第二話 二人だけの秘密!(脚本)
〇タンスの置かれた部屋
翌日
アミナ「ふわぁ、よく寝たー」
アミナ「今日は日曜日だし、ゆっくりダンスの練習でもしよっかな」
エラカトラ「おはよう、アミナちゃん。 いいね、ダンス! ワタシも大好きだよ!」
アミナ「・・・・・・」
アミナ「ん!? なんであんたがここに!?」
アミナ「しかもさっき光ったところから出てきたよね!?」
エラカトラ「そだよ~。 精霊の国とこっちの世界を繋げるために、あの光は必要不可欠なの」
アミナ「そう、なんだ・・・?」
アミナ「それより、なんで朝から来たの? しかもあたしが起きたタイミングで」
エラカトラ「アミナちゃんがこんがらがってたから、次の日に来ただけだよ」
エラカトラ「起きてないときから来てたら、さすがに怖がられそうだったし」
エラカトラ「それと!」
エラカトラ「ワタシがアミナちゃんの専属精霊になることが決定したから、これからよろしくねー!!」
アミナ「いやいやいやいやいや!!」
アミナ「マジでどういうことなの!?」
アミナ「せ、専属精霊ってことは、ずっとあたしの側にいる、ってことなの!?」
アミナ(なんか、大変そう・・・)
エラカトラ「まあまあ、それは慣れるから」
アミナ「慣れるって・・・」
エラカトラ「そんなことより、今日はダンス、するんでしょう?」
エラカトラ「今の自分のことと、しっかり向き合った方がいいと思うよ」
アミナ「そう、だね」
アミナ「エラカトラには、徐々に来る回数を増やしてもらって、慣れていこうかな」
エラカトラ「ええ!それでいいの。 それと、ワタシ、アミナちゃんのダンス見てみたいわ」
エラカトラ「ダンスの練習に付き合ってもいい?」
アミナ「うん!もちろんだよ!」
〇綺麗なリビング
アミナの家のリビング
アミナ「__ワン、ツー、スリー」
アミナ「ワン、ツー、で__」
アミナ「キメポーズ!!」
アミナ「そこから回って、ジャンプ!」
アミナ「ピース!」
アミナ「・・・ふぅ。 一回休憩しよう」
エラカトラ「すごいすごい!」
エラカトラ「アミナちゃんって、本当にアイドルなのね!」
アミナ「そう、かな・・・」
エラカトラ「うん、そうよ! 思ってたのよりとっても綺麗!」
アミナ「__あたしのこと、どう考えてたの・・・」
エラカトラ「可愛い高校生で、すっごくがんばり屋なアイドルでもあって、困難にぶつかりつつも、相棒と一緒に乗り越えてる!」
エラカトラ「って感じかしら」
アミナ「はぁ。なら、いいけど」
アミナ「それにしても、今日朝はお母さんいない日でよかったよ。 こんなのバレたらなんて説明したらいいか・・・」
エラカトラ「・・・? いつもダンスの練習してないの?」
アミナ「違うっ! あんたのこと! お母さんが見たらびっくりするでしょ」
アミナ「あたしはエラカトラのこと、内緒にするから」
エラカトラ「じゃあ、二人だけの秘密!?」
エラカトラ「嬉しいな。 ありがとう、アミナちゃん」
アミナ「な、何・・・急に」
エラカトラ「ううん。 ただ、アミナちゃんはしっかりした子なんだなー、って思っただけ」
アミナ「・・・そっか」
エラカトラ「それじゃ、ワタシは一旦帰るわ! ワタシのことを思い描いてくれたら、この世界に来れるから」
エラカトラ「じゃあね~」
アミナ(・・・あの子もあたしたち人間と変わらないんだな)
アミナ(喋って、笑って、楽しんで、感動して・・・ エラカトラにも、あたしたちのステージを見てほしい、な)
アミナ「・・・とは言っても、まだ公園でしかしたことないんだけどなぁー」
アミナ「よし、休憩もしたし、もう一回! 次は違う歌を!」
〇綺麗なリビング
2時間後
アミナ「すやぁ・・・」
「アミナー?」
アミナの母「お母さん、帰ったわよ」
アミナの母「って、寝てるの?」
アミナの母「まったく、しょうがないわね・・・」
アミナの母「・・・今日も朝早くからたくさんダンスの練習して、疲れたのかしら」
アミナの母「ゆっくり休んでね」
アミナの母「さ、お昼ごはん作らないと。 アミナもお腹すいてるでしょうし」
〇コンサート会場
アミナ「みんなー!!今日は来てくれてありがとうー!!」
アミナ「さいっこうのライブをするから、楽しんでいってねー!!」
__♪
アミナ「__~♪ ーー!」
イエーイ!!!!
アミナ「ありがとー!!」
アミナ「次で、最後の曲だよ!」
アミナ「これは、あたしたちが一番最初に作った、思い出の曲なんだ」
アミナ「あたしたちが最初に感じた思い・・・。 みんなにも届きますように!」
イエーイ!!!
アミナ「~~~~♪」
アミナ「ーーー♪」
アミナ「ーー!!」
アミナ(・・・あれ? あたし、なんで”あたしたち”なんて言ったんだろう?)
アミナ(『エリアミ・ガール』はあたしのアイドル名なのに・・・)
アミナ(でも・・・。 何か、大切なことを忘れてる・・・ような)
「アミナちゃんー!! にっこにこー!!」
アミナ(そうだ。今はファンのみんなのために、ライブに集中しないと)
アミナ(スマイルー!!)
アミナ「___!!!」
イエーイ!!!!
アミナ「今日はありがとうー! また近いうちにライブするから、 見に来てね~!」
イエーイ!!!!!
〇綺麗なリビング
アミナ「う・・・んん」
アミナの母「アミナ、目が覚めた?」
アミナの母「もうすぐお昼ごはんできるから、 座って待ってなさい」
アミナ「・・・お母さん? もう戻ってたの?」
アミナの母「ええ。アミナ、疲れてたでしょう。 2時間くらい寝てたわよ」
アミナ「えっ、そんなに!?」
アミナ(うう、少し練習し過ぎた、かな)
アミナの母「アイドルのこともいいけど、ほどほどにしなさいよ? 体はずっとは持たないんだから」
アミナ「・・・うん、ありがと、お母さん」
アミナ(・・・あれ? そういえば、あたし何か夢を見ていたような・・・)
アミナ(ま、いっか)