風田探偵からの挑戦状

ヤミヲミルメ

7 探偵のいいわけ(脚本)

風田探偵からの挑戦状

ヤミヲミルメ

今すぐ読む

風田探偵からの挑戦状
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇散らかった職員室
風田(フウダ)探偵「親愛なる我が読者よ 何を驚いているのかね?」
風田(フウダ)探偵「汚くて当たり前じゃないか ここは探偵事務所なのだから」
風田(フウダ)探偵「掃除が得意な人間は、探偵ではなく メイドさんになるべきだ」
風田(フウダ)探偵「いいわけしてないで片付けろって? まあそう言わずに」
風田(フウダ)探偵「そうだ! 応接室に行かないか? あっちは少しはマシだぞ」
風田(フウダ)探偵「いや・・・その・・・ 資料を整理していたのだよ」
風田(フウダ)探偵「古い事件ばかりだが キミが興味を持ちそうなものもあるぞ」

〇黒
風田(フウダ)探偵「今回のテーマは容疑者の 『殺意の有無』だ」

〇散らかった職員室
風田(フウダ)探偵「現場はとある探偵事務所 室内はひどく散らかっていた」
風田(フウダ)探偵「察しがいいな まさに この部屋で起きた事件だ」
風田(フウダ)探偵「とはいえ昔の話だ」
風田(フウダ)探偵「当時の私は学生で バイトで先代の所長の助手をしていた」
「助手は複数いたが その日は私以外の全員が」
「それぞれ担当する事件の調査で 出払っていた」
「第一発見者は、事務所を訪れた 飛び込みの依頼人だった」
「補足しておくが この依頼内容は 事件とは無関係だ」
「依頼人が事務室のドアを開けると 普段から散らかっている部屋の中央で」
「所長がうつ伏せになって倒れていた」
「所長の周囲には花瓶の破片」
「数枚の書類が 所長の体の下敷きになっていた」
「依頼人は、現場から 逃げようとしていた人物を取り押さえた」
「容疑者はこの事務所の 探偵助手だ」
「助手は自分が所長を花瓶で 殴ったのは認めたが、殺意は否定」
「所長のほうから襲いかかってきたので 抵抗しただけだと弁明した」
「果たして本当だろうか?」
「所長の傷の位置が体の前側なら 助手の言う通り」
「正当防衛の可能性が高いだろう」
「反対に後頭部に傷があれば」
「助手は所長を背後から 殴っているわけだから」
「殺意があったと考えられる」
風田(フウダ)探偵「傷は、所長の頭のてっぺんにあった」
風田(フウダ)探偵「前でも後ろでもなく、てっぺんに、だ」
風田(フウダ)探偵「探偵助手に殺意があったか なかったか」
風田(フウダ)探偵「推理してみたまえ! シンキングタイム・スタート!」

〇黒

〇散らかった職員室
風田(フウダ)探偵「答えは出たかな?」
風田(フウダ)探偵「何? シンキング・タイムの間に 私は掃除を進めるべきだったって?」
風田(フウダ)探偵「いやいやいや、キミの思考の 邪魔をしては悪いかと思ってねっ」
風田(フウダ)探偵「それよりも重要なのは いかにして探偵助手が所長の頭を」
風田(フウダ)探偵「前でも後ろでもなく 真上から殴れたのか、だ!」

〇空っぽの部屋(ガムテープあり)
「事件のとき所長は 床に しゃがみ込んでいたんだよ」
「散らかし放題の部屋の中 床に置いていた書類を拾って」
「そのまま床に座って読んでいたんだ」
「そこを助手が花瓶で殴った」
「だから傷跡が 真上からのものになった」
「所長は書類を見ていただけなのだから」
「助手の正当防衛というのはウソだ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

コメント

  • 最終回で探偵が犯人、とはクリスティのオマージュですかね?
    仮に風田ちゃんが犯人だった場合、相当無理があるような🤔 いやでも何かありそうな気も…… まあ所長が生きている時点でバレちゃう……

    毎回愉しませて頂きました。面白かったです。お疲れ様でした。
    自作は葉雨田ちゃんか、保和衣ちゃんか。笑

成分キーワード

ページTOPへ