〇SHIBUYA109
　　渋谷はいつも騒がしい。
　　ザワザワガヤガヤカチャカチャバラバラ。
　　街中は玩具箱をひっくり返したよう。
　　12色の絵の具を握り潰して手で広げ
　　そんな無造作で非法則的な色がバラバラと。
　　生徒指導のセンセイが、先手に取るのはピアッサー。
　　穴を開け、個性を付けて。そうしてブリキとなるのです。
　　ブリキはお国のためになるので、と
　　お国のために働くえらいえらい人に取られて奪われてクズとなるのです。
　　お国のためにお国のために、宝はブリキとなるのです。
　　電気を帯びたブリキ缶から溢れ出した、玩具箱をひっくり返したような情報達が私の頭へ流れて流れて
　　眩しすぎる情報の羅列達は、眼球を覆って潰して"偽"となって
　　お国のための宝な私は、ブリキとならずに
　　宝の山へと飛び込んでゆくのです

〇試着室
めぐめぐ「そぉなんだよね〜！ これほんっっとパンツにもスカートにも合うからめっちゃ万能で！」
めぐめぐ「アタシ今日は綺麗めお姉さんっぽくしてんだけど、背中のリボンかわいいからオフでもマジ使える」
めぐめぐ「これはガチ！」
「え〜!?ホントだ後ろリボンじゃん！ オバサンっぽいな〜って思ってた！」
めぐめぐ「誰がオバサンじゃい！」
「ぎゃはは！ウケる〜!!」
「かわいーけど背中開いてんのちょいハードルなぁ〜」
めぐめぐ「あ〜ね。寒いもんね〜」
めぐめぐ「そしたら中にさこれ着ちゃう〜？ 白タートルネック持ってて損する事ないっしょ？」
　　子供の頃、玩具屋さんで不思議な経験をしたことがある。
　　とても不思議だったという事だけが残って詳しくは思い出せないけれど。
私（どうしよう・・・。お客さん"も"綺麗すぎる・・・・・・）
私（やめようやめようもう帰ろう。 こんなキラキラに、私の居場所なんてあるわけが無いんだ・・・）
私（イヌステグテムのオススメで流れてきて出会った"めぐめぐ"さん・・・・・・。 加工が無くてもかわいい・・・）
私（スタイルもいい・・・・・・髪もツヤツヤ・・・ 艶で髪に白い輪が・・・）
私（天使みたいだな・・・・・・・・・・・・）
私（そんな天使に人間が近づく訳には・・・・・・）
めぐめぐ「・・・！」
めぐめぐ「いらっしゃいませ〜。 どうぞお手に取ってご覧下さい〜」
私（早く帰らないと・・・・・・ 私みたいなのがいてもお店の格式を下げちゃう・・・）
めぐめぐ「ウチのスカート履いてくれてんのめっちゃ嬉し〜。 明るいグリーンかわいいよね〜」
めぐめぐ「あ、グリーンっていうか黄緑か」
私「え!?あ、ミントグリーン・・・！」
めぐめぐ「そうそうそれそれ！ めぐより詳しーじゃん！もしかしてウチ好き？」
私「あ・・・！は、はい！ずっとイヌステで見てて・・・!!」
　　お店もだけれど、貴女を。
　　貴女だけを、ずっと。
めぐめぐ「マジ!?嬉し〜!!イヌステフォロー特典もあるから好きなの見てって！アタシなんでも相談乗るからさぁ」
私「はい・・・・・・!!」

〇ホストクラブ
めぐめぐ「でさ〜？めぐぅ、めっちゃ出勤してコーデも組んで撮って頑張っててさ〜？」
めぐめぐ「めぐぅ、頑張ってて偉いよね〜？」
？？？「うんうん。めぐはいつもえらいよ。 ほらえらいえらい」
めぐめぐ「キャ〜!!!!♡♡♡ じゃあじゃあ？開けちゃおっかなァ♡ ポ・ォ・ン♡」
めぐめぐ（ついでに匂わせし〜とこ。 めぐがエースだしぃ？）
私「あ・・・・・・！更新・・・」
私「・・・・・・」
私「・・・・・・・・・」
　　子供の頃玩具屋さんで不思議な経験をしたことがある。
　　それが流行っていたという訳ではないのだけれど、それはとても魅力的で
　　魅力的なそれが欲しくて欲しくてたまらなくて、100点をとったら買ってあげると親に言われて頑張ったのに
　　焼かれ、流され、冷やされ、塗装され、
　　そうしてできたブリキのわたしは
「33・99・77・・・・・・？」
　　魅力的な"それ"が、
　　他の誰かに所持されていると知ったその瞬間に
　　その魅力は突如として消えてしまうのです