1話「日常」(脚本)
〇華やかな裏庭
リンシェル「カイル早く!遅いと置いていくわよ」
カイル「そんな慌てなくてもいいだろ。 休みの日ぐらい筋トレしたいだが・・・」
リンシェル「筋トレはいつでもできるでしょう! 今日はシェリアスさんとゼイロムさん来てくれるんだからね」
カイル「ゼイロムさんが来てくれるのは珍しいな・・・絶対誘っても来ないだろ」
リンシェル「シェリアスさんに言われたからじゃない?」
カイル「なるほど・・・ってか、二人とも王族だよな?こんな自由に動けるものなのか・・・」
リンシェル「ゼイロムさんはわからないけど、シェリアスさんはお兄さんが殆どやってるから自由にできるとは言ったわね」
カイル「シェリアスさんの兄貴いたのかよ!?」
リンシェル「あら、有名よ。かなり美形で実力者ね。でも、重度のシスコンで、シェリアスさんに近付く男は凍らすらしいわ」
カイル「怖ぇーよ!!」
リンシェル「まぁ・・・シェリアスさんって美人だから心配になるのかもね」
リンシェル「美形で実力ある一家って凄いわよね。ゼイロムさんも凄いけど・・・」
カイル「あれは次元が違う・・・つか、何で俺達の補佐なんかしてるんだろな?」
リンシェル「知らないけど、私はシェリアスさんお姉ちゃんみたいで好きだよ」
リンシェル「たまによく分からないこと言うけど」
カイル「変わってるってゼイロムさんは言ったが・・・」
カイル「痛っ!?」
ゼイロム「遅せぇよ。いつまで待たせるんだ」
シェリアス「まだ30分しか経ってないわ。 二人とも来てくれてありがとう」
カイル「ゼイロムさんは少しはシェリアスさんの優しさ見習えよ」
ゼイロム「シェリは何も考えてねぇから気にしねぇだよ。俺は待たされるのは嫌いだ」
シェリアス「ゼイくんたら素直じゃないわね。 カイルくんとリンシェンちゃんと出掛けたいから来たのでしょう」
ゼイロム「お前が五月蝿いから仕方なく来ただけだ」
リンシェル「仲良しだね」
ゼイロム「こんなヤツと仲良くできるかよ」
シェリアス「あんまり意地悪言うなら・・・ルシェさんに言い付けるからね」
ゼイロム「なんでそうなるんだよ」
リンシェル「ルシェって・・・光の女神の?」
シェリアス「ええ・・・ゼイくんのお姉様で適わないのよ」
リンシェル「初耳なんだけど!?」
シェリアス「おたまげたでしょう。驚かそうと思って言わなかったの」
ゼイロム「伝える必要ねぇからな」
リンシェル「通りで凄いわけね」
カイル「というか、何処行くんだよ」
リンシェル「ケーキ食べ放題と買い物に行こう」
シェリアス「ケーキ食べ放題行きたいわ!」
ゼイロム「食い過ぎて夕飯食えなくなるからあんまり食うなよ」
シェリアス「ちゃんと考えて食べるわよ」
ゼイロム「どうだかな・・・前も食い過ぎて苦しいとか言ってたしな」
シェリアス「言ってないわ!たしかに、苦しくて寝てたけど」
ゼイロム「だから、考えないバカなんだよ」
シェリアス「ゼイくんだって夕飯食べないでゲームやって怒られたくせに」
ゼイロム「俺はいいんだよ、お前と違うからな」
シェリアス「発言がお子様ね」
ゼイロム「お前には言われたくないだが」
リンシェル「まあまあ・・・二人とも仲良しだね」
ゼイロム「仲良くねぇよ」
シェリアス「意地悪ばかり言うから嫌いっ」
リンシェル「えっと・・・」
カイル「そういえばシェリアスさんが好きそうなぬいぐるみが売ってる店があったんだけど、そこ行こう」
シェリアス「行きたい!どんなぬいぐるみ?」
カイル「白狐と竜だな」
シェリアス「ほしい!絶対可愛いわ、早く行こう」
リンシェル「機嫌直ってよかった・・・」
ゼイロム「単純だからな・・・」
リンシェル「あんまり言い過ぎちゃダメだよ。 シェリアスさんも向きになるから悪いけど・・・」
ゼイロム「ったく、女はめんどくせぇな」
リンシェル「ほら、乙女心と秋空って言うしね」
ゼイロム「なんか違う気が・・・まぁ、お前も大変なのはわかった」
ゼイロム「シェリの事任せたからな」
リンシェル「えっ」
ゼイロム「さっさと歩け、馬鹿が走ってるから転ぶ」
リンシェル「そんな転ぶな・・・」
シェリアス「痛い」
カイル「は?何も無いところで転んだ!?」
カイル「だ、大丈夫か?」
シェリアス「大丈夫よ、ありがとう」
リンシェル「本当に転んでる・・・ビックリした」
ゼイロム「阿呆だからな・・・昔はよく泣いていたが・・・」
リンシェル「心配なんだね」
ゼイロム「俺が文句言われるから泣かれたくねぇだよ」
ゼイロム「ほら、行くぞ」
リンシェル「待って〜」
この日は少し賑やかに過ごせていた。
こんな日常が続くと信じて
口が悪いながらも、実は仲良さそうな4人。
この平和な日常が、どんな風になるのか・・・
不幸が待ってるとしたら、ちょっと恐ろしい。あるいは冒険か・・・楽しみですね。