想いを知りたくて(仮)

みかんアルベ

人魚姫(脚本)

想いを知りたくて(仮)

みかんアルベ

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〇西洋の街並み
ロゼリア「さあ、寄ってらしゃい見てらしゃい」
女「えーなに?」
男の子「わー、紙芝居だぁ」
ロゼリア「よかったらお菓子もどうぞ」
男の子「わーい、ありがとう!」
女「ねえ、なんの紙芝居読んでくれるの? 私ね、人魚姫が好きなの〜」
ロゼリア「あら、丁度人魚姫の物語を話そうと思ったの。よかったら聞いてね」
女「やったぁ、楽しみ〜」
  むかーしむかーし、ある所に人魚姫がいました。
  人魚姫は家族から大切にされて幸せに暮らしてました
  好奇心旺盛な人魚姫は人に興味があり、陸へ行きたいと思いました。
  しかし、家族は危険だからと反対をしました
  諦めれない人魚姫はこっそり浜辺に行くと、男性と出会って話しました
  話していて楽しくて男性に一目惚れしてしまいました。
  人と人魚・・・結ばれる事はありません。
  海に戻っても人魚姫は男性を思い出してはまた会いたいと願いました
  そんな願いを聞いてやると悪い魔女は人魚姫に近寄りこう言いました
ロゼリア「人間になればまた会えるだろう? 人間にしてやる代わりにお前の声をくれ」
  男性に会いたかった人魚姫は迷わずに、声と引き換えに人間にしてもらうことにしました
  しかし、人間になった途端足がナイフで切れたような痛みが走るも人魚姫は耐えました
  あの人に会うためと・・・陸へ行きました
  男性は人魚姫に気付くと声を掛けましたが、声を失った人魚姫は喋れません
  それでも男性は優しく接して、身寄りがないなら家に来ないかと男性について行きました
  男性の家に行くと綺麗な女性がいて、男性は妻だと言いました。
  人魚姫はショックでその場を去り浜辺と行きました。
  すると、姉達が心配した顔で長女がいいました
ロゼリア「可哀想に、悪い魔女に騙されたんだね。 あの男を殺しなさい、そうすれば元に戻れるから」
  ナイフを差し出されましたが、好きな人とを殺すなんて・・・と迷っていると長女は言葉を続けます
ロゼリア「あの男はアンタを裏切ったんだよ」
ロゼリア「アンタを愛しちゃいない。裏切っんだ、死んで当然だよ。 アイツを殺さないとアンタが消えるんだよ」
  長女はとてもつらそうで悲しげに言いました。
  人魚姫はナイフを受け取りました
  男性の家に戻り、寝静まった頃寝室へ忍び込みました
  いざ刺そうとしてもできません。
  好きな人を殺すことが出来ない・・・そんな人魚姫は浜辺に行きました
  海に入ると人魚姫は泡となり、空気として遠泳に漂いましたとさ
ロゼリア「おしまい・・・クスクス」
女「人魚姫可哀想・・・」
男の子「だな、悲しい」
ロゼリア「みんなが覚えていれば人魚姫も喜びますよ」
女「そうなの?みんなに話そう!」
ロゼリア「ふふ、是非話してくださいね」

〇研究所の中枢
アイリス「暇ね。ロイ、なんか面白い話してよ」
ロイ「面白い話し・・・昔俺が最強だった話しを・・・」
アイリス「その話し200回は聞いてるから飽きたわ。 違う話しをしてよ」
ロイ「むー、そう言われてもな・・・あ、リスが昔迷子になって泣いた話しをしようか?」
アイリス「それつまらなーい!」
ランス「やぁ、相変わらず暇そうだね」
アイリス「暇ってなによ。ちょっと休憩しただけなんだからね」
ロイ「や、暇だから面白い話ししろって言っただろう」
アイリス「ロイは静かにして!っていうより、ロイが高い声で話してる方が面白いわね」
ロイ「おい、人が・・・や、狼が気にしてる事を・・・」
ランス「アイリスは昔からワガママだからねぇ・・・ 確かにロイの声は面白いけどさ」
ロイ「ショックで夜しか寝れねぇよ・・・」
ランス「普通じゃないか。 ロイは朝方~夕方までしか動かないし」
ロイ「仕方ないだろう。契約獣になる時にそういう決まりになったんだら」
アイリス「それより、ランス何しに来たの?」
ランス「さっき街に紙芝居屋がいたけど・・・何かあったかなと」
アイリス「嫌な予感がするわ・・・」
ロイ「奇遇だな、俺も嫌な予感がする。 あの紙芝居女が何もしねぇわけないし」
アイリス「全く面倒事を起こさないでほしいわ」
アイリス「どうな話しをしてたかしら?」
ランス「話しは聞いてないけど・・・街の人は人魚姫と言ったね」
アイリス「人魚姫・・・それって確か実らない恋の話しよね?」
ランス「そうだね。子供向けだとハッピーエンドだけど、実際は悲しい話しだよ」
ランス「恋が実らずに、何者でもない存在になるんだから」
アイリス「・・・その前に止めるしかないわ」
ロイ「そうだな。恋する乙女は幸せにだ!」
ランス「そうと決まれば街に行くよ」

