Xヒーロー

語り部

第58話 街の風景(脚本)

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〇西洋の市街地
  2021年 イリノイ州 ウィネベーゴ郡 ロックフォード 市街地内
斎王幽羅「あ、おかえりキング。皆先に行ってるから早く行こうよ」
キング「··· ··· ···」
  キングは斎王の言葉に反応せず、ただボーッとしている様だった。斎王はそんなキングに不思議そうにしながら
  『何を話したのか』を問う。しかしキングはこの問いにも反応しなかった為、斎王は思いっきりキングをビンタした
キング「痛ってぇな!何すんだこの野郎!」
斎王幽羅「キングが俺の事無視するからでしょ。ゲライントさんと何話したの?聞かせて?」
  そしてキングは斎王にゲライントと話した事をありのまま伝えた。
斎王幽羅「『魂の欠片』を与えれば変化武器の錆を治せる···でも肝心の魂の欠片が何かが分からない···」
斎王幽羅「確かXヒーローの古い資料に書いてあったような···ごめん、曖昧で」
キング「いや気にすんな。ひとまず皆に会ったら聞いてみるわ」

〇西洋の市街地
  エンチャント、フェードサイド
フェード「ん···戻ったか。教会はどうだ?おかしい所はあったか?」
エンチャント魔導法士「特段変な所はないな。しかしまぁ···ロックフォードは治安が悪いと聞いていたが」
エンチャント魔導法士「表の通りは治安はよく見えるな。ゲライントがロックフォードをちゃんと管理してる証拠だな」
フェード「だが裏通りまでは目が届かないらしいな。あそこ見ろ」
  フェードが裏通りを見るように促すと、そこには観光客に暴行を加えているチンピラが見えた
エンチャント魔導法士「どこにでも居るな、ああいうのは···」
フェード「そういうのを掃除するのが私達の仕事なんだろ、行くぞ」

〇ビルの裏
  裏通り
チンピラ「tourists have it after all! (やっぱ観光客は持ってるな!)」
フェード「なら私達がお前らを掃除すれば、そのサイフは私達の物になるな?」
観光客「It has increased... Please give me a break(増えた···もう勘弁してくれ)」
チンピラ「What are you talking about!?(何言ってんだこいつ、やんのか!?)」
  そう言って襲いかかるチンピラを相手にフェードは背中に装備している双鈎を取り出し
  双鈎の先端を相手の首に引っ掛け自身の方へ引き寄せる。相手はその勢いに耐えきれず転倒すると
  フェードは持ち手の『刃』の部分を首に当て、財布を返すよう促す
  そうしてチンピラが財布をフェードに渡すとフェードはエンチャントに投げ渡し、エンチャントは持ち主に財布を渡す
エンチャント魔導法士「Backstreets are dangerous,(裏通りは危険だ。)」
エンチャント魔導法士「be careful next time(次から気をつけなさい)」
観光客「Oh, thank you !(あ、ありがとうございます!)」
  そう言って去ろうとする観光客を引き止め、エンチャントは観光客とチンピラに魔法陣を掛け
  観光客の傷や出血を治し『せっかくいい顔なんだ、少しでも綺麗にしてきなさい』と言い、観光客を送り出す
  そしてフェードは抑えているチンピラに『目的』を聞き出すもチンピラは『頼まれただけ』としか言わなかった
  エンチャントが誰にどんな人物の頼まれたのかを問うと、チンピラは苦しそうにこう言った
チンピラ「Hi...Hispanic...(ヒ···ヒスパニック系だ···)」
  するとエンチャントはフェードにチンピラを解放させる様に伝え、チンピラはフラフラしながらその場を逃げ去った
エンチャント魔導法士「ヒスパニック系···『ラテン・アメリカ』か」
フェード「ヒスパニック系はどういう人種なんだ?」
エンチャント魔導法士「端的に言うと『南米系』だ。ただ先住移民も多く、先住民の白人のついで『2番目に多い』人種だ」
フェード「となると···南米系のギャングとかが依頼主だったりするのか?」
エンチャント魔導法士「そこまでは分からん。ひとまず他の裏通りでも同じことが起きてないか見て回るぞ」

〇西洋の市街地
  鸞、凪園サイド
凪園無頼「なーんか平和じゃね?もっと喧嘩とか起きてるもんかと思ったのになー」
鸞「トラブルなんて早々無い方がいいんだがな··· ··· ···ん?あれは···」
  鸞が凪園に見るように促した光景、そこにあったのは···
アレックス「This is Alex Service! I'll do anything for housework!」
凪園無頼「はうす···わーく?どういう意味?」
鸞「家事の手伝いをするって事だろ、あんな小さい子でも働いてるんだな。すごいなこの街」
アレックス「あ、お兄さん達は観光ですか?おすすめのお店教えますよ!」
鸞「日本語が···話せるのか?」
アレックス「はい!一生懸命勉強しました!発音って···合ってますよね?」
凪園無頼「問題ねーよ?つーかなんでこんなダルい事してんの?」
アレックス「そ、その···好きな女の子の誕生日が近くて···プレゼント用にお金が欲しくて···」
凪園無頼「いいじゃんいいじゃん!鸞ー、俺らも宣伝とかしね?ぶらつくの飽きたしー」
鸞「お前の場合途中から面倒くさくなって脅しそうだからダメだ。すまないな···だがまた来た時は手伝わせてもらうよ」
  鸞はそう言って男の子の頭を撫でると不貞腐れる凪園を連れ、その場を去った
  to be continued··· ··· ···

次のエピソード:第59話 ロックフォードの真相

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