入れ替わりファンタジー 最『強』ヒーロー VS 最『弱』怪人

鉄火キノコ

第5話 ヒーローと怪人の衝撃(脚本)

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鉄火キノコ

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〇街中の道路
兄「グハッ・・・・・・」
ユキネ「兄さん!!」
ユキネ「貴様!!!!」
ユキネ「許さない」
ユキネ「絶対に許さない!!」

〇荒廃した遊園地
少女「お前だけは許さない」
ヒーロー(怪人)「なんのことだ!?」
ユキネ「あんたは、兄さんを殺した」
ヒーロー(怪人)「!?」
ヒーロー(怪人)「それは”濡れ衣”だろう」
ユキネ「は!?」
怪人(広尾ユウジ)(こいつの言っていることは正しい)
怪人(広尾ユウジ)(だって、彼女の兄を殺したヒーローは)
怪人(広尾ユウジ)「・・・・・・」
ヒーロー(怪人)「邪魔ものは消しておくか」
怪人(広尾ユウジ)「!?」
怪人(広尾ユウジ)「あぶない!!」
怪人(広尾ユウジ)「グハッ・・・・・・」
ユキネ「なんで、私のこと庇って」
怪人(広尾ユウジ)「僕だって助けてもらったから・・・・・・」
ユキネ「だ、大丈夫!?」
怪人(広尾ユウジ)「う、うん」
ヒーロー(怪人)「・・・・・・」
ユキネ「待ちなさい!!」
怪人(広尾ユウジ)「僕のことは気にせず」
ユキネ「で、でも・・・・・・」
怪人(広尾ユウジ)「ぼくは大丈夫ですから」
ユキネ「・・・・・・わかった」
ユキネ「あとで手当するから」
怪人(広尾ユウジ)「・・・・・・」
怪人(広尾ユウジ)「うん!?」
怪人(広尾ユウジ)「さ、さや!!!!」
怪人(広尾ユウジ)「なんでこんなとこに・・・・・・」
  先ほどの戦いに巻き込まれたのだろう
  気を失っている
怪人(広尾ユウジ)「速く、助けないと!!!!」

〇住宅街の道
怪人(ユウジ)「ハァハァ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「え!?」
怪人(ユウジ)「変身がいつの間にか溶けてる」
さや「う、うぅ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「目が覚めたのか!!」
さや「か、怪人!!」
怪人(ユウジ)「痛っ!!」
怪人(ユウジ)「なんで殴るんだよ!!!!」
さや「私をどうするつもり!?」
怪人(ユウジ)「決まってるだろ!?」
怪人(ユウジ)「病院だよ!!」
さや「病院!?信じられるわけないでしょ!?」
怪人(ユウジ)「君が遊園地で倒れてたから!!」
怪人(ユウジ)「あの場所は荒れてて、救急車もこれる状態じゃなかった」
怪人(ユウジ)「だから・・・・・・」
さや「そういえば、私なんでこんなとこに」
さや「さっきまでユウジと遊んでて・・・・・・」
怪人(ユウジ)「遊んでたのか」
怪人(ユウジ)「”あいつ”と」
怪人(ユウジ)「ナニかへんなこととか、されなかったか!?」
さや「今のあんたみたいにはされなかったわよ」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「助けてやったのに、その言い方はないだろ」
怪人(ユウジ)「信じてくれよ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「これやるから」
さや「・・・・・・」
さや「まぁ、助けてくれようとしてたみたいだし」
さや「少しは信じてあげる」
怪人(ユウジ)(こいつ、ほんとに心配だな)
さや「・・・・・・」
さや「そういえば!!」
さや「ユウジ大丈夫かしら」
さや「あ!!」
さや「でないじゃない!!」
怪人(ユウジ)「彼ならケガはないと思うよ」
さや「ホントに!?」
怪人(ユウジ)「うん」
警察「か、怪人!?」
さや「逃げるよ!!」
怪人(ユウジ)「え!?」
警察「待て!!」

