アイドルヒロイン!

さつまいか

第九話 トラフィック・ライト!(脚本)

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〇遊園地
  三時間後
アミナ「た、タニアさん、いないね・・・」
エラカトラ「うん・・・」
アミナ「でも三人別行動、ってなってよかったよ。 おかげでエラカトラの知恵を借りて遊園地に来てるんだし」
エラカトラ「そうね。 アミナちゃんがお財布出してテンパってたのは面白かったわ」
アミナ「ちょっと、エラカトラ!」
エラカトラ「ふふっ。 そんなことより__」
エラカトラ「ワタシに案があるんだけど・・・」
アミナ「案・・・?」
エラカトラ「うん。 ワタシの能力、使ってみようかな、って」
アミナ「能力?」
エラカトラ「そ。『夢を叶えたい!』っていう思いがある子を探すことができる、この仕事をやってる精霊特許の能力」
アミナ「そ、そんなのがあるの・・・?」
エラカトラ「ええ。そのタニアって子が、まだ希望を失っていないのなら、試す価値はあるわ」
アミナ「・・・本当、なんだよね?」
エラカトラ「ええ、もちろんよ。 二言はないわ」
アミナ「なら、お願いしていい?」
エラカトラ「わかった!」
エラカトラ「・・・・・《願い》」
アミナ(す、すごい・・・。 いろんな光が、タニアさんを__夢を持った人を探してる・・・)
エラカトラ「あった、かな」
エラカトラ「遊園地内で適応したのは3つ。 そのうち、『みんなに笑顔を届けたい』っていう思いを持った人のところに行ってみましょうか」
アミナ「・・・うん! ありがとう、エラカトラ」
エラカトラ「いいえ、こんなのお安いご用よ。 アミナちゃんの役に立つ、って決めたんだもの、それを破るつもりはないわ」
アミナ「うん。いこう!」

〇遊園地
アミナ(ここ、だよね)
アミナ「すみませーん、誰かいますかー?」
???「・・・・・・」
???「誰よ、あんた」
アミナ(この人って・・・!)
アミナ「あたし、アミナっていいます! あなたが、トラフィック・ライトのムードメーカー、タニアさん、ですか?」
???「はぁ?ムードメーカー? 何ふざけたこと言ってるの?」
???「確かにボクはトラフィック・ライトのタニアだけど、ムードメーカーではない!」
アミナ(・・・とんでもなく意味のないところを突っ込んでる)
アミナ(まあ、タニアさんにとったら大事なことなのかも)
アミナ「そんなことより、あたし、キリサさんに頼まれてタニアさんを探しに来たんです」
タニア「キリサ?なんでまた・・・」
タニア「ボクは数時間、遊園地で羽を伸ばそうと思っただけなんだけど」
アミナ(ん・・・? もしかしてこの人・・・)
アミナ「あの・・・、今日、日曜日なんですけど__」
タニア「えぇ!?今日土曜日じゃないの!?」
アミナ(やっぱり・・・。 この人、時間感覚がないんだ・・・)
アミナ「1日以上経って帰ってきてない、ってキリサさんもカルシャさんも心配してましたよ」
タニア「ありゃー、またやっちゃったな」
タニア「アミナちゃん、だっけ? ありがと!教えてくれて」
タニア「じゃ、ボクはいくよー」
アミナ「な、何、あの人・・・」
アミナ「まあ、でも、見つかってよかった」

〇可愛らしい部屋
  数時間後
タニア「___でさぁ、アミナちゃん、って子が教えてくれたんだ!」
キリサ「・・・はぁ。 タニア、ほどほどにしなさいよ?」
キリサ「また・・・、三時間のお説教が必要かしら」
タニア「アミナちゃん、ほんとに助かったよー。 このままだと、時間わかんなくなっちゃって、もっとキリサに怒られるところだった」
キリサ「ちょっと、タニア?聞いているの・・・?」
アミナ「ま、まあまあ、キリサさんもそれくらいにしてあげたらどうですか?結局見つかったんですし」
キリサ「・・・それもそうね」
キリサ「ありがと、アミナちゃん」
タニア「ほんとにありがとうぉ。 このままだとキリサの怒りが爆発しちゃって、もっと大変なことになりかねないから」
アミナ「タニアさんは、自分がやったことをちゃんと反省して、常に時計を持ち歩いてください」
アミナ「・・・そうすれば、多少は感覚も戻るんじゃないですか?」
タニア「こ、後輩にそれを言われちゃうとなぁ」
エリカ「私からもお願いします。 キリサさんが一番疲れると思うので・・・」
タニア「そうだね!チームメイトを必要以上に困らせたくはない!」
タニア「ってことで、キリサ、これから時計買いにいこー?」
キリサ「はぁ、そう言うと思ったから、もうカルシャに買いに行かせたわ。今終わってこっちに来てるって」
タニア「あはは、そっか、用意がいいね」
キリサ「まったく・・・。 これからは気を付けなさいよね? 一週間後には大切なライブも控えてるんだし」
タニア「はーい! ほんと、キリサはボクにとってのお母さんみたいだ」

〇可愛らしい部屋
エリカ「あ、来たみたいね」
アミナ「あ、カルシャさーん!」
カルシャ「アミナちゃん!」
カルシャ「ごめんねー、ウチのタニアが迷惑かけて」
アミナ「い、いえ、全然大丈夫です!」
カルシャ「ならいいや!」
キリサ「はぁ・・・。 ほんと、タニアに関してはもっと考えないと」
カルシャ「ねー」
カルシャ「___って、もうこんな時間!?」
カルシャ「電車、もう間に合わないかも・・・」
キリサ「・・・そう、だったわね。 カルシャ、自分の家に帰るとき少ないから、忘れがちになってしまうわ・・・」
キリサ「またわたしの家で泊まる? 特に家族は大丈夫だと思うけれど」
カルシャ「えっ、それはさすがに迷惑かかるよ・・・」
エリカ「・・・・・・」
エリカ「あの、よかったら、私の家に泊まりませんか?」
カルシャ「え・・・?」
カルシャ「で、でも、エリカちゃんにはエリカちゃんの生活が・・・」
エリカ「大丈夫です。 もともと、アミナとお泊まり会しない?って話してたんで」
アミナ「そうだね! もういっそのこと、キリサさんも泊まりませんか?」
キリサ「え、わたしも・・・?」
キリサ「わたしは家近いし、大丈夫だよ」
エリカ「いえ、大人数だとより楽しいですし、今日は親も帰ってこないんで、キリサさんだけじゃなく、タニアさんの分も用意できます」
キリサ「・・・・・・」
キリサ「なら、お願いしようかしら」
エリカ「はい!」

〇明るいリビング
アミナ「はーー、たくさんの同年代の人たちとお泊まりなんて、楽しい以外の言葉が出ないよー!」
エリカ「んもう、アミナったら。 ほら、お風呂空いたから行きなさい?」
アミナ「はーい!」
キリサ「ふふっ、アミナちゃん、はしゃいでるみたいね」
エリカ「はい。 いつもああなんで、ちょっと心配になるときもあるんですけどね」
キリサ「ま、それがいいのよ」
エリカ「あ、キリサさん、 私の予備なんですけど 寝間着あるのでよかったら」
キリサ「ええっ、そんなことまで用意してもらっていいの・・・?」
エリカ「はい、キリサさんたちだけそのままっていうのもあれですし」
キリサ「なら、お言葉に甘えようかしら」
タニア「キリサー!エリカちゃーん! こっちでトランプしよー?」
キリサ「んもう、タニアったらもう着替えて・・・」
タニアの声「はーやーくー!!」
キリサ「・・・わかったわ、行くから」
アミナ「お風呂ありがとー、エリカ!」
アミナ「よしっ、今日は日が変わるまで遊ぶぞー!!」
「おー!!!」

次のエピソード:第十話 合同練習!

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