表現の自由戦士ギーグセイバー エピソード01:妄想を継ぐもの

情無合成獣スフィアマザコンザウルス

チャプター04:地下室にて(脚本)

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〇総合病院
  地球・経済特区トーキョー
  東京カイオウ大学

〇学食
  お昼時
大学生「ンン〜オイッソマッソ〜♪」
大学生「モグモグ・・・」
大学生「どう?美味しい?」
大学生「ん〜〜〜〜〜?」
大学生「おいちぃマミィ〜〜〜〜〜!!!!!!」
「感謝☆感謝ァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「またたっぷり食べたいな!!!!!!」
「デリサッ!!!!!!サッ!!!!!!!!シャシャシャ!!!!!!!!!!!!」
「ラッキースマァ〜〜〜〜〜イル☆」
「・・・・・・・・・・・・」
ユウ・シマカゼ(・・・イカれてる、馬鹿馬鹿しい、アホくさい・・・まるで動物園だ)
ユウ・シマカゼ(食事の挨拶は、イタダキマスゴチソーサマで事は済むのに・・・大学はこれで明るい生徒が育つって思ってるらしいけど)
ユウ・シマカゼ(これじゃまるで原始人だよ、はあ・・・)
ユウ・シマカゼ(・・・・・・早く卒業したぁい)

〇港の倉庫
  ・・・ユウが新型機の入ったコンテナを引き上げてから早一週間。
  セレスティナとユウ達島風サルベージの奇妙な共同生活は続いていた。

〇事務所
セレスティナ・ベガ「まあ、それでユウ様は大学に?」
ガミジン・ルーズ「きちんと資格を取って、この会社の正式な社長になりたいって事でしてね」
ガミジン・ルーズ「そもこの会社自体ケンゴさん・・・若様の親父さんが立ち上げた会社だからってのもあるんだろう」
ガミジン・ルーズ「・・・もっとも、陽キャまみれの大学は若にとってはかなりの苦行!しかし若は俺達のために! ううっ!泣かせるぜ・・・!」
セレスティナ・ベガ「そんな・・・でしたら、私も何かお力になれれば・・・!」
ガミジン・ルーズ「うーん、セレスちゃんは今の家事手伝いを続けてくれたらいいかな?だって・・・」
ガミジン・ルーズ「職場に女の子がいるってだけで、みんなこの通りキリッと仕事してくれるからね!それだけで大助かりさ」
セレスティナ・ベガ「は、はあ・・・」
ユウ・シマカゼ「ちょっと、今のセクハラだよガミジンさん」
ガミジン・ルーズ「あっ若!お早いお帰りで」
ユウ・シマカゼ「講義が早めに終わったからね。それと、今の発言は流石に気持ち悪いよ」
ユウ・シマカゼ「ただでさえ最近物騒なんだ。メデューサがいつ見てるか解らないし、言動には気を付けてよ」
ガミジン・ルーズ「へいへ〜い でも若も気をつけてくださいよ?」
ユウ・シマカゼ「何をさ?」
ガミジン・ルーズ「彼女13歳ですからね?」
ユウ・シマカゼ「どういう意味だっ!!!!」

〇港の倉庫

〇倉庫の搬入口
ガミジン・ルーズ「よお、どうしたんだ?勤務時間も終わってるのに」
社員「ああ、はい ちょっとこれが気になりましたね」
ガミジン・ルーズ「気になるか・・・気になるよなあ」
社員「すごいですよ・・・構造自体はウチで使ってるオタッグと共通点はありますが、エネルギー出力はゆうに2倍あります」
社員「その上装甲の一部に火星で採掘される”アキバニウム”を使ってます。レアメタル反応の正体はこれでしょう」
社員「こんな物が作れるとしたら、サーフェイサー王国しか・・・」
ガミジン・ルーズ「サーフェイサー王国、火星にある技術屋の国か。 まあ、あそこならなんとかなるだろうが・・・」
ガミジン・ルーズ「・・・ん?」
ガミジン・ルーズ「若とセレスちゃん・・・何だろう?」
社員「まっ、まさか・・・!!」
社員「若は我々を差し置いて、セレスちゃんと一夜のアヴァンチュールを・・・!?」
ガミジン・ルーズ「んなワケあるか色ボケッ!!」
社員「いけません若!!ヲタサーの姫にお手つきは、サークルクラッシュの始まりでござまするが故に!!!!」
ガミジン・ルーズ「やめんかと言うとるにーーーっ!!!!」
社員「がふ・・・」
ガミジン・ルーズ「だったとしても!!若に女ができる事は邪魔しちゃならん!!」
ガミジン・ルーズ「若まで俺達みたいなキモオタ陰キャの人生を歩ませる事は無いんだ!!それに・・・」
ガミジン・ルーズ「この島風サルベージだって、跡取りができれば万々歳だろう! これで、これで俺も・・・」
ガミジン・ルーズ「・・・ケンゴさんに顔向けできるってわけよ」

