1章 竜の卵、防衛戦線!(脚本)
〇スポーツクラブ
別世界へと来た3人、
ひとまず知り合いがオーナーをしている
ジムへと向かった・・・
〇トレーニングルーム
カランカラン・・・
鳥司 舵「はいはーい 今行きまs・・・」
鳥司 舵「帰れ 今直ぐにでも帰れ」
陸尾 航「酷いなー 久しぶりに会おうと思って来たのに」
鳥司 舵「大概お前が来るとロクな事にならない。 ・・・”防衛局”の時に身をもって体感した」
”特殊防衛局”
別の国、惑星等からやって来た
攻撃的生物等から、人々を守る役目を持つ
いわば”自衛隊”のようなもの
陸尾 航「だとしても、もう少しさぁ・・・? 久しぶりの再開なんだよ?」
鳥司 舵「一応聞いておこう、何をしに来た?」
陸尾 航「”平保”で何か動きとかあった?」
”平和保護局”
通称”平保”
世界中にあり、各国の治安維持、向上等の
為に働く、いわば警察の様なもの。
鳥司 舵「お前一応、平保の”特殊攻擊部隊”の 隊長の一人だろ? 担当が違うとしても なんで知らないんだ・・・」
”特殊攻擊部隊”
平和保護局の中でも、防衛局の援助などの
負傷の危険が伴う仕事を主にする部隊。
鳥司 舵「・・・平保近くで”竜の卵”とやらの話を聞いた。 どうやら金やら戦力目当てで、裏組織が 動いているらしい・・・」
海世 永和「そんなRPGみたいな事が・・・ にわかには信じがたいな・・・ その卵は何処にあるんだ?」
鳥司 舵「恐らく平保の中だろう・・・ 最近、防犯対策が強化されている話が 噂されている・・・」
空乃 快飛「忙しい中、ありがとうございます」
陸尾 航「じゃ、またな~」
カランカラン・・・
鳥司 舵「忙しない奴らだ・・・」
〇大企業のオフィスビル
平和保護局にて・・・
〇大会議室
宮下 孝行「今から”竜の卵”に関する 作戦会議を行う」
宮下 孝行「それでは5番隊隊長、概要を」
海世 永和「はい。 まず”竜の卵”は、解析結果によると ”2番惑星 ジスタール”の生物”エスタルテ” の卵だと分かりました」
陸尾 航(ジスタールとなると、ここから・・・ 一番近い惑星か・・・! ──じゃあなぜここにあるんだ?)
陸尾 航(ジスタールはかなり大きい惑星だし・・・ 安全面ではジスタールの方が良いはずだ)
陸尾 航(転売目的で持ち込まれたとしても、 価値の分かる現地の方が恐らく良い・・・ 考える程分からないな・・・)
海世 永和「”エスタルテ”は生まれた瞬間に初めて見た 生物を親として認識し、親を守る習性が あるとのことから・・・」
海世 永和「恐らく、現地に協力者がいる組織が 戦力目的での持ち込みをした。 ・・・という事でしょう」
宮下 孝行「・・・となると、羽化する前に早急に 元の場所に戻す必要があると言う事か」
海世 永和「えぇ・・・」
海世 永和「幸い、羽化までの期間を調査した所、 羽化まであと『三ヶ月』とのことです」
宮下 孝行「ジスタールに行くまでには、 『1ヶ月』かかる・・・・・ この『2ヶ月』の間になんとしても、 ジスタールに送り込むぞ!!」
宮下 孝行「・・・それでは各部隊、 作戦等を考える様に」
宮下 孝行「これで会議を終了する」
空乃 快飛「6番隊、集合! ・・・作戦会議を始める!」
海世 永和「5番隊、集合 ・・・今から作戦会議を始める」
陸尾 航「4番隊、作戦会議するから ちょっと集まって!」
〇黒
作戦会議が終わった後・・・
〇高層ビルのエントランス
ロビーにて・・・
免田 叶江「・・・いや〜いつもありがとね! 快飛君のアイデアのおかげで、 色々と武器やら防具やらが出来て・・・」
空乃 快飛「いえいえ、僕も試作品やらいろいろと 貰っているので・・・ こちらの方が感謝したいばかりです」
陸尾 航「あらあら、仲が良さそうな事で・・・」
海世 永和「元々、理科が得意で自由研究とかが好きだ からな・・・ 根っからの科学者と科学者なら、 そりゃ仲も良くなるだろ」
陸尾 航「とりあえず、永和は先に戻っていいよ。 快飛は俺がなんとか引き剥がしとく」
海世 永和「あぁ頼んだ・・・」
