第四話 二人のために(脚本)
〇入り組んだ路地裏
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・俺は奴ともう関わらない」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「恵里が助かる方法があれだとしても、みたなが危険に巻き込まれる方法は取れない・・・」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「俺はみたなを守るって決めたからな!」
???「ずいぶんと意気込んでいるようだねぇー」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「なっ」
???「もしかして、ワタシのことも言っていたのかいー?」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「なんだよ、俺は最後の最後も失敗したんだ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「もう捨て置いてもいいんじゃないのか?」
???「ふふ、そういうわけにもいかなくなったんだよねぇー」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「あ?」
???「川西みたなだよ」
???「彼女が『明日(tomorrow)プロジェクト』の第一人者だと分かったからには、キミを利用しない手はないんだよぉー」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・みたなに何をする気だ」
???「おぉー、キミが彼女を気にするとはねぇー」
???「彼女は、キミにとって大切な人なのかなぁー?」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・っ、なんでもいいだろ」
???「そうだねぇー」
???「まー、これからもキミを使う、ということだよ」
???「次のワタシの願いを叶えたならば、キミの妹__柿本恵里の意識を覚醒する手段を教えると約束しよう」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・っ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「分かったよ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「それで? 俺は何をやればいい?」
???「川西みたなから『明日(tomorrow)プロジェクト』の全貌を聞き出せ」
???「それだけでいいからねぇー?」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・ちっ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「明日でいいか?」
???「はは、のみ込みが早くて助かるよぉー」
???「じゃあ、明日よろしくねぇー」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(俺がみたなに・・・)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(いや、大丈夫だ。 俺は、恵里も、みたなも守る)
〇バスの中
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「あ、みたな」
川西 みたな (かわにし みたな)「あ、馬瑠。 どうしたの?」
川西 みたな (かわにし みたな)「今日はバスジャックマンじゃないんだ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「はぁ、俺がバスに乗ったら、いつもバスジャックしてると思うなよ?」
川西 みたな (かわにし みたな)「あはは、そうだよね」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「ところで、みたな。 昨日言ってた『明日(tomorrow)』計画ってなんなんだ?」
川西 みたな (かわにし みたな)「・・・やっぱり、馬瑠も気になる?」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「当たり前だ。 その計画の第一人者なら、昨日みたいに狙われるかもしれねえだろ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「俺はお前を守るって決めたんだ! それくらいは知っておきたいぜ」
川西 みたな (かわにし みたな)「ん・・・? 馬瑠、いつ私を守るなんて言ったの?」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「いっ、言ってなくても俺は心の中でそう決めたんだよ!」
川西 みたな (かわにし みたな)「・・・そっか」
川西 みたな (かわにし みたな)「なら、バスを降りたら話すよ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「本当か・・・!」
川西 みたな (かわにし みたな)「うん。言ったでしょ? 頼りにしてる、って」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「ああ、ありがとな、みたな!」