〇崩壊した噴水広場
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「という作戦です」
怪人(ユウジ)「きっと、この体のままじゃ、さやを助けられない」
怪人(ユウジ)「だから・・・・・・」
ユキネ「わかった」
ユキネ「あなたの手助け、するわ」
怪人(ユウジ)「いいんですか!?」
怪人(ユウジ)「僕のこと信用してくれるんですか!?」
ユキネ「・・・・・・」
ユキネ「今、気持ちがぐちゃぐちゃで」
ユキネ「自分でもどうしたいかわからないの」
ユキネ「あなたに復讐したいはずなのに」
ユキネ「あなたには死んでほしくないの」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
ユキネ「あなたの言った通りにする」
ユキネ「あなたの母親も解放するわ」
ユキネ「そのかわり、」
ユキネ「決着がついたら、私の目の前から消えてほしい」
ユキネ「ずっと近くにいたら、私、おかしくなる」
怪人(ユウジ)「わかった」
ユキネ「これが、あなたの本当の姿なのね」
広尾ユウジ「あぁ、」
広尾ユウジ「ずっと黙っててごめん」
広尾ユウジ「じゃ、行ってくる」
広尾ユウジ「母さん、迷惑かけてごめん」
広尾ユウジ「ユキネさん、これまでありがとう」
ユキネ「・・・・・・」
ユキネ「あなたのこと、嫌いだけど」
ユキネ「心のそこから大好きだったわ」

〇荒廃した遊園地
広尾ユウジ「僕は、君が入れ替わった怪人だよ」
広尾ユウジ(怪人)「!?」
広尾ユウジ(怪人)「なん・・・・・・だと!?」
広尾ユウジ「知り合いに変身魔法を使える怪人がいる」
広尾ユウジ(怪人)「・・・・・・」
広尾ユウジ(怪人)「なるほど。そういうことか」
広尾ユウジ(怪人)「なぜそんなことをしたのか理解できんが」
広尾ユウジ「・・・・・・それは、”スピード”だよ」
広尾ユウジ(怪人)「!?」
広尾ユウジ「怪人のスピードじゃ、君を倒す前に、さやにキケンが及ぶ」
広尾ユウジ(怪人)「・・・・・・わけのわからんことを言いおって」
広尾ユウジ(怪人)「この女を帰してほしければ」
広尾ユウジ(怪人)「ベルトを返せ」
広尾ユウジ「ベルト・・・・・・」
広尾ユウジ「これのことか!?」
広尾ユウジ(怪人)「あぁ、それだ」
広尾ユウジ「ちなみに、このベルトでの変身条件」
広尾ユウジ「知ってるか!?」
広尾ユウジ(怪人)「条件だと!?」
広尾ユウジ「あぁ」
広尾ユウジ「その条件ってのは」
広尾ユウジ「”広尾ユウジにしか変身できない”」
広尾ユウジ「だから、僕はこの姿になったんだ!!」
ヒーロー「久しぶりだ。この感覚」
広尾ユウジ(怪人)「な!?」
広尾ユウジ(怪人)「き、貴様!!」
広尾ユウジ(怪人)「グハッ」
広尾ユウジ(怪人)「・・・・・・」
　　そして
　　広尾ユウジは、己を殺した
　　その死体さえもこの世界から抹消するほどの勢いをもっての連撃で
　　こうして
　　この世界に存在する広尾ユウジは、正真正銘たった”一人”となった
　　次回　最終回