〇森の中のオフィス(看板無し)
自宅兼事務所にて・・・
〇明るいリビング
陸尾 航「どうするかな・・・ 正直、いろいろとやらなくちゃいけない 事が積もってるし・・・」
海世 永和「ジスタール側への輸送には 準備が必要だからな・・・」
海世 永和「ここから貨物船に積んで、別の国の ロケットで運ぶらしいが・・・」
海世 永和「とりあえず、呼び出されるまで 副業するしかないか・・・」
特殊攻擊部隊は活動した月以外、
基本的に給料が無いため
事務作業以外に副業が認められている。
陸尾 航「活動した月以外は給料が無いと考えると、 ブラックだな・・・」
空乃 快飛「とりあえず、明日から なんでも屋を再開しますか」
陸尾 航「そうだな。 今日の所はもう休むか・・・」
〇黒
数週間後・・・
〇シックなリビング
事務所内にて・・・
「空は・・・青く・・・ 澄みわたり〜・・・♪ 海を・・・目指して〜・・・♪」
海世 永和「あいつ・・・ あまりにも暇過ぎて 事務所内で寝てやがる・・・」
空乃 快飛「永和さん! ボドゲしましょう!」
海世 永和「あぁ! かかってこい!!」
──プルルル・・・プルルル・・・
海世 永和「・・・はい、こちら・・・ ・・・はい、分かりました」
空乃 快飛「何の電話だった?」
海世 永和「お前ら、急いで着替えろ! 作戦の決行日が決まった!」
バサッ!
シュッ!!
サッ!!!
陸尾 航「よっしゃ!! 早く行くぞ!!!」
海世 永和「なんでこう言う時だけ早いんだか・・・」
〇更衣室
会議終了後・・・
海世 永和「9日後に作戦決行・・・ 早く訓練しないとな」
陸尾 航「それじゃ、午後7時 ロビーで」
空乃 快飛「うん、それじゃあ」
〇訓練場内
訓練場にて・・・
「永和隊長、手合わせ願います」
海世 永和「あぁ、こちらからも頼もうか・・・」
海世 永和「詰めが甘いな・・・」
「クッッ・・・!?」
海世 永和「余所を見過ぎだ。 そんな適当な斬撃、当たる確率は低いぞ」
海世 永和「・・・だが、攻擊を上手く受け流せたのは 良かったな」
「・・・精進します」
同時刻、訓練場の別の場所では・・・
空乃 快飛「・・・こんなもんかな」
「なッ・・・!? 数十メートル先から、 投げられた空き缶の中心を、 正確にゴム弾で撃ち抜いた・・・!!」
空乃 快飛(お手本も見せたし、これで隊員たちも やる気出してくれるかな・・・)
〇道場
一方、室内では・・・
「航隊長! よろしくお願いします!!」
陸尾 航「いつでもかかってこい!」
陸尾 航(動きが遅いな・・・)
「うッッ・・・!!」
「ま、参りました・・・」
陸尾 航「今の動き、悪くないけど相手から見て、 少し単調だったから、もう少し複雑な 動きとかを組み合わせてみたら?」
「・・・はい!!」
〇黒
そして数時間後・・・
〇高層ビルのエントランス
陸尾 航「いや〜、疲れたね」
海世 永和「とりあえず今日は早く寝て、 明日に備えるか・・・」
空乃 快飛「まさか二人が熱中して、 遅れて来るとは・・・」
空乃 快飛(・・・以外と似たりよったりなのかも)
〇黒
そして、作戦決行の日がやって来た──
〇訓練場内
陸尾 航「・・・今日は一段と気を引き締める様に!!」
海世 永和「・・・奴らはきっと油断した所を襲う、 貨物船に持ち込むまでしっかりと 気をつけろ!!」
空乃 快飛「一般人に紛れているかもしれない、 怪しかったら適宜報告をする様に・・・!!」
──そして、特殊攻擊部隊はそれぞれ
別の車に乗り込んだ・・・
ブォォォ・・・
──竜の卵を載せたトラックが発進し・・
──そのあとを追うように
特殊攻擊部隊がそれぞれ乗った車も
発進した・・・
〇コンテナヤード
──何事もなく数時間が過ぎ、目的地
へと着いた航、永和。
陸尾 航「・・・先に着いて、周りの安全を 確認しろって言われてもな〜・・・」
海世 永和「第一、トラックを狙うのが一番手っ取り 早いんと思うんだが・・・」
陸尾 航「──!! どうやら当たりみたいだ・・・」
キキィッ・・・!!
