バスジャックマン

さつまいか

第二話 裏(脚本)

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〇入り組んだ路地裏
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「はぁー、困ったぜ。 バスジャック、今日成功しなかったなら__」
???「そうだねぇー。 キミとの契約も破綻になるかもねぇー」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・ちっ、もう来やがったか」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・タキシード。 おめえの条件を満たしてないわけじゃねえだろ」
???「ふふ、そうだねぇー。 でも、ワタシはそんなに寛大ではないのだよぉー?」
???「今日のことは許すとしよう。 しかし、次はない」
???「キミには期待しているよぉー、馬瑠くん」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「はあ・・・。 どいつもこいつも・・・ったく」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「まあ、いいか」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「俺はバスジャックなんざしたくてしてるわけでもねえ」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「ただ、アイツを守るためだけに___」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「ああ、やめだ! 俺にこんなしんみりしたのは似合わねえ!!」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・ま、今日は様子を見に行くか」

〇田舎の病院の病室
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「恵里、今日も来てやったぞ」
柿本 恵里 (かきもと えり)「・・・・・・」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・まだ、眠ったままか」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(三ヶ月前に事故にあって、一命を取り留めたものの__)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(ずっとこの状態だからな・・・)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「恵里、俺を『お兄ちゃん』と呼んでくれよ・・・! 前みたいに笑っている顔をみせてくれ!」
柿本 恵里 (かきもと えり)「・・・・・・」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・今は、待つしかない、か」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(ふっ、恵里が俺のバスジャックのことを聞いたら怒るだろうな)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(『私のためにそんなことしなくていい』って)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(だが、これは俺が決めたことだ。 妹になんと言われようと絶対に助けてみせる)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)(俺がタキシードの奴の言うことをきいているのも、バスジャックマンとして何度も悪行を働いているのも、全ては恵里のため)
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「待ってろよ、恵里。 お前を笑顔にさせてやる」
柿本 恵里 (かきもと えり)「・・・・・・」
柿本 馬瑠 (かきもと ばる)「・・・じゃあな」
柿本 恵里 (かきもと えり)「・・・・・・」

〇組織のアジト
???「で・・・? 状況はどうなのかなぁー?」
手下「はいっ、今のところ変わりはねえです」
手下「けど、ひとつ気になる点が・・・」
???「なんだいー? いいから言ってみろ」
手下「はいっ・・・、実は、柿本馬瑠がバスジャックをしているとき、常に川西みたなという女がバス内にいるそうで」
???「・・・・・・川西みたな? 聞かない名だねぇー」
???(もしかして、あの”プロジェクト”に関わるひとりなのかなぁー?)
手下「今、他の奴らに捜索させているんですが、中々有益な情報は集まらず__」
???「そうだろうねぇー。 ワタシの勘が正しいなら、とんでもない大物だねぇー、彼女は」
???「引き続き、捜査は続けてくれたまえ」
手下「はっ! あなた様のおっしゃるように」
???(ふふ、ずいぶんと楽しくなりそうだねぇー)
???「おもちゃを見つけたつもりが、逆に利用されていた、 ということにならなければいいがねぇー」

次のエピソード:第三話 またまた再会

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