アイドルヒロイン!

さつまいか

第三話 エラカトラの悩み!(脚本)

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〇タンスの置かれた部屋
  アミナの部屋
アミナ「__でさ、お昼にあたしの嫌いなキノコが入ってたの!お母さんにちょっとは考えてほしいのに・・・」
エラカトラ「そうね・・・。 ま、それは人それぞれなんじゃない? 次からはちゃんとお母さんに気持ちを伝えるべきよ」
アミナ「そっか! やっぱりエラカトラに相談して正解だったな」
エラカトラ「そうね!」
エラカトラ「・・・って、アミナちゃん、勉強教えて、ってワタシを呼んだんじゃなかったの?」
アミナ「・・・な、なんのこと?」
エラカトラ「んもぅ・・・」
エラカトラ「アミナちゃんは、エリカちゃんって相棒の子の隣にちゃんと立ちたいんでしょ?」
エラカトラ「なら、勉強もしっかりしないと」
アミナ「・・・そう、だね」
アミナ「ありがと、エラカトラ!」
エラカトラ「ええ、どういたしまして」
エラカトラ「じゃ、社会、教えるわね」
アミナ「うっ、わ、わかった」

〇タンスの置かれた部屋
  数時間後
アミナ「あ”ーーー やっと終わったぁ・・・」
エラカトラ「頑張ったね、アミナちゃん! ワタシがちょっと教えたら、全部スラスラ~って問題解いちゃって」
アミナ「・・・エラカトラの教え方が上手いんだもん」
アミナ「ありがとう、エラカトラ」
エラカトラ「・・・・・・こちらこそ、だよアミナちゃん」
アミナ(表情が変わった・・・?)
アミナ「エラカトラ?どしたの?」
エラカトラ「あ、ううん、なんでもないの」
エラカトラ「さ、休憩したらまた勉強しよ!」
アミナ「今日はもう終わりだよ。 宿題も全部終わったから、これ以上やらなくてもいいし」
エラカトラ「あ・・・。 そう、だったね! ワタシ、何言ってるんだろ・・・」
アミナ「本当に、大丈夫・・・?」
アミナ「エラカトラ、何か、隠してない?」
エラカトラ「え・・・」
アミナ「エラカトラは、あたしの専用精霊なんでしょ? 秘密を分かち合う仲でしょ?」
アミナ「無理に、とは言わないけど、教えてくれたら嬉しい、な」
エラカトラ「アミナちゃん・・・」
エラカトラ「でも、これは、あなたを危険に巻き込んでしまうかもしれない。 アミナちゃんの生活が変わっちゃうかもしれないことなの」
エラカトラ「ワタシは、アミナちゃんに悲しい思いをしてほしくない。 そのままの、アミナちゃんでいてほしいの」
エラカトラ「だから__」
アミナ「エラカトラは優しいんだね」
アミナ「でも、それは事情を訊くだけで、あたしが危険に巻き込まれるわけじゃないんでしょ?」
アミナ「なら__」
アミナ「訊かせてほしい。 それに関わるか、選択するのはあたしだから」
エラカトラ「アミナちゃん・・・」
エラカトラ「__わかった」
エラカトラ「アミナちゃんには全部話す」
エラカトラ「これも、ワタシたちだけの秘密だからね」
アミナ「うん! やっぱり、エラカトラは笑ってる顔が可愛いよ!」
アミナ「あたし、全て受け止めるから」
エラカトラ「・・・ありがとう」

〇タンスの置かれた部屋
エラカトラ「実は、ワタシのお姉ちゃんが闇落ちしちゃったみたいなの」
アミナ「・・・闇落ち?」
エラカトラ「ええ・・・。 ワタシと双子のお姉ちゃん。 最近、『人間たちの願いを叶えることなんてくだらない』って言い出して」
エラカトラ「ワタシがアミナちゃんのところに昨日来てるとき、闇に呑まれた、って同胞から聞いたの」
エラカトラ「心配で仕方なかったけどお姉ちゃんなら大丈夫、そう思ってた。 でも、お姉ちゃんはこっちの世界にも影響を及ぼすようになってた」
アミナ「こっちの世界にも・・・?」
エラカトラ「ええ。精霊は闇に呑まれると、精霊の国の一部を黒くしてしまうのだけれど」
エラカトラ「それと同時に、アミナちゃんのような心に希望と願いを持った子の思いを、違ったものにしてしまうの」
アミナ「・・・あ」
エラカトラ「何か・・・心あたりがあるの?」
アミナ「えと、うん・・・」
アミナ「お昼のとき、ね、エラカトラが帰ってから、あたし寝ちゃってて、そのとき夢を見たの」
アミナ「その夢は__」
アミナ「あたしだけが、ライブをしていたの。 本当の、ライブホールで」
アミナ「そこにエリカはいなくて、夢の中のあたしもそのことを気にしていなかった。 もしかして__」
エラカトラ「ええ、彼女の仕業だと思う」
アミナ(起きたすぐは全然思い出せなかったけど、 今なら鮮明に思い出せる。なんでだろう?)
エラカトラ「・・・ごめんなさい。 まさか、もうあなたにも影響を及ぼしていたなんて・・・」
アミナ「・・・ううん、それはいいよ。 それより、早くお姉さんを助けてあげないといけないんじゃない?」
エラカトラ「でも・・・。 お姉ちゃんは、ワタシたちがする仕事とは逆のことをした。 なら、妹のワタシも責任を取らないと__」
アミナ「確かに、そうかもしれない」
アミナ「でも、エラカトラはちゃんと、自分がしなきゃいけないことをできてると思う」
エラカトラ「・・・え?」
アミナ「__あたしを笑顔にしてくれてる、目標に近づけさせてくれてるから!」
アミナ「だから、エラカトラはお姉さんを助けるだけで十分だと思う。 あたしも、他の人の思いが変わっちゃうのは嫌だから・・・」
エラカトラ「・・・・・・」
エラカトラ「ありがとう、アミナちゃん」
エラカトラ「そうよね。 ワタシはお姉ちゃんを助けたい。 みんなの思いを守りたい。 その思いだけでいいのよね」
アミナ「そうだよ!あたしも協力させて! なんだかんだ言って、今日はエラカトラに勉強教えてもらったし」
エラカトラ「__本当にありがとう・・・! ワタシ、アミナちゃんの専用精霊として 思いには応えるから!」
アミナ「うん!よろしく頼むよ!」

次のエピソード:第四話 目標への第一歩!

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