞窟のようだけど人工物かな これ、ポータルってやつかもしれないな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ポータル?」
良和「ああ 次元を超えて別の場所に行ったりできる穴のことだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ふうん じゃ大横長者で言う戸口はそのポータルのことだったのかもね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「今は向こうの壁を壊しても何もないってことかな」
良和「わからんな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・これってずっとこのまま?」
良和「うーん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ポータル消えてと思ったら消えないの?」
良和「そうだな」
良和「やってみるか・・・」
良和「ポータルよ。消えて」
良和「消えたよ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「みたいね」
良和「千穂、ありがとう。いろいろ解決につながった」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあパパならいずれ自分で気づいただろうけどね」

次のエピソード:23話 深夜の呼びかけ

コメント

  • ここへ来て新しい人物も出て、ポータルも登場し、いよいよ佳境に入ってく感じですね!!
    自分はここまでの長編は経験したことがないので、物語のうねりとかどうなって行くのか想像つかないですけども、ダイオー人との決戦がどうなるのか楽しみにしてます😄

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