〇入り組んだ路地裏
怪人(ユウジ)「なんで助けてくれたんだ!?」
さや「お互いさまよ」
さや「私、怪人って悪いヤツばっかだと思ってたけど」
さや「以外ね」
さや「なんだか、あなた良い奴よね」
さや「・・・・・・」
さや「少し、愚痴を聞いてもらえない!?」
怪人(ユウジ)「愚痴!?」
さや「うん」
さや「私ね、今日いっしょに遊んでたユウジってヤツがいるんだけど」
さや「そいつに”告白”しようとしてたの」
怪人(ユウジ)「え!?」
さや「でも、いきなり怪人が現れて」
さや「気を失った」
さや「それで、目覚めたらこれよ」
さや「はぁ・・・・・・」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
さや「どうしたの!?」
さや「そんなに驚いて」
怪人(ユウジ)「い、いや・・・・・・」
怪人(ユウジ)「なんでもない」
怪人(ユウジ)「てか、なんで僕にそんな話したんだよ」
さや「・・・・・・確かに」
さや「なんでかな!?」
さや「でもあんたは、なんだかすごく話しやすいの」
さや「昔からの親友と話してる気分になる」
さや「なぜだか、分からないけど」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「そういえば、気を失ってたんだから」
怪人(ユウジ)「病院には行った方が良い」
さや「そうね。お気遣いありがと」
怪人(ユウジ)「ぼ、僕はこれで・・・・・・」
さや「うん。ありがと」

〇組織のアジト
ユキネ「あなた、一体どこに行ってたの!?」
怪人(ユウジ)「あ・・・・・・えっと」
  さっきのことは言えない
怪人(ユウジ)「そ、そっちはどうでしたか!?」
ユキネ「逃がしたわよ」
怪人(ユウジ)「そうですか・・・・・・」
ユキネ「あの・・・・・・」
ユキネ「さっきは」
ユキネ「ありがと」
ユキネ「手当・・・・・・するね」
ユキネ「ほんと、ごめんね」
怪人(ユウジ)「大丈夫です」
怪人(ユウジ)「それより、ユキネさんが無事でよかった」
ユキネ「・・・・・・」
ユキネ「あなた、良い奴ね」
怪人(ユウジ)(良い奴・・・・・・なんかじゃない)
怪人(ユウジ)(だって、君の兄さんを殺したこと)
怪人(ユウジ)(言えないから)
怪人(ユウジ)(告白する勇気がないんだ)
ユキネ「そ、それにしても、怪人”最強”のラトスが負けるなんて」
ラトス「あのヒーロー、ここまでの強さだったとは」
ユキネ「ラトス、生きてたの!?」
ラトス「あぁ」
ラトス「初めてだ」
ラトス「誰かに負けたのは」
ユキネ「・・・・・・」
ユキネ「あいつ、何か弱点はないのかしら」
怪人(ユウジ)「弱点なら、ある」
ユキネ「え!?」
  本当は避けたかった
  でも
  もうこれ以上、ヤツをほってはおけない
怪人(ユウジ)「ヤツの弱点・・・・・・」
怪人(ユウジ)「それは・・・・・・」
怪人(ユウジ)「ヤツの人間体だ」
ユキネ「え!?」
怪人(ユウジ)「僕に任せてほしい」

〇大きな一軒家
怪人(ユウジ)「母さん、ごめん」
怪人(ユウジ)「さや、ごめん」
怪人(ユウジ)「僕は今日」
怪人(ユウジ)「”僕を殺します”」

〇男の子の一人部屋
広尾ユウジ(怪人)「・・・・・・」
広尾ユウジ(怪人)「スゥーピー」
広尾ユウジ(怪人)「グハッ・・・・・・」
広尾ユウジ(怪人)「き、貴様・・・・・・」
  to be continued

次のエピソード:第6話 ヒーローと怪人の報道

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