〇入り組んだ路地裏
怪人(ユウジ)「これからどうすれば」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
怪人(ユウジ)「あ!!」
怪人(ユウジ)「そういえば、さや・・・・・・」
怪人(ユウジ)「ちゃんと家に帰ってるかな」
怪人(ユウジ)「心配だし、ちょっと確認しに行くか」

〇住宅街の道
怪人(ユウジ)「もうすぐで学校だ」
さや「あのバカ、大丈夫かしら」
さや「え!?」
怪人(ユウジ)「さ、さや!?」
さや「か、怪人・・・・・・」
　　僕を見つめるその目は、震えていた
　　その目は僕に訴える。
　　恐怖
　　さやが僕を恐れているのだ
怪人(ユウジ)「クソ・・・・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
母親「ユウジ、今日は遅かったわね」
広尾ユウジ(怪人)（ユウジ。それがこの体の名前か）
母親「心配したのよ」
母親「連絡ぐらいはいれなさい」

〇教室
さや「あ、あんた!?」
さや「朝から学校来てるじゃない!!」
さや「熱でもでたの!?」
さや「まぁ、しっかり朝からくるなら誰も文句を言わないわね」
さや「・・・・・・」
さや「ねぇ、昨日」
さや「あんたと別れたあと」
さや「怪人を見てね」
さや「暗かったんだけど」
さや「あれは間違いなく怪人だった」
さや「パパとママにも言ったのに暗くて見間違えたんじゃないの!?とか言われて」
さや「信じてもらえなかった」
広尾ユウジ(怪人)「その怪人、どんな姿してた!?」
さや「緑の恐竜？みたいだった」
広尾ユウジ(怪人)「・・・・・・」
広尾ユウジ(怪人)「なぜ俺を呼ばなかった」
さや「え!?」
広尾ユウジ(怪人)「俺に頼ればその怪人を退治できた」
さや「!?」
さや「何言ってるの!?」
広尾ユウジ(怪人)「俺はヒーローだぞ」
さや「は!?」
さや「ホントに頭おかしくなったの!?」
さや「昨日からヘンよ」
広尾ユウジ(怪人)「!?」
広尾ユウジ(怪人)（こいつ、知らないのか）
広尾ユウジ(怪人)（この体の正体を）

〇教室
さや「あーーやっと終わった!!」
さや「帰ろっか!!」
広尾ユウジ(怪人)「今日はすぐ帰らない」
さや「!?」
広尾ユウジ(怪人)（ウォーミングアップがてらに）
広尾ユウジ(怪人)（この力で遊んでやる）
さや「あ!!」
さや「ちょっと!!」

〇入り組んだ路地裏
怪人(ユウジ)「腹へった」
怪人(ユウジ)「この体じゃ、昼間にはうかつに出歩けないし」
怪人(ユウジ)「夜の間、食料ぐらい調達するべきだった」
？？？「キャー!!!!助けて!!!!」
怪人(ユウジ)「すぐ、助けにいかないと」

〇街中の道路
警察「君は市民を守る英雄ではなかったのか」
ヒーロー(怪人)「だまれ」
警察「え!?」
警察「グハッ」
ヒーロー(怪人)「次はガキだ」
ヒーロー(怪人)「!?」
ヒーロー(怪人)「貴様か」
怪人(ユウジ)「お前何やってんだ!!!!」
ヒーロー(怪人)「遊びだよ」
怪人(ユウジ)「遊び!?」
ヒーロー(怪人)「あぁ」
ヒーロー(怪人)「せっかく手に入れたからな」
ヒーロー(怪人)「だがしかし」
ヒーロー(怪人)「人間どもはこんなにも歯ごたえがなかったのか」
ヒーロー(怪人)「弱さとは罪だな」
ヒーロー(怪人)「はぁ」
ヒーロー(怪人)「元のジブンがどれだけ弱かったか」
ヒーロー(怪人)「この身をもって知るとはな」
怪人(ユウジ)「まったく歯がたたない」
怪人(ユウジ)「自分自身を止められない」
ヒーロー(怪人)「しらけた」
怪人(ユウジ)「待て!!!!」
怪人(ユウジ)「・・・・・・」
　　怪人は周りを見渡す
　　そこには地獄があった
　　かつて”己”だった悪魔が作り出した地獄
　　街が血の色をしていた
怪人(ユウジ)「何もできなかった」
男「おい!!」
男「このやろう!!!!」
男「お前がこの人たちを!!」
　　騒ぎで駆けつけた”何も知らない男たち”が怪人を睨む
怪人(ユウジ)「ち、違う!!!!僕じゃない!!」
怪人(ユウジ)「く・・・・・・」
男「なんだこれ!?」
男「前が見えん」
？？？「速く逃げるよ!!!!」
怪人(ユウジ)「え!?」
　　to be continued