〇タワーマンション

〇応接室
ハルオ「い、いきなり結婚って・・・」
ムバンべ「オトウサン、コッチ・・・」
ムバンべ「ドウイウコト？」
ハルオ(アンドロイド)「えー、つまり、 私はパパのアンドロイ・・・」
ムバンべ「オー、ワカッタ！」
ムバンべ「一妻多夫制デスカ！」
「・・・え」
ムバンべ「というコトは、フタリともオトウサン！」
ムバンべ「・・・ソチラがセカンドハズバンド？」
ハルオ「違うわ！ どっちかと言えばファーストだし！」
ムバンべ「ワタシの国、ノイマン王国は 一夫多妻制ナンデース・・・」
ムバンべ「ダカラ、一妻多夫制があっても オカシクはアリマセーン！」
ユキエ「うーん、一概に違うとも 言い切れない複雑な関係性よね・・・」
ユキエ「・・・ん？」
ユキエ「もしかして・・・ ムバンべさんも一夫多妻制？」
ムバンべ「ハイ、妻が６人イマース」
「ろ、６人・・・!?」
ユキエ「ってことは・・・もし」
ハルオ「アミがその・・・け、結婚したら、 第７夫人ってことか？」
ムバンべ「エエ・・・デモ・・・」
ムバンべ「アジア人では初デース」
ハルオ「歴史的快挙みたいに言うな！」
アミ「私で・・・７人目・・・」
ムバンべ「アミ、心配はイラナイ」
ムバンべ「ワタシは妻をミンナ、 別け隔てナク愛してマース」
ムバンべ「上は30歳カラ、下は17歳マデ、 ノイマン王国で ワタシの帰りを待ってイルンデス・・・」
ムバンべ「ジツは・・・ 結婚を急ぐのニハ、ワケがアリマース」
ムバンべ「昨日、父のカラダの調子が アマリヨクナイと連絡がアリマシタ」
ムバンべ「ワタシは将来父のアトを継ぐタメ、 世界各国に留学シテ 見聞をヒロメテキマシタ・・・」
ムバンべ「デモ、そろそろソレも終わり」
ムバンべ「ノイマン王国に帰って、 ダイヤモンド採掘業の経営に タズサワラナケレバ・・・」
ムバンべ「ダカラ」
ムバンべ「アミ、第７夫人トシテ、 一緒にノイマン王国に行きマショウ！」
ハルオ「なん・・・だと・・・？」
ハルオ「ふざけるな！　16歳の娘を よくわからん国に嫁にやれるか！」
ユキエ「で、でもね、パパ・・・」
ユキエ「これって俗に言う・・・」
ユキエ「玉の輿じゃない！」
ムバンべ「タマノコシ・・・？」
ムバンべ「シモネタ？」
ハルオ「違う！」
ハルオ「玉の輿だろうとなんだろうと、 そんな無茶苦茶な結婚、許さん！」
ハルオ「・・・」
ハルオ「と、言いたいところだが」
ハルオ「アミ・・・お前の気持ちはどうなんだ？」
アミ「・・・え」
ハルオ「無人島から帰ってきて、 お前と３年ぶりに会ったが」
ハルオ「もうお前は、俺たち家族に 興味がないように見える」
ハルオ「もしその男といる時こそ 本当の自分でいられるのなら・・・」
ハルオ「むげに反対はしない」
ユキエ「パパ！　そんなの・・・」
ハルオ「・・・なんだか最近、 自信がなくなっちまってな」
ハルオ「俺が父親を名乗っていいのか・・・」
アミ「・・・」
アミ「ムバ君！」
アミ「わたし・・・結婚できない！」
ムバンべ「・・・アミ」
アミ「ムバ君と過ごした日々は刺激的で、 すごく楽しかった・・・」
アミ「でも、やっぱり・・・ あなたの国には行けない」
アミ「本当に・・・ごめんなさい・・・」

〇高級マンションの一室
「・・・」
ハルオ「・・・アミ、本当によかったのか？」
ハルオ「パパや家族のこと、 気にする必要なんてな・・・」
アミ「いいかげんにしてよ!!」
アミ「・・・わたしの気持ち、 全然なんにもわかってない!!」
「アミ！」

〇タワーマンション
アミ「タクシー！」
「アミ・・・！」
ハルオ「おい、すぐ追いかけるぞ！」
ユキエ「追いかけるって・・・ どこに行ったかわからないのに？」
ハルオ「たぶん・・・あそこだ」
ユキエ「そっか・・・あそこね」
ケン「お姉ちゃん、出ていっちゃったの!?」
ハルオ「ケンもハリーも車に乗れ！ 今すぐ向か・・・」
「あ〜ら、大浜さん！ ちょうどよかったわ〜！」
金山「大変、大変よぉ〜 大雨洪水暴風警報発令ですってよぉ〜」
ユキエ「ど、どうも、金山の奥さま・・・ そうなんですね・・・」
金山「場所によっては 急な突風や竜巻のおそれも、ですって！」
金山「早くマンションのみなさんにも お知らせしないと！」
金山「ほら早く、大浜さんも手伝って〜！」
ユキエ「す、すいません、今それどころじゃ・・・」
ハルオ(アンドロイド)「それは大変だ！　手伝います！」
金山「さすが大浜さんのご主人！ 話が早いわぁ〜」
ハルオ(アンドロイド)「・・・ハルオさん、今のうちに、早く！」
ハルオ「ありがとよ、ハリー・・・」
ハルオ「お前らはあとで来い！」
ハルオ「タクシー！」

〇黒
　　次回予告

〇畳敷きの大広間
アミ「・・・」
ハルオ「・・・やっぱりここか」

〇畳敷きの大広間
アミ「えっ？」

〇黒
ハルオ「アミーーーーーッ!!」

〇黒
　　第10話　父、まもりたい
　　お楽しみに！
　　※なお、次回の内容は
　　予告から変更になることがあります