SAMURAI・RYU

鶴見能真

第一章その6 伝説の始まり(脚本)

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鶴見能真

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〇中華風の通り
  朱き翼は嘆く。我、力を欲す、青き者の如き力。力無き我に価値無し、力無ければ我は生きれぬ
朱雀「グッ!? ギャァァァァァァァァァァァァァ!」
  龍は朱雀を一閃の元に下す
東川龍「何だよ、ただの見掛け倒しか?」
南澤雀呂「ぐっ、おれは何を・・・!?」
東川龍「なんだ、覚えて無えのか?」
南澤雀呂「・・・」
  雀呂は辺りの燃え盛る街並みを眺める
南澤雀呂「おれが、おれがやったんか・・・!?」
東川龍「おっと、いつまでも燃やしたままじゃ被害が広がるな。──おいミズヘビ、お前雨降らせたり出来るか?」
青龍「フン! キサマノサシズハうけぬ!」
東川龍「出来るんだな。まあ俺もやろうと思えばやれるが、使えない部下でも使ってやらないとお前ただのお荷物だからな」
青龍「──キサマ、コノ青龍ヲドコマデ愚弄スルカ!?」
東川龍「黙れ敗北者。さっさとやれ、拒否したら刺身にして食うぞ」
青龍「クッ! コノニンゲンフゼイガ、オレヲコキツカイヤガッテ!?」
  剣先から現れた青龍は天に昇ると巨大な雨雲を発生させる
東川龍「お、降ってきた」
  降り注ぐ雨により燃ゆる街の火は消されてゆく
東川龍「で、俺はお前を”殺人”と”器物損壊”と”公務執行妨害”で逮捕しなきゃならねえ。同行願うぞ」
南澤雀呂「うっ、・・・あぁ」
  龍は雀呂に手錠をかける
  混乱しているのか雀呂は頭を抱える
南澤雀呂「すまんかったな、龍」
東川龍「街を焼いて北山の爺さん殺して、うちのジジイも・・・。一言で済むと思ってんのか?」
南澤雀呂「・・・すまん」
東川龍「話は署で聞いてやるよ」
東川龍「こいつは証拠品として預かるぞ」

〇屋敷の大広間
南澤雀蓮「──この空者が!」
幼い雀呂「──痛い! 痛いで父上!?」
南澤雀蓮「貴様それでもワシの子か! 朱雀の末裔か!?」
幼い雀呂「うぅっ・・・!」
南澤雀蓮「泣くなみっともない! ワシの子ならば強くあらんか!」
南澤雀蓮「北山にも、西道にも! 憎き東川にも舐められるでない! 弱さは恥と知れ!」
  バタン! と雀蓮は息子を井戸の底に閉じ込める
幼い雀呂「──父上! 暗い、寒い、痛い、狭い! 出してよ・・・、強くなるから、ここから出してよ!」
南澤雀蓮「貴様の様なカスは要らん! そこでくたばれや!」
幼い雀呂「父上・・・」
幼い雀呂「父上」
幼い雀呂「・・・」
雀呂「殺してやる・・・。テメェも、四家の奴等も全て!」

〇交番の中
  交番に戻ると龍は雀呂に事情聴取を行う
東川龍「──で。今回の動機は世界征服したかったでいいか?」
南澤雀呂「いや、そんなんは建前や。本音は、力が欲しかったんや」
南澤雀呂「お前の力に嫉妬してた。11年前、本来は四家が力を合わせてやっと封印出来る”黄龍”をお前は片手間に倒しやがった」
東川龍「”黄龍”、”麒麟”って奴の事か」
東川龍「(”俺”が目覚めて最初に倒した奴だな。対して強く無かったが、本来は封印するのがやっとだったんだな)」
南澤雀呂「おれはそれが許せへんかった。誰よりも強くなりたい、弱い自分に価値は無い」
南澤雀呂「その為に四家の宝具を揃えて絶対的な力を手にしたかったんや」
東川龍「親父さんからの虐待も関係してんのか?」
南澤雀呂「・・・家庭の事情は放っとけや。アイツもおれが殺した。もう何も関係あらへん」
東川龍「そうか」
東川龍「(親からの虐待、洗脳による人格の破壊。更生させるのは大変そうだな。今は何を言っても無駄だろう)」
東川龍「・・・さてと、聴取は終わりだ。あとは」
捜査一課刑事「来たで東川」
東川龍「お! グッドタイミング。後は頼みますねー」
  被疑者を先輩刑事に任せて東川の肩の荷が降りる
ラジオ「──続いてのニュースです。 今日午後五時頃、京都の街を巨大な火を纏う怪鳥が襲い、それを龍を操り刀を持つ男が倒したと──」
東川龍「やっべーなー。ちゃんと人払いした筈なのに大ごとになっちまった」
東川龍「ま、いっかー」
  この時はまだ、この事件が始まりに過ぎないと言う事を龍は知る由も無かった
卯ノ花兎未「──良いわけ無いやろ!!」

〇古風な道場
  同時刻、ある道場
テレビ「──こちら現場より、怪鳥と龍の現れた所を見たと言う観光客に話を聞いてみます」
テレビ「アレはサムライとモンスターだ! ドラゴンを操るサムライ、”サムライ・リュウ”がビッグバードを倒したのさ!」
  テレビには片言の日本語を話すテンションの高い外国人が映る
テレビ「──以上、京都の街からでした」
???「随分と派手な事をやるじゃ無いか、東川龍。 お前は絶対おれが倒す!」

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