急ブレーキ音を立てながら
約30台もの車が迫ってきた──
加佐 倫子「どうやら、先客がいるようだな・・・」
鹿本 剛「まぁ、全員潰せばいいんだろ? 余裕だな!」
田部 聡「一旦落ち着け。 ・・・第一、本当に勝てる相手だけとは 限らないだろ」
陸尾 航「幹部らしき人が3人・・・ その部下が・・・ざっと100人か ・・・手強そうだな」
加佐 倫子「・・・!! 誰だっ!そこに居るのは!!」
海世 永和「平和保護局、特殊攻擊部隊 5番隊、隊長 海世永和だ! ・・・なぜここに来た!」
鹿本 剛「DZC幹部、鹿本剛だ! ・・・早く竜の卵を渡せ!!」
田部 聡「わざわざ敵の前で言ったら だめだよね・・・」
陸尾 航「さぁ、戦闘開始と行こうか・・・ 行くぞ!!てめぇらァ!!」
鹿本 剛「こっちから行くぞ!!」
陸尾 航「あ・・・危ねえ・・・ なんて早い蹴りだ・・・」
陸尾 航(恐らく、始めから全力で来ている・・・ こいつに隙が生まれるまで耐えないとな)
鹿本 剛「まだまだァ!!」
海世 永和(・・・認めがたいが、 ・・・パワーで負けている・・・!! どうにかして隙を生ませなければ・・・)
田部 聡「悪いが、ウチもいろいろと大変なんだ、 おとなしくやられてくれ」
海世 永和「そんなんで説得させられる程の人生、 送っちゃいねぇんだよ!!」
田部 聡「グウゥッ・・・!!」
田部 聡(竹刀でこれ程の威力・・・ ・・・侮れないな・・・!!)
海世 永和「まだまだァ・・・!! 行くぞ・・・!!」
加佐 倫子(なんとか影に隠れながら来れたけど・・・ あの二人と接戦だなんて・・・ 油断し過ぎたかもしれないわね・・・)
加佐 倫子(増援を呼ぶにも、あと40人呼んだところで あの二人が倒しきるかもしれない・・・ ・・・こうなったら・・・!!)
