空耳探偵団、かけらを探す(脚本)
〇公園の砂場
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ほら、この時間帯なら涼しいでしょ?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだな。夕方からにして正解だったな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「しかし宮城団員が急に来れなくなるとは・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ふうん」
熊元治(くまもと おさむ)「けど時間がないぜ、早く探さないと」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね」
岩手ひかり「で、何を探すんですか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これ」
岩手ひかり「何ですか、それ。目玉?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何それ ガチャガチャのおもちゃみたいだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あんたが持って来いって言ったんでしょ 公園で拾ったやつよ!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あー あれか どれどれ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何か未来的なデザインだな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あれ 端っこが欠けてないか?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうなの、あたしの父も同じこと言ってて、何かパーツがあったんじゃないかって・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ふうん・・・ 父? 千穂のお父さんって何をやってる人よ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「研究所の科学者なんだけど、ジャンルが広くて宇宙人関係のことを調べることもあるみたい」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおーっ」
岩手ひかり「高まってる・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「父が言うにはこれは地球のものじゃないんじゃないかって・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおーっ!」
岩手ひかり「さらに高まってる・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いったいどんな用途に使うもんなんだろうな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「コンタクトレンズみたいに目に入れると、文字や絵が表示されるんだって」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおーっ!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「自分が知りたいことなら何でもデータを出してくれるみたい 文字が調べた限りでは地球のものではないみたいなの」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「まじすげーな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃあ、そのパーツとやらを探せばいいんだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そういうこと」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおーっ!」
岩手ひかり「今のどのへんで高まったんだ?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ここで緑色の人が目撃されたことは父も知っていて興味を持ってたの あたしがこれを持ってってあげたらすぐに調べだして・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「すごい物である可能性が高いから黙っていろって言われて・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだったのか。だから隠していたんだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん。ごめん 父にレンズを調べさせてあげたくてね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あとあまり探偵ごっこはしない方がいいって言われた」
熊元治(くまもと おさむ)「どうして?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これの持ち主が探しているからかもしれないって言うの。だから危ないって」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あり得るな あの偽警官も・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「福鳥は宇宙人にさらわれた・・・?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「それは分からないけど・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「相互会とは関係あるのかな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うーん・・・分からない」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あり得るな。やっぱ教団の後ろでは宇宙人が糸を引いていた・・・とか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおーっ!」
岩手ひかり(自分で言ったことに対して反応した?)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そういうわけで」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これについていたと思われるパーツを探してほしいの」
岩手ひかり「同じ色をしていて、小さいサイズの物なら怪しいですね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃあ、俺は向こうを探そう」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ちょっと待ってくれ。その目玉俺つけてみていい?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あとにしてよ。日が暮れそうだし」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あ、そうだな よし、俺はあっち探すわ」
岩手ひかり「どこにしよ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたしはどこにしようかな 前に探さなかったところあったっけ・・・」
〇病室のベッド
辰場とリュウのアジト
リュウ(この数か月、辰場の下で働いてきたが少し妙だな)
リュウ(なぜよくあの公園に行くのだろう・・・)
リュウ(聞いてもあの公園の事件は新人にとっては難しいと言って、はぐらかしてくるし・・・)
リュウ(おかしい・・・)
リュウ「・・・あの公園には何かある」
〇公園の砂場
リュウ(おや・・・ あのときの若者がいる・・・)
リュウ(・・・隠れて様子を見よう)
熊元治(くまもと おさむ)「んー ないな・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「やっぱ警察か、あの偽警官が見つけて持って行っちゃったのかな」
岩手ひかり「蚊が多い~ 虫よけスプレーかけてきてよかったー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「んー・・・暗くなってきたし・・・もうやめるー?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだな」
岩手ひかり「あー かわいい!!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あれ・・・ 何かくわえてね?」
岩手ひかり「ほんとだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「これさ、色があのレンズと似ている! まさか」
岩手ひかり「よしよし・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「岩手団員。猫を逃がさないようにうまくとれよ」
岩手ひかり「・・・ ゲットォッ!」
岩手ひかり「このパーツ小さ! さっきの目玉に合いそうですよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いやー よかったよかった」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「岩手さんお手柄!」
岩手ひかり「それはこの猫ちゃんに言ってください」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね ありがと、猫氏」
岩手ひかり「あ、あれ・・・」
岩手ひかり「あ」
岩手ひかり「・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「どうしたの」
岩手ひかり「何か透明な感じの・・・りゅうが・・・一瞬・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「猫いなくね!?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どこ行っちまったんだ・・・消えたぞ」
岩手ひかり「何か急に怖くなってきた・・・ うちら祓ってもらったほうがよくない?」
熊元治(くまもと おさむ)「祓う?どうやって?」
岩手ひかり「あ、それは寺がその・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・・・・ さっそくこれとつけてみましょう」
岩手ひかり「はい。どうぞ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「よし、はめるか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「よいしょっと・・・」
岩手ひかり「あ、はまりますね!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「音が出た!」
熊元治(くまもと おさむ)「なんかすごそうだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「何も起きないな・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「んー まあどうなるか、あとで教えてくれよ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「わかったー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・じゃ、帰るか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうしよ」
岩手ひかり「うーん・・・あのー・・・」
岩手ひかり「先輩方! 実はこの近くの寺院、あたしの叔父が住職してるんですけど、泊まっていきません?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あー 前に言ってた!」
熊元治(くまもと おさむ)「近くって・・・じゃあ、小山寺(しょうざんじ)のこと?」
岩手ひかり「そうです さっきのりゅうのこととか叔父に話してみた方がいいと思うんです」
熊元治(くまもと おさむ)「マジかー あそこ岩手の親戚だったんだ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね・・・じゃあうちに連絡入れないと・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「よし、じゃあ今日は寺泊まりだな 何か楽しみだ」
リュウ「・・・あれは、いったい誰の物だ・・・ なぜあいつらが接続機を持っている?」
リュウ「これは一大事だ・・・ 本部に報告しないと・・・」
〇銀閣寺
岩手ひかり「着いた・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「来るの久しぶりだな・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「広くて素敵な庭ね」
岩手ひかり「あ、声がするな まだ檀家さんがいるみたい・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おお・・・ 俺寺に泊まったことないわ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「楽しみー」