父、帰りたい

makihide00

第7話 父、はしりだす(脚本)

父、帰りたい

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〇白い校舎
「さぁ、待ちに待った運動会、 いよいよはじまりまーす!」
ハルオ「いやー、楽しみだな!」
ハルオ「ケンの運動会を見るのも3年ぶりか・・・」
ケン「ボクね、だいぶ足速くなったんだよ!」
ハルオ「おお、そうか!」
ユキエ「ふふ、一等賞とれるかしら?」
ハルオ(アンドロイド)「ホント、楽しみですねー!」
ハルオ(・・・やっぱりこいつもいるのか)
アミ「・・・」
ハルオ「なんやかんやで、アミも 家族のイベントには参加するんだな」
アミ「べ、別にいいじゃん!」
アミ「・・・カレピも今日は忙しいみたいで」
ハルオ「カレピ、ね・・・」
ハルオ(24歳のカレピって、どんなヤツなんだろ?)

〇グラウンドのトラック
「それでは、続いての種目・・・ 親子対抗二人三脚でーす!」
「よーし、頑張るぞー!」
ハルオ「・・・」
ハルオ「なんでだよっ!!」
ハルオ「パパと走るんじゃないのか!?」
ケン「だって・・・ハリーのほうが足速いし」
ハルオ「アンドロイドと比べるなよ! 勝てるわけないだろ!」
ハルオ(アンドロイド)「去年も私と走って一等だったんですよー」
ハルオ「喜ぶな! んなもん、半分ドーピングだよ!」
小学生「ケン、ずるいってー」
小学生「初代のパパが帰ってきたんだから、 初代と走れよー」
ハルオ「初代って呼ぶな! パパは世襲じゃない!」
ユキエ「まあまあ落ち着いて・・・ パパはまだ帰ってきたばかりで 体力戻ってないんだから」
ハルオ「う、うう、しかし・・・」
「それでは、第一組、スタートです!」
ユキエ「ケンー! パパー! しっかりー!」
ユキエ「・・・あ」
ユキエ「ハ、ハリー! しっかりー!」
アミ「・・・」
「・・・位置について」
「よーい・・・」
ケン「いくよっ、ハリー!」
ケン「・・・え?」
「おーっと! 大浜親子、大きく出遅れだー!」
ケン「ハリー! 早く走ろう? ハリー!?」
ハルオ「動かない・・・どういうことだ?」
ユキエ「ひょ、ひょっとしたら・・・」
ユキエ「昨日の夜、充電できてなかったのかも」
ハルオ「・・・充電?」
ユキエ「一週間に一度、わたしの寝室で バッテリーに充電してるんだけど」
ユキエ「うまくコードが 挿さってなかったのかな・・・」
ケン「ねぇ、ハリー! 動いて! このままじゃ負けちゃうって!」
ハルオ「・・・」
ハルオ「ケン!」
ハルオ「俺が走るっ!!」
ユキエ「・・・パパ」
アミ「・・・」
ケン「でも・・・今さらもう勝てっこないよ!」
ハルオ「あきらめるな!」
ハルオ「俺はなぁ・・・」
ハルオ「3年間、一度もあきらめなかったんだぞ!」

〇山の中
ハルオ「うう・・・」
ハルオ「み、水・・・」
ハルオ「もう・・・限・・・界・・・」

〇黒
「パパ!」
  まだ・・・
  俺は──

〇黒

〇黒
  雨・・・
  助かっ・・・た

〇山の中
ハルオ「・・・」
ハルオ「もう一度・・・アイツらに・・・」
ハルオ「あきらめてたまるかよ!」

〇グラウンドのトラック
ハルオ「よし、ヒモは結んだ!」
ケン「パパ・・・」
ハルオ「いくぞっ! イチニ、イチニッ!」
ケン「イチニ、イチニッ!」
「急遽初代パパ登場の大浜親子、 グングン追い上げていく!」
ユキエ「パパ・・・ケン・・・」
アミ「・・・やるじゃん」
「イチニ、イチニッ!」
「あと10メートル! 大浜親子、先頭に並んだ!」
ハルオ「・・・あっ」
「あーっ! 大浜親子、転倒ー!!」
ハルオ「・・・すまん、ケン」
ハルオ「もう少しってところでさ」
ハルオ「やっぱり・・・ アンドロイドのパパのほうが」
ケン「パパ、謝らないでよ・・・ボク・・・」
ケン「パパと一緒に走れて、嬉しかったよ!」
ハルオ「・・・ケン」
ユキエ「もうダベェ・・・お化粧が・・・」
アミ「・・・はい、ハンカチ」
ユキエ「あ、あびばどう・・・」

〇グラウンドのトラック
「・・・えー、第二組のスタート、 しばらくお待ちください!」
ハルオ「よいしょっ!」
ハルオ「ダメだ・・・」
ハルオ「アンドロイドってこんなに重いのかよ!」
ハルオ(アンドロイド)「ローバッテリー、ローバッテリー・・・」
ユキエ「せーのっ!」
アミ「んーっ!」
ケン「はぁーっ!」
ハルオ(アンドロイド)「ローバッテリー、ローバッテリー・・・」

〇黒
  次回予告

〇タワーマンション
ハルオ「雲が・・・」
ハルオ「嵐の予感・・・」

〇高級マンションの一室
ハルオ「誰だ!?」
アミ「・・・」

〇黒
  第8話 父、一番長い日
  お楽しみに!
  ※なお、次回の内容は
  予告から変更になることがあります

次のエピソード:第8話 父、一番長い日

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