第四話 目標への第一歩!(脚本)
〇教室
翌日(月曜日)
アミナ「おはよ、エリカ!」
エリカ「あ、おはよう、アミナ」
エリカ「昨日は図書館にも来なかったけど、何してたの?」
アミナ「あー、えっと、ダンスの練習したり、勉強したりしてただけだよ。 エリカは?」
エリカ「私も朝はダンスの練習をしていたわ。 昼からは図書館にずっといて、 本を読んだり、調べごとをしたりしていたの」
アミナ「・・・そっか。 やっぱり日々の練習は大事なんだね!」
エリカ「ええ!これからも頑張りましょう!」
アミナ(よかった・・・。 これならエラカトラのこともバレずに済む、かな)
エリカ「ああ、それと・・・。 アミナに言わなきゃいけないことがあって・・・」
アミナ「ん?何・・・?」
エリカ「私、図書館にいたときに調べてたんだけど、『トラフィック・ライト』っていうアイドルグループが__」
エリカ「彼女たちのライブホールに参加するアイドルを集めてるみたいなの」
アミナ「それって・・・」
エリカ「ええ、私たちにもチャンスが来たってこと! 参加するためには一週間後の土曜日あたりにライブを披露する必要があるみたい・・・」
エリカ「そこで『トラフィック・ライト』のみなさんが、そのライブに参加させてくれるかを決めるんだって」
アミナ「その日って、公園でライブする日だよね?」
エリカ「ええ・・・。 『トラフィック・ライト』のリーダーに連絡して、大丈夫かどうか確認取らないといけないけど__」
アミナ「その日のライブに来てもらえれば最高だね! ほんと、運いいのかも! エリカ、連絡するんでしょ?」
エリカ「もちろんよ! 今日の放課後に訊いてみるつもり」
アミナ「あたしも付き合っていい?」
エリカ「ええ、もちろん! アミナと私、二人で『エリアミ・ガール』なんだから!」
アミナ「だね!」
〇屋上の隅
放課後
エリカ「あ、アミナ、電話するわよ」
アミナ「う、うん、あたし、隣で応援してるから! 何かあったら言ってね」
エリカ「ええ・・・」
エリカ「__もしもし」
「もしもし?」
エリカ「突然すみません。 そちらアイドルグループ『トラフィック・ライト』さんのリーダー、キリサさんの携帯でよろしかったでしょうか」
「はい!『トラフィック・ライト』リーダー兼センターのキリサです!」
「わたしの携帯にお電話してくださった、ということは、ライブホールの参加希望グループの方、ということでよろしいですか?」
エリカ「はい。 私たち、二人で『エリアミ・ガール』というグループで活動しています」
エリカ「一週間後の参加試験にエントリーしたいと思い、お電話させていただきました」
「ありがとうございます! その日周辺にライブをする予定はございますか?」
エリカ「はい、ちょうど今週の土曜日、夕方ごろにライブをやる予定です。 お時間空いておりますか?」
「ちょっと待ってください! スケジュール確認しますね!」
アミナ「うう・・・。 緊張感がすごいね」
エリカ「そうね・・・。 私たちと違ってスケジュールを見ないとわからないくらい予定が入ってるなんて・・・」
アミナ「あたしたちも、早くそのレベルのアイドルになりたいね!」
「お待たせしました!」
エリカ「いえ、とんでもないです」
「今週の土曜日の夕方は、ちょうど空いてました! 場所を教えていただけますか?」
エリカ「はい! 場所は青色公園のステージです」
エリカ「『トラフィック・ライト』さん専用の席を用意した方がよろしいですよね?」
「それは大丈夫です! みなさんには、いつも通りのステージを届けてもらうため、お客さんとして見に行くことにしているんです」
エリカ「・・・っ! わかりました。 では、当日、よろしくお願いします」
「はい!こちらこそ、『エリアミ・ガール』さんのパフォーマンスを見られること、楽しみにしています!」
「では、失礼します!」
エリカ「・・・ふう」
アミナ「エリカ、すごい!!」
アミナ「ちゃんと約束できてるんだよね! 目標に一歩近づけた!」
エリカ「・・・そうね。 でも、そんなに嬉しがってもいられない」
エリカ「私たちはアイドルとして、お客さんに笑顔と元気を届けてきた。 でも、次の土曜日までに、それをもっと練習しないといけない」
アミナ「・・・そう、だね。 でも、そんなに焦っちゃだめだとも思うな。 キリサさんも言ってたでしょ?」
アミナ「『いつものあたしたち』をみんなに届ければいいんだよ!」
エリカ「・・・そう、だったわね」
エリカ「やっぱり、アミナはちゃんとアイドルね。 私も負けないように頑張るわ!」
アミナ「うん! 個人練習もそうだけど、今日は二人で歌とダンスの練習しない?」
エリカ「ええ、やりましょう! 土曜日は、さいっこうのライブにするわよ!」