Xヒーロー

語り部

第50話 違和感(脚本)

Xヒーロー

語り部

今すぐ読む

Xヒーロー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇職業安定所の面談カウンター
  2021年 イリノイ州 デュページ郡 ネイパービル 氷壁に覆われた街 職業安定所内
  斎王達はギャングの下っ端の言う通り職安に訪れ、書類を提出した。
  そしてギャングの下っ端の言う通り、職員は書類を見るや否や電話をし、事務所に向かうよう指示を受ける

〇アジトの一室
  コンキスタドール建設 現場用仮設事務所内
現場監督「お前らが新入りか。じゃあひとまず男4人は現場いけ、作業服は隣の更衣室にある」
現場監督「女は事務の計算と消耗品の在庫確認。さぁ、さっさとかかれ!」
エンチャント魔導法士「なぁあんちゃん、ワシ腰痛持ちだから力仕事できんのだが?」
現場監督「うるせぇ!俺だって腰痛持ちだ、甘えんじゃねえぞ!さっさと行け!」
エンチャント魔導法士「そりゃすまんかった···所でなんの作業するんだ?」
現場監督「セメントの袋運べ。終わったら砂と砂利の袋だ、担当のやつが『いい』って言うまで運ぶのやめんなよ?」
エンチャント魔導法士「ワシの腰終わったかもしれん··· ··· ···」
キング「じいさんはひと袋だけ運んどけ、俺らでじいさんの分も運ぶ。二人ともいいよな?」
  斎王と凪園はキングの意見に首を縦に振り、男性陣と女性陣がそれぞれ作業を始めた。そして時は過ぎ··· ··· ···

〇工事現場
  数時間後. . .
エンチャント魔導法士「や、やっと休憩か···体が持たんわ···」
斎王幽羅「エンチャントさんお疲れ様、監督から缶コーヒー貰ってるからこれ飲んで休もう?」
エンチャント魔導法士「すまんな斎王。しかし···こりゃあ仕事辞めたくなるのも無理ないな···」
キング「皆どうだ?誰か不審な動きとかしてたか?」
斎王幽羅「俺の方は特にないかな。みんな真面目に仕事してる様に見えたよ?凪園はどう?」
凪園無頼「んー···あるにはあるけど、まだ確信ないし言いたくねー」
凪園無頼「一応鸞とフェードに確認とりてーし、今日はこんまま続行しよーぜー?」
斎王幽羅「一応俺にだけ教えてくれる?凪園だけで完結しちゃうの嫌だしさ」
凪園無頼「いいけど、マジで気のせいかもしんねー事だよ?俺が思ったのはね?」
  凪園は斎王の近くに行き、キングとエンチャントに聞こえないように耳打ちをする。
  キングとエンチャントはなんで自分たちだけ教えてくれないんだ?と不満げにしながら二人の様子を見ていると
  斎王の顔が曇り、斎王も凪園が現場で見た『おかしい部分』が気になってる様子であった
斎王幽羅「確かに気のせいかもしれないけど、万が一そうだったら大事だね。鸞とフェードの確認も必要かも」
キング「なぁ、なんで俺らには教えてくれねぇんだ?気になるじゃねえかよ」
斎王幽羅「キング、エンチャントさん現場にあったあらゆる『工具類』の場所把握してる?」
キング「いや··· ··· ···俺は『人』の様子見てたからよ···じいさんはどうだ?」
エンチャント魔導法士「いや、見とらん。ワシはそもそも余裕がなくてな···『資材置き場』の様子を見てたわ」
斎王幽羅「今日の作業終わって鸞とフェードに合流したら、工具類と資材の数聞いてみよう。何かあるかも···」

〇職人の作業場
  数時間後、現場倉庫内
現場監督「さっき出てったので貸し出しは全部だ、全部確認して事務所にリスト置いとけ。鍵は単管(鉄パイプ)の中に入れとけよ」
現場監督「じゃあお先、間違っても盗んでやろうなんて思うなよ?」
フェード「お疲れ様でした。··· ··· ···ここから在庫確認か、斎王達は先に帰ったか?」
鸞「俺が帰らせた。俺達と違って斎王達は力仕事だ、ヘロヘロの状態で手伝ってもらうのも気が引ける」
フェード「まぁそれはいいが···この量を2人で確認か··· ··· ···気が重いな」
鸞「確かに『2人なら辛いな』。なら増やせばいい話だ『影分身の術』」
  鸞は術を使い、自身の影から自分の分身を複数人作り出す。
フェード「流石忍者、分身もお手の物だな。戦闘でも使えそうなものだが···」
鸞「影分身の術は影の濃さで出せる分身が変わってしまう不安定な術でな」
鸞「影が薄いと一体しか分身が出せなかったり、濃すぎるとひとりでいい所を数十人出たりとコントロールも難しい」
鸞「それに分身を作ると自身の『力』も弱まる。本来の攻撃でダメージが与えられる所を影分身の術で力が弱まって」
鸞「ダメージが出せず反撃される、なんて事もある。だからあまり戦闘向きじゃないんだ」
フェード「なるほど···意外にデメリットも多いのか。だが諜報には持ってこいの術だな」
鸞「まぁ分身の術自体『逃走』を目的として編み出された術だ、元々戦闘向きじゃないんだがな」
鸞「というか早くやるぞ、日が暮れる」
フェード「す、すまない···じゃあ始めるか」
  そんなこんなでリストを持ちながら2人が倉庫の備品をチェックしていくと、ある事が発覚し始める
鸞「··· ··· ···電動ドライバーにハンマードリル···『電動工具類が足りない···?』」
鸞「フェード、そっちはどうだ?数は足りてるか?」
フェード「電動小型送風機にバッテリー関連、 電気ケーブルも指定の本数がない。どうなってる···?」
鸞「··· ··· ···誰かが盗んだと考えるべきだな。返却忘れにしては数が多すぎる」
フェード「でも誰が何のために?こんな大量の物を盗んで何になる?」
鸞「さぁな···ひとまずリストは事務所に置いて、斎王達と合流しよう。人攫い疑惑となにか繋がる点があるかもしれん」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第51話 消えた道具達

成分キーワード

ページTOPへ