第5話 夫の帰還(脚本)
〇貴族の応接間
キャロライン(どうしよう・・・物語にはそんな筋書きはなかったし、そうだわ取り敢えず病院へ)
メイド2「奥様、ご主人様が戻られました」
キャロライン「ええっ!」
アレクサンダー王子「元気にしてたかい?キャロライン」
キャロライン「け怪我は・・・」
アレクサンダー王子「何処も怪我してないよ」
キャロライン「本当、心配しましたのよ私」
アレクサンダー王子「あっそうだ、入ってらっしゃエリザベス」
アレクサンダー王子「エルフの王女、エリザベスだ」
エリザベス「エリザベスと申します」
キャロライン「ご挨拶できるの?流石王女様ねえらいわ・・・私はキャロラインよろしくね」
アレクサンダー王子「エルフとの和平交渉でウチに来ることになったんだ。世話を頼むね」
キャロライン「ま、かせなさい・・・部屋を案内するわエリザベス」
付き人2「義母さまがお呼びです。アレクサンダー王子」
アレクサンダー王子「わかった」
キャロライン「楽しくなるわ・・・あれ主人は?」
付き人2「謁見の間です」
キャロライン「ありがとう・・・追いかけるわ」
〇謁見の間
シャルリ夫人「お~ぉこの度の働き大儀であった」
アレクサンダー王子「有難きお言葉、これもひとえに義母様のご指示の賜物かと」
シャルリ夫人「そうであろう、そうであろう。してエルフの王の首はどこなのじゃ」
アレクサンダー王子「首の代わりに不戦協定と娘を人質に連れて参りました」
アレクサンダー王子「この娘がエルフの王の娘のエリザベスでございます」
シャルリ夫人「わらわの指示は、エルフの王の首を取れだったはず」
アレクサンダー王子「エリザベスが居る限りエルフの王が反乱を起こす心配はございません義母様」
シャルリ夫人「ならばこの娘の首を取れアレクサンダー」
エリザベス「この国は、他国との約束を簡単に破る野蛮な国なのかしら?」
シャルリ夫人「う~ん、小癪な小娘」
シャルリ夫人「ならば世話はアレクサンダーがせよ」
キャロライン「あれ、お義母様は」
アレクサンダー王子「あぁ退席したよ」
キャロライン「で、なんと・・・」
アレクサンダー王子「世話をよろしくだって」
キャロライン「よかったー」
アレクサンダー王子「さぁ、夜も遅いし部屋に行こうか」
キャロライン「そうね」
〇貴族の部屋
兵士2「お呼びでございますか陛下」
シャルリ夫人「エリザベスの首を取ってまいれ」
兵士2「承知」
〇城の客室
キャロライン「さぁここが貴方の部屋よエリザベス」
エリザベス「有難う、」
キャロライン「それでは明日朝食をね」
エリザベス「サム・・・出て来なさい」
サム「お呼びですか王女様」
エリザベス「むぅ、少々面倒な事に・・・」
サム「殺しましょうか?あの女」
エリザベス「いや、それには及ばぬ。ただ警護をな」
サム「承知しました」
猫「ニャー」
兵士2「覚悟」
兵士2「だ、誰だ」
兵士2「クソ、・・・」
〇貴族の応接間
アレクサンダー王子「おはよう~」
キャロライン「おはようございます!王子」
エリザベス「お早うございます」
キャロライン「さぁ食べましょ」
アレクサンダー王子「ねぇ、前々から聞こうと思ってたんだけど・・・」
キャロライン「なぁに?」
アレクサンダー王子「君は誰だい?・・・キャロライン」
キャロライン「キャロラインよ・・・見ての通り」
アレクサンダー王子「見た目そうだけど性格が・・・」
キャロライン「わかった、本当の事言うと私は鳥塚香菜、「アルトハン公国」の愛読者なの」
エリザベス「本当? それじゃぁこれから起こる事が分かる訳ね」
キャロライン「残念だけど、私が転生してアレクサンダーと婚約したから前のあらすじの通りとはなってないわ」
アレクサンダー王子「でも、何故転生したんだい」
キャロライン「前任のキャロラインの言う事には閏年の2月29日12時に「アルトハン公国」を読んでいたからだそうよ」
エリザベス「で、転生してアレクサンダーを妹から奪ったのは何故?」
キャロライン「自分が殺されるのはイヤでしょ・・・それにアレクサンダーは肉体派で童顔、私好みの男だったから」
エリザベス「全く、縦読み漫画のヒーローは何で皆「肉体派」で童顔なんでしょ」
アレクサンダー王子「作者が「女性は皆、マッチョが大好き」と思ってるからだろ」
エリザベス「それを言っちゃぁお終いよ」
キャロライン「とりあえず、私の好みではあるわね・・・それにヒロインが何をしてもずっと愛してくれて助けてくれるし」
エリザベス「まぁ、ヒロインは最初虐められるか悪女かどちらかですものね縦読み漫画は」
アレクサンダー王子「ワンパターンなんだよな・・・最もバトルヒーローだって、最初虐められるか蔑まれている中二病の主人公だし」
エリザベス「他の漫画の悪口はいけないわよ」
キャロライン「いいじゃぁない、何であれ私はアレクサンダーと一緒に居られて最高に幸せ」
アレクサンダー王子「僕も、君と婚約してよかった」
エリザベス「ご馳走様、ところで私は前の物語ではどうなってたのキャロライン」
キャロライン「アレクサンダーが義母の命令通りエルフの王とその一族を皆殺しにしてしまったの・・・残念だけど」
アレクサンダー王子「つまり、香菜が転生したキャロラインのお陰ってわけだ」
エリザベス「つまり、アレクサンダーがキャロラインと婚約した事で物語の内容が変わった訳か」
キャロライン「私は、単に破滅フラグを回避しただけ」
エリザベス「アレクサンダーは義母をどう思ってるの?」
アレクサンダー王子「それを今話したら読者が離れるだろう!」
エリザベス「今後の展開にこうご期待ね」
「今後ともご購読よろしくお願いします」
メタ構造なのが面白いですね!!
主人公の中身が入れ替わることで、物話の展開が変わってしまう、そしたら物語を読んでる人も前回と違う展開が楽しめるわけで、そういう本があったら面白いなあと思いました。さて、新キャラも出てどうなっていくのでしょうか⁉