陸尾 航「隙あり・・・!!」
鹿本 剛「なっッ・・・!!」
陸尾 航「はぁッッ──!!」
鹿本 剛「ッッ・・・!! けっこう効いたぜ・・・!!」
陸尾 航「ッッ・・・!? しまった・・・!! もう一人・・・!!」
鹿本 剛「隙あり!! ・・・覚悟しろ!!」
加佐 倫子「どうやら隙を作れた様ね・・・ あまりこんな事はしたくないけど・・・ ・・・もう一人にも・・・」
加佐 倫子「ッッ・・・!! 誰!?」
空乃 快飛「6番隊隊長、空乃快飛だッ!!」
加佐 倫子「・・・いい感じの相手になりそうね・・・ 覚悟なさい・・・!!」
田部 聡「・・・!? なんだ、今の銃声──」
海世 永和「目を逸らすな!!」
海世 永和「──奥義、『拘水』」
──奥義の属性
別世界では、一人一人に属性があり、
自らの力を消耗し、属性の力を出せる。
・・・但し、かなりの練習が必要
田部 聡「ッッ・・・!! 効いたよ・・・今の技!!」
海世 永和「どうやら俺らの仲間が来た様だな・・・」
海世 永和「・・・このまま負けを認めるか?」
田部 聡「・・・俺だって、組織の幹部だ・・・ おめおめと負けを認めるかってんだ・・・!!」
海世 永和「・・・要らない言葉だったか・・・」
田部 聡「──悪いが、負けを認めるのはお前らだ!!」
加佐 倫子(クッッ・・・!! 強すぎる!! 正確に人の弱点を狙ってくるなんて・・・)
空乃 快飛「申し訳ないですが、 そろそろ降伏していただきたい。 ・・・これ以上抵抗するなら 仲間共々、刑務所に送りますよ・・・」
加佐 倫子「・・・分かったわ。 私は降伏する、だから あの二人も見逃して・・・」
空乃 快飛「・・・分かりました もし、仲間が捕えてもなんとかしましょう」
加佐 倫子「・・・平保の方、ひとつ聞いても良い?」
空乃 快飛「・・・何でしょう」
加佐 倫子「竜の卵とやらを貨物船に積み込むのは、 本当に”今日”なの?」
空乃 快飛「・・・と言うと?」
加佐 倫子「あなた方が来てから、少し違和感を 感じたの、”なぜトラックが来ないか”・・・」
加佐 倫子「先に警備を配置しているなら、 なぜもう一部隊援軍のみを 寄越したのか・・・」
加佐 倫子「本来、援軍なんて寄越さなくても、 敵が居た事が分かれば、 援軍を呼ばずに 避ける事が出来たはず・・・」
空乃 快飛「・・・本当は”明日”なんです」
加佐 倫子「・・・やっぱりね。 あれ程、意気込んでた自分が 恥ずかしいわ・・・」
加佐 倫子「・・・と言うより、何で教えてくれたの? 今からでも仲間に 言うかもしれないのに・・・」
空乃 快飛「・・・人を疑って生きる様だとロクな 死に方しないぞ、って仲間が言ってたので」
加佐 倫子「・・・フフ。 おかしな仲間ね・・・」
海世 永和「・・・さぁ、行くぞ!!」
田部 聡「グァァッ・・・!!」
海世 永和「ハァッ・・・ハァッ・・・、 つ、疲れた・・・」
陸尾 航「まだまだぁッ!!」
鹿本 剛「行くぞォ!!」
鹿本 剛「・・・どうやら、 俺の負けみたいだ・・・な」
陸尾 航「あ、危なかった・・・」
こうして、竜の卵を巡る戦いは終わった。
〇黒
・・・その後、快飛の話もあってか、
裏組織の組員はその場で治療を受け、
今回の竜の卵を狙わないことを約束し、
裏組織の組員は全員開放された・・・
・・・翌日
〇コンテナヤード
海世 永和「なんとか貨物船に載せれたな・・・」
空乃 快飛「一時はどうなるかと・・・」
空乃 快飛「あれ? 航さんは?」
海世 永和「あぁ・・・ 『体が痛んで仕方ないから、 先に帰ります』とか言ってたな・・・」
空乃 快飛「あらら・・・」
宮下 孝行「君たちは大丈夫かい?」
海世 永和「お疲れさまです、局長!」
空乃 快飛「お疲れさまです!」
宮下 孝行「君たちも頑張った、 もう家に帰って休むと良い・・・」
海世 永和「・・・それでは、失礼します」
空乃 快飛「失礼します!」
宮下 孝行「私も局に戻らないとな・・・」
〇森の中のオフィス(看板無し)
──この物語は、ある少年たちが送る、
別世界での、
少し信じがたい冒険譚である。
「ただいま〜」
「おかえり! ・・・今から風呂沸かすけど、 どうすrイ゙デデデ・・・」
「なに先に帰ってダラダラしてるんだ! 載せるまで気を抜くなって昨日言ったろ!」
「・・・と言うか、風呂沸かす時間なんて いくらでもあっただろ!? どんだけ気を抜いているんだ!」
〇黒
第1章『竜の卵、防衛戦線!』編、完