Sparking Carats!

西園寺マキア

第16章 明日はこれから(脚本)

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西園寺マキア

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〇お祭り会場
  週末、はるかたちは近所のお祭り会場でライブを披露していた
  小さなステージだったが、スポットライトが当たるだけでも緊張感が大違いだ
  さくらが最後のワンフレーズを歌い終わると、スピーカーから流れていた音楽が止んだ
はるか「Happy♡Paradeでした! ありがとうございました!」
「ありがとうございました!!」
  最後の挨拶を終えると、周りからパチパチと拍手が巻き起こった
司会者「ありがとうございました! 元気いっぱい、フレッシュなステージでしたね!」
司会者「Happy♡Paradeさんは、再来週に開催される大会に出場されるようですね?」
はるか「そうなんです! 精一杯頑張りますので、応援に来てくださいね!」
  舞台から降壇すると、客席から「楽しかったね!」「大会、応援に行こうかな」という声が聞こえてきた
「お疲れ様!」
さくら「客席から嬉しい言葉が聞こえてくるじゃないの~!」
  さくらが満面の笑みでゆきを小突いた
ゆき「そうね、みんな徐々にステージ慣れしてきたように感じるわ」
はるか「みんなの笑顔が見れるのが本当にうれしいよ・・・」
  客席にいるお客さんは、みんな笑顔でステージを見てくれていた
  はるかにとっては、それが何よりもうれしくて、楽しかった
ゆづき「あれ、あそこにいるのきりちゃん?」
  ゆづきが客席の方を指さしたので、3人はとっさにそちらを向いた
  すると客席の奥の方で、きりがステージを見つめて立っているのが見えた
はるか「きり、どうしたの!?」
きり「おつかれさま」
  きりは少し笑ってそう言うと、スケッチブックをはるかに手渡した
きり「衣装のイメージを練るために、ライブ見に来た」
はるか「わぁ、すごい!」
  スケッチブックには、ピンクを基調としたブレザータイプの衣装デザインが描かれていた
はるか「きり〜、最高だよ〜! 本当にありがとう〜!」
  はるかがハグすると、きりは少し照れくさそうにしていた
ゆづき「きりちゃん、こんにちは ライブ、見に来てくれたの?」
はるか「そうそう、衣装デザインのために・・・」
「衣装デザイン?!?」
はるか「・・・あっ」
  3人が同時に叫んだことで、はるかは衣装についての話をしていないことを思い出した

〇神社の出店
ゆき「もー、早く言いなさいよ」
  事情を説明すると、ゆきはがっくりと肩を落とした
ゆき「何案か考えてきちゃったのに・・・」
ゆづき「ゆき、なかなかいいセンスしてるわね・・・」
  ゆきの持ってきたタブレットには、子供の落書きのようなイラストがいくつか描かれてあった
  「ご当地衣装」と書かれたページに「つやつや!瀬戸焼ドレス」のイラストがあったが、全員見て見ぬ振りをした
ゆき「でも私が考えてきた衣装より何倍も素敵だわ」
さくら「何千倍もね・・・」
女性「すみません、ハピパレのみなさん・・・?」
  ゆきとさくらが小競り合いを始めようとすると、先ほど客席にいた女性が話しかけてきた
女性「さっきのステージ、とても楽しかった! 思わずファンになっちゃいました!」
「ありがとうございます!」
  色々なステージに出演するようになってから、こうして声をかけて頂くことも増えてきていた
女性「これからも、応援しますね!」
  女性はにっこりとした笑顔でそう言うと、踵を返して行ってしまった
きり「さっきの女の人、笑顔だった」
  去っていく女性の背中を見ながら、きりが呟いた
はるか「うん、嬉しいな」
きり「ハピパレ、人を笑顔にする力があると思う」
きり「私のデザインした衣装で、もっと笑顔になってくれたらいいな・・・」
はるか「きりたぁ〜ん!!」
  感極まってきりに抱きつくと、ゆきがいつものように「さあさあ」と手を鳴らした
ゆき「さあさあ、ファンの皆さんの期待に応えるためにも、もっと頑張るわよ」
さくら「その前に! 屋台グルメも楽しまなきゃね?」

〇空
ゆき「あっ、待ちなさいよ! 私もたこ焼き食べる!」
ゆづき「やれやれ・・・ 私はフランクフルトでも買おうかな」
はるか「ゆき! ソースめっちゃついてるよ!」
ゆき「ぎゃぁぁあ!!!!」
「あはははっ!!!!」
  お祭りの雑踏、屋台の匂い、友達の笑い声・・・
  はるかはこの瞬間が愛おしくてたまらなかった

〇個別オフィス
  ──同時刻、サルビアプロダクション内
むつみ「追加メンバーオーディション、良さげな子はいるのかしら?」
スタッフ「どうでしょう、今のところパッとした練習生はおりませんな」
むつみ「こまったわね・・・」
  むつみは立ち上がって窓の外を見た

〇渋谷の雑踏
むつみ「今度開催されるルーキー大会・・・」
むつみ「何人かスカウト要員を派遣してくれるかしら?」

〇黒背景
むつみ「今のあの子たちには何かが足りない」
むつみ「このままだといつか立ち止まってしまう・・・」

〇宇宙空間
むつみ「CRESCENTに相応しいスターの原石を探すのよ──」

次のエピソード:第17章 散乱と凝固

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