第三話 虐めた義母との謁見なんて最悪(脚本)
〇城の救護室
アレクサンダー王子「キャロライン・・・お願いだ目を覚まして」
キャロライン「アレクサンダー・・・助かったの私?」
アレクサンダー王子「良かった目を覚ましてくれたんだね」
キャロライン(殺されたはずよ私・・・また転生したのかしら?)
キャロライン「ここは何処」
アレクサンダー王子「宮殿の病院さ・・・個室じゃぁなけど」
キャロライン「どうして?無人島だったはず」
アレクサンダー王子「船が無事でね迎えに来てくれたんだ」
キャロライン「お願いだから正直に話して」
アレクサンダー王子「実は、無人島はウソ。君を驚かそうと思ってね」
キャロライン「私を刺した男は」
アレクサンダー王子「残念だけど逃げられてしまった」
キャロライン「あの刺客はアレクサンダー、アナタの差し金?」
アレクサンダー王子「ち、違うよ・・・僕がそんな事をするわけないだろう」
キャロライン(判るもんですか・・・今まで私は彼の一族に酷い事をしてたんだから当然復讐を企んでいるはずよね)
キャロライン「ねぇ、これまでアレクサンダーに酷い事をしてきたのは謝るわ・・・これからは心を入れ替えて貴方に尽くそうと思ってるの」
アレクサンダー王子「改まって言われても・・・」
付き人2「ようやくお目覚めですかな姫様」
アレクサンダー王子「丁度良かった、君からも刺客が我々の手先で無い事を言ってくれ」
付き人2「私は、刺客の雇い主の目がぼんくらだったことを残念だと思います」
アレクサンダー王子「な、なんて事を私の妻に向かって」
キャロライン「イイのよ、そう言えば昔夏の離宮で貴方を滝から突き落とした事がったわね無事でよかったわ」
付き人2「あの時、王子が助けてくれなかったら今頃私は・・・」
キャロライン「御免なさい・・・これで帳消しにはならないと思うけど今の私にはこれが精いっぱいの償いなの」
付き人2「分かりました。では明日皇后とのご面会ですのでご退院をお願いいたします」
キャロライン(まだまだ謝らなければならないのね)
アレクサンダー王子「そうだ荷物、持ってきたから」
アレクサンダー王子「それじゃぁ俺は外で待ってるから」
私の荷物の中から愛読書「アルトハン公国」が見えた
またまた栞が挟んであった
クソ、刺客に殺されてりゃぁ良かったのにそうすれば私は自由の身、4年後本に転生される心配をせずに物語を楽しめたものを
キャロライン(前の転生者が物語に介入できるのかしら?兎に角次のページが白紙と言う事は物語を読んだ経験は役に立ちそうもないわね)
〇謁見の間
アレクサンダー王子「義母様紹介します嫁のキャロラインです」
キャロライン「お義母様お久しぶりですわ。お元気で何より」
シャルリ夫人「おや?アグネス姫ではないのですのね」
キャロライン「ハイ、妹より私を気に入ってもらいまして」
アレクサンダー王子「ハイ、私にはしっかり者の嫁さんが必要ですから」
キャロライン「それとお義母様、今までの事、大変失礼な事を致しまして申し訳ございませんでした。お詫びいたします」
シャルリ夫人「これは、謝って済む問題じゃァないわ。それにアルトハン家にエッテラン侯爵家の領地が必要なのよアレクサンダー」
キャロライン「まぁ、お義母様そんなはしたない・・・巷ではそのような人を「守銭奴」と呼んでますのよ」
シャルリ夫人「だまらっしゃい・・・お前には以前より煮え湯を飲まされた思い出ばかりどの面下げて嫁に来た!!」
キャロライン「アレクサンダーが是非にというものですからほほほほ・・・」
アレクサンダー王子「いいではありませんか・・・キャロラインは我が城にはいる予定ですからお義母様のご心痛の為とはなりませんし」
シャルリ夫人「兎に角約束が違うとアグネス姫に伝えよ、そしてこの悪女とすぐに離婚しなさい」
アレクサンダー王子「既に、婚姻した妻と理由なく別れるとなると世間体と周辺同盟国の離反を招く恐れがございます」
シャルリ夫人「そもそも今回の婚姻は対立関係にあった当家へのエッテラン家の従属のあかしとして私が取り決めたもの」
アレクサンダー王子「しかしキャロラインと別れるとなると昔の対立関係に戻る事になるやもしれません。そうなると今のエルフ討伐に支障が出ましょう」
キャロライン「それに別れるとなるとアレクサンダー王子がエッテラン家に嘘を申した事になりますわお義母様」
シャルリ夫人「ぬぅ口惜しい・・・又してもキャロラインにはめられたか」
アレクサンダー王子「そうだ、キャロラインを我が領地の城にとどめて義母様のお目の届かぬようすれば・・・」
シャルリ夫人「ダメです。我が宮殿で当家のしきたりをキャロラインにしっかり身に着けてもらいます」
キャロライン(出た!!いじめの仕返し・・・)
アレクサンダー王子「しかし私だけ領地に戻ると世間体が・・・」
シャルリ夫人「お前はエルフとの戦いに行って貰う」
アレクサンダー王子「ハイ、お義母さま・・・」
キャロライン「あの~私の部屋は・・・」
シャルリ夫人「勿論用意してあるわ、女中部屋をね」
キャロライン(やっぱ怖~い)
〇部屋のベッド
狭い部屋の小さなベッドを見て私はため息をついた
キャロライン(トホホ・・・王子の妃なのにこんな部屋・・・)
キャロライン(あれ、この荷物誰のかしら?)
メイド2「チョット、私の私物なのよ勝手に触らないでよ」
キャロライン「私はキャロライン。アレクサンダーの妻よ」
メイド2「あぁ、王子をたぶらかしたあの意地悪な女ね・・・私は同室者のメイド、よろしく」
キャロライン「同室者?ベッドはひとつしかないわよ」
メイド2「昼夜交代制だからベッドはひとつで十分よでも私の私物を触らないでね」
キャロライン「わ、私は女中なの~」
アレクサンダー王子「何をしてるんだキャロライン」
キャロライン「ねぇ、何で私が女中部屋?」
アレクサンダー王子「ハハ~ン、さては義母様に早速意地悪されたな。来た前、僕達の部屋は隣だよ」
〇貴族の応接間
アレクサンダー王子「ここが、僕達の部屋だよ」
キャロライン「素敵」
キャロライン(全くもう一時はどうしようかと思ったわ)
メイド2「失礼しますご主人様」
アレクサンダー王子「あっ、メイドが来た。このメイドが君の世話をしてくれるからね」
キャロライン「宜しくね!!」
メイド2「旦那様は本当に虐めっ子とご結婚されたんですね」
アレクサンダー王子「そ、そんなキャロラインは決して虐めっ子ではないよ」
メイド2「私の父は、虐めに会った義母様によって詰め腹を取らされ自殺しました」
キャロライン「そうだったの・・・ごめんなさい気がつかなくて」
アレクサンダー王子「そうだ、明日僕は戦場に行くからね」
キャロライン「ええー、明日・・・」
キャロライン(あのババァと一緒の城でもアレクサンダーが居れば我慢もできるんだけどなぁ)