〇地下実験室
  地下第一倉庫(現在未使用)
  現・ユウの私用ガレージ
セレスティナ・ベガ「これは・・・SMの操縦シュミレーター?」
ユウ・シマカゼ「父さんが昔使ってたんだ、小さい頃よくこれをゲーム機代わりに遊んでね」
ユウ・シマカゼ「そのお陰で、今じゃSMの操縦はウチで一番になっちゃったけど・・・ははっ」
セレスティナ・ベガ「ユウ様は・・・お父様が大好きなんですね」
ユウ・シマカゼ「大好きって言うか・・・尊敬してる」
ユウ・シマカゼ「俺の父さん・・・ケンゴ・シマカゼは、昔はそれなりに名前の知れた同人クリエイターだったんだ」
ユウ・シマカゼ「この島風サルベージの人達も、元は父さんと一緒にゲームを作ってたサークル仲間だったんだ」
ユウ・シマカゼ「キングダムカードの規制でサークル活動が続けられなくなった後も、みんなをまとめ上げてこの会社を立ち上げた・・・」
セレスティナ・ベガ「すごい方なんですね・・・」
セレスティナ・ベガ「・・・それで、お父様は今どちらに?」
ユウ・シマカゼ「・・・!!」
ユウ・シマカゼ「・・・死んだ」
セレスティナ・ベガ「えっ・・・」
ユウ・シマカゼ「俺が物心つく前に殺されたんだ。メデューサがやった最初の”オタク狩り”で、母さんと一緒に・・・」
セレスティナ・ベガ「ご、ごめんなさい・・・そんな事があったなんて、私・・・」
ユウ・シマカゼ「いや、気にしなくていいよ。俺も気にしないから・・・」
セレスティナ・ベガ「・・・・・・」
セレスティナ・ベガ「・・・・あの、何故私なんかにそんな大事な事を?」
ユウ・シマカゼ「いや、ちょっと気になって、聞きたい事があったんだ」
セレスティナ・ベガ「聞きたい事?」
ユウ・シマカゼ「・・・・・・あんた ”アニマノイド”だろ?」
セレスティナ・ベガ「!!!!!!」
ユウ・シマカゼ「・・・図星みたいだね」
ユウ・シマカゼ「おかしいと思ったんだよ、こんなキモい野郎の巣窟で、嫌な顔一つしないんだから」

〇数字
  ────────アニマノイドとは
  少子高齢化によって将来引き起こされる人口の激減に対処すべく、バイオ科学で生み出された人造人間の事である。
  遺伝子レベルでの調整を受けたそれは、生理による心身の不調や、不快感の感情に支配されるといった”異性が故の悪癖”を──
  ──極力減らす事に成功しており、また一度パートナーと決めた相手を死ぬまで愛し抜く。
  極限までに”男に都合の良い女”である。

〇地下実験室
ユウ・シマカゼ「・・・そして故に世の女性から反感を買い、少数が生まれたきり以後現れなかった人造人間」
ユウ・シマカゼ「生まれた個体も、保護の名目で隔離されたり、再教育センター送りになった・・・違うかい?」
セレスティナ・ベガ「・・・・・・・・・」
セレスティナ・ベガ「・・・ユウ様は」
セレスティナ・ベガ「ユウ様は、アニマノイドがお嫌いですか?」
ユウ・シマカゼ「あっ・・・ごめん、言い方キツかったね」
ユウ・シマカゼ「ただ・・・セレスちゃんがアニマノイドなら、多分俺達は同志だと思って」
セレスティナ・ベガ「・・・ユウ様のお父様とお母様は・・・」
ユウ・シマカゼ「うん、メデューサに殺された」
ユウ・シマカゼ「そしてアニマノイドも、その多くが社会から爪弾きにされて死んでいった」
ユウ・シマカゼ「・・・俺とセレスちゃんは、仇討ちの相手が同じなんだよ」
セレスティナ・ベガ「ユウ様・・・」
ユウ・シマカゼ「・・・それで、あの新型SM。運び屋さんは見つかったのかい?」
セレスティナ・ベガ「え、ええ・・・まあ」
ユウ・シマカゼ「そっか・・・」
ユウ・シマカゼ「俺は流石に反政府活動に協力はできないけど、応援してるよ」
ユウ・シマカゼ「アニマノイド達のついででいいから・・・父さんと母さんの仇も、頼んだよ」

〇超高層ビル
  新・東京都庁ビル

〇豪華な社長室
市長「そんな!?いくらなんでも酷いじゃないですか!!」
メデューサ兵「酷い・・・何が?」
市長「たしかにBクラスエリアに表現の自由戦士が潜んでいるかもという情報はあります!」
市長「しかしそれは、Bクラスエリアの住人を皆殺しにするなんて理由には・・・!!」
メデューサ兵「・・・・・・」
メデューサ兵「汚いものを排除する事に、 理由なんてあって?」

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