〇西洋の街並み
アイリス「紙芝居屋・・・何処にいるのかしら・・・」
男の子「わぁー狼だ!かっけー!!」
ロイ「俺がイケメンで強いのがわかるのか! 特別にモフらせてやろう」
女「わぁ・・・ハム〇郎みたいな声で可愛い」
男の子「弱そうな声」
ロイ「な・・・悪口言ってんな!俺だってこんな声に生まれたくなかった・・・」
アイリス「私はロイの声も姿も好きよ。 あなた達も意地悪言わないの」
男の子「はーい」
女「ごめんね?可愛いと思ったから」
ロイ「や、気にしてねーし!お子様が言うことなら許してやらないとな!」
ロイ「なんて俺は寛大な心を持ってイケメンで強いだろ。 はぁ、自惚れするぜ」
アイリス「そういう発言するから弱そうとか言われるのよ」
ロイ「リスはもう少し俺に優しくして差し上げろ!」
アイリス「ねぇ、あなた達に聞きたいだけど・・・」
アイリス「この辺りで赤い瞳の紙芝居屋がいなかった?」
女「さっきまでいたけど帰ったよ」
男の子「お姉ちゃん達紙芝居聞きに来たの?」
アイリス「え、まぁ・・・」
アイリス(この子達に本当の事言って巻き込むわけにはいかないわね・・・)
女「人魚姫のお話してくれたの!」
女「私が聞かせてあげる」
アイリス「あら、水になにか落ちる音がしたわね」
女「あっちは海の方だよ。 行ってみよう」
アイリス「そうねぇ、あなた達は親御さんの所へ行きなさい。 危険かもしれないわ」
ロイ「そうと決まれば行こうぜ」

〇海辺
女「え、海に女の人がいるわ」
男「おーい、大丈夫か!? 今助けてやる」
セイレーン「なんじゃ、やかましいのぅ。 折角泳いでいたというのに」
男「うわ・・・人魚??」
女「わぁ、綺麗」
セイレーン「妾は可憐で美しい人魚姫じゃ」
セイレーン「主らと違ってな」
アイリス「あら・・・少し遅かったかしら」
ロイ「あれが人魚姫か? 悪魔みたいにみえるが」
セイレーン「なんじゃ、失礼な獣じゃな! 妾は正真正銘人魚姫セイレーンじゃ」
ランス「現れたものは仕方ない。 とりあえずどうしようか」
セイレーン「お主は妾の運命の人・・・」
ランス「え?」
ロイ「おい、ランスみたいなイケメンみたら惚れるに決まってんだろ!」
アイリス「セイレーンと言ったわね?彼はあなたの運命の人じゃないわ」
アイリス(この人魚姫・・・物語とは違うようね でも、ランスを取れる訳にはいかない)
セイレーン「ソナタは殿方のなんじゃ。 恋人でもなそうじゃが・・・」
アイリス「幼馴染みよ。あなたよりずっーと前からの知り合い・・・いえ、友人よ」
セイレーン「ふーん、どうでも良い」
セイレーン「妾の運命の人・・・これから先ともにいたい」
セイレーン「その為なら妾はなんでもする!どんな苦痛も耐えよう」
ランス「ごめんね? 自己犠牲とか相手の為とか言って突っ走るヤツ無理なんだ」
ランス「キミの愛情は俺には重すぎるよ」
セイレーン「な・・・何故じゃ」
セイレーン「妾程の美貌をもった女などいないじゃろ」
ランス「俺には面倒みないといけないお子様がいるから恋愛とか程遠いよ」
アイリス「お子様ってなによ・・・」
アイリス「セイレーンも性悪男よりもっといい人いるわ」
セイレーン「気に入った! 妾の美貌に惹かれない・・・すなわち本当の妾を見てくれるじゃろう」
セイレーン「妾はソナタを必ず虜にする! だから、傍にいる」
ランス「え、ま・・・仲良くはなれるかもね」
アイリス(おかしいわ・・・普通物語通りの人物になるはず。 この子は違う・・・これなら結末を変えなくても大丈夫そうね)
女「やっぱり人魚姫って傲慢なのね」
男「まぁ、ある国では魔物と言うしな」
アイリス(もしかして、人によって解釈が違うから紙芝居屋が読んだ紙芝居じゃなくてより思いが強い人の姿になった・・・?)
ロイ「リス、どