第54話 進撃する新未来(アナザー)(脚本)
〇アジトの一室
2021年 イリノイ州 デュページ郡 ネイパービル 氷壁に覆われた街 仮設現場事務所
エル・シッド「見せてやる···『ティソーナの輝き』を!」
エル・シッドの放つ言葉と共に、エル・シッドが持っているライトマシンガンが輝きを魅せる
敵も味方も外で見ていた斎王達すらも、その輝きから目を離せずにいた
エル・シッド「我が輝きをみよ!我が輝きは剪定の光!強き勇者よ立ち向かえ、弱き者は逃げるがいい!」
エル・シッド「この輝きをもってして、全ての者の『剪定』を行う!」
すると一部の作業員と紅色派の人間が恐怖の表情を見せ、次々に逃げ出した
斎王達はそんな様子を見て、不思議そうにしながら、再び全員で中の様子を伺った
エル・シッド「ちっ···全員の拘束は解けなかったか···!」
紅色派の中国人「てめぇ···変化武器の分際で···ナメたことを!」
紅色派の中国人は激怒し、その場で作業員の頭を撃ち抜こうとした瞬間
斎王幽羅「させない···『エアドロップ』」
斎王は瞬時に自身の右腕を空気と一体化させ、紅色派の中国人の体内に侵入。紅色派の中国人は引き金を引けずにいた
紅色派の中国人「クソっ!何やってる、人質をブッ殺せ!」
「やらせるか!」
トリガーを引こうとする瞬間、凪園とフェードが飛び出し紅色派の中国人達を攻撃。
フェードは九節鞭で銃を全て絡め取り、凪園はウィンドミルで紅色派の中国人達を無力化した
斎王幽羅「二人ともありがとう。というか凪園ブレイクダンスなんてできたんだね、ビックリしたよ」
凪園無頼「暇だったから覚えたんだよねー、どう?様になってた?」
斎王幽羅「うん、凄くかっこよかったよ!なんか『凪園らしい』感じがしたよ」
フェード「まぁそれはともかく···人質は解放したが、こいつらからは聞きたいことがある。何をしてやるかな···」
凪園とフェードが紅色派の中国人を無力化したとほぼ同時に、鸞は縄で拘束し中国人達を横一列に並べていた
どうしたものかと考えていた時、エル・シッドがライトマシンガンを出現させ紅色派の中国人達に向ける
エル・シッド「この野郎···よくもホセやミゲル『達』を殺したな!てめぇら纏めてミンチにしてやる!」
斎王幽羅「ちょっと待った!達···?他の場所でも同じことが起こってるんですか···?」
エル・シッド「あぁそうだ、こいつらヘラヘラしながら喋ったんだよ!ムカつく···とにかくブッ殺さねぇと気がすまねぇ!」
斎王幽羅「フェード、鸞、どうにか目的を知りたいんだけど···大丈夫そうかな?」
紅色派の中国人「无论我怎么努力,都无法与Another竞争。你们完蛋了(どうやってもアナザーには敵わん。お前らは終わりだ)」
紅色派の中国人「荣耀属于猩红派系!(紅色派に栄光あれ!)」
鸞「こいつ···!『毒薬』か、油断した···すまん皆 、俺の注意不足で貴重な情報源を···」
紅色派の中国人達は次々に口から血を吐きながら、死んでいった。鸞は『自身の判断を誤った』と皆に謝罪する中
エル・シッドは収まることない怒りを死体にぶつけようと、ライトマシンガンの引き金を引こうとした瞬間
斎王が血相を変えて、エル・シッドの腕を掴み引き金に指を入れ、引き金を引けないようにした
エル・シッド「ちぃ···!てめぇ、なんのマネだ!どけルーキー!」
斎王幽羅「エル・シッドさん···どんな理由があろうと『死体に追い討ち』をかけるのは間違ってる」
斎王幽羅「こんな事してもホセさん達は戻ってこない。それに···ホセさん達を恨みを晴らす気なら」
斎王幽羅「死体撃ちじゃなく、紅色派が計画していた事を潰す事がホセさん達も浮かばれるはずだ」
エル・シッド「うるせぇ!じゃあどうすりゃいいんだよ、その計画ってのはどうすりゃわかんだよ!」
すると作業員が血相を変えて現場事務所に入って、斎王達にある事を伝える
作業員「お···親方!ボスから緊急連絡です!街のほうに···アナザーが大量に向かっています!」
斎王幽羅「紅色派の狙いはこれか···!皆、今すぐ街の方へ!」
斎王達が飛び出すと、出入口が車で塞がれており、敷地内には大量の紅色派の中国人達がこちらの方へ歩いてくるのが見えた
作業員「な、なんだあいつら···どっから湧いて···」
鸞「斎王、ここは俺達に任せろ。お前はエル・シッドと一緒にアナザーを食い止める」
斎王幽羅「でも···それじゃあ皆は···?俺もここに残って···!」
鸞「エル・シッドを抑えられるのはお前くらいだろ?ならお前が行った方がいい。それとも俺達はそんなに弱いように見えるか?」
斎王幽羅「··· ··· ···じゃあ俺からのお願い聞いてくれる?」
斎王幽羅「『凪園を連れていきたい』。ダメかな···?」
鸞「構わん。凪園がいなくなればちょうど俺達の取り分が増える、そうだろ?」
エンチャント魔導法士「そうだな、重労働ばかりでいい加減イライラしとったんだ。年甲斐もなく『八つ当たり』できる相手が欲しかったところだ」
フェード「私も事務所でセクハラ発言ばかりされてイライラしていた···思う存分暴れられるというものだ」
キング「俺らは大丈夫だ、斎王。さっさと行け!それとエル・シッド!」
キング「斎王の事···頼んだぜ?『戦場の勇者』エル・シッド」
エル・シッド「··· ··· ···あぁ、絶対死なせねぇ。だからてめぇも死ぬなよ?キング」
キング「おう、帰ったら酒奢ってやる···よし、行け!」
To Be Continued··· ··· ···