日常(再会?)(脚本)
〇華やかな裏庭
あれから数ヶ月経つ頃には少女はすっかり青年に懐いて、青年も少女に愛着が湧いていた。
アゼル「庭にいたのか?」
メルティナ「天気いいから、紅茶飲みながらクッキー食べようと思ったの」
メルティナ「アゼルさんも一緒にどう?」
アゼル「ああ・・・そのクッキー自分で作ったのか?」
メルティナ「うん、料理長から教わったの。 良かったら味見して」
アゼル「いただきます・・・美味しい」
メルティナ「良かった、紅茶にあうように作ったの」
アゼル「メルティナは料理上手なんだな」
メルティナ「和食と和菓子は得意だけど・・・洋食と洋菓子はまだあんまり作れないから練習してるの」
アゼル「可愛くて料理上手で家庭的な女性なら良い人が見付かりそうだ」
メルティナ「え・・・そうかな?」
アゼル「ああ、俺が妻に迎えたいぐらいだ」
メルティナ「もー、アゼルさんたらからかわないで」
アゼル「本心ではあるんだが・・・」
メルティナ「こ、紅茶も飲んで。冷めちゃう」
アゼル「照れて可愛い」
メルティナ「恥ずかしいくなってきたわ」
アゼル(初々しくて本当可愛い。 あまりからかうのは可哀想か・・・)
アゼル「この後買い物に行くのだか一緒に来るか?」
メルティナ「いく。久しぶりに街に行きたい」
アゼル「支度出来たら行こう」
メルティナ「うん、たのしみ」
〇西洋の街並み
メルティナ「いろんな匂いがするね」
アゼル「ああ、店も人も多いからな。 迷わないように手を繋ごうか」
メルティナ「うん!私鼻はいいから迷ってもアゼルさんを見つけれる自信あるわ」
アゼル「俺もメルティナを見付けられるが・・・」
アゼル「メルティナは可愛いから変な輩に絡まれても大変だ」
メルティナ「私に絡む人なんていないよ」
メルティナ「怖いとか近付くとは言われた事あるけど・・・」
アゼル「それはメルティナの良さが分からないからだ」
アゼル「俺からしたら可愛くて明るくていい子だと思う」
アゼル(魅力に気付かない方が良いが・・・ 近付いてくる奴らを始末する手間も無くなるし)
メルティナ「アゼルさんってホント優しいね」
アゼル「メルティナだから優しくするんだ」
アゼル「君は人を見た目や地位で判断しないだろ?」
メルティナ「地位や見た目だけじゃその人の事分からないよ」
メルティナ「話してみてどんな人かわかると思うの」
アゼル「そんなふうに考えれるのはメルティナが優しいからだ」
メルティナ「アゼルさんが優しくしてくれたから優しくするの。私の恩人だもん」
アゼル「大袈裟な・・・」
リシェル「メルティナ!」
メルティナ「リシェル姉上様、どうして此処に?」
リシェル「こっちのセリフよ! いきなり姿を見させないから心配したのよ」
メルティナ「ごめんなさい・・・」
リシェル「謝る事ないわ」
リシェル「無事でよかった・・・」
メルティナ「アゼルさんに助けてもらったの」
リシェル「あら・・・アゼルの所なら心配ないわね」
ミナカタ「アゼル・・・何故メルティナを攫った?」
メルティナ「ミナカタ兄上様、誤解なの」
ミナカタ「お前は何も言わなくて良い」
アゼル「話しは聞くべきだと思うが・・・」
ミナカタ「黙れ!いくら貴様と言えと、可愛い妹分を誑かすなら容赦せん!!」
リシェル「バカカタ、煩いわよ」
ミナカタ「バ、バカ・・・?」
リシェル「あなたはいつも人の話しを聞かないで思い込むのは良くないわよ」
リシェル「メルティナ、アゼル、気にしなくていいからね」
リシェル「ミナカタはメルティナが離れていくのが寂しいだけだから」
ミナカタ「や、そういうわけでは・・・」
アゼル「少しはメルティナを信用したらどうだ?」
アゼル「思ったよりしっかりした娘だ」
ミナカタ「お前がそれを言うか」
メルティナ「あ、お腹空いたから何か食べたいなぁ〜」
リシェル「私達は行くから、メルティナいつでも会いに来てね」
メルティナ「うん、またね」
アゼル「すまない、気を遣わせてしまったようだな」
メルティナ「そんな事ないわ」
メルティナ「ミナカタ兄上様もリシェル姉上様も私を大切にしてくれてるの」
アゼル「それは分かる」
アゼル「ミナカタは昔から思い込みが激しい所があってな・・・悪いヤツでは無いのだが・・・」
メルティナ「いつも気を張ってるからリシェル姉上様がいなかったら大変だと思うの」
アゼル「そうかもしれない。俺もメルティナが居なかったら過労で倒れそうだ」
メルティナ「アゼルさん・・・」
メルティナ「私、お役に立てるようにもっと頑張るね」
アゼル「ありがとう、傍にいるだけで構わない」
メルティナ「私に出来るとは何でもするわ」
アゼル「メルティナ・・・あまり頑張りすぎないようにな」
アゼル「体を壊しては元も子も無い」
メルティナ「わかった、無理はしないようにする」
アゼル「さてと、メルティナが行きたい所へ行こう」
メルティナ「わーい、今日はね」
こうして変わらない日常を過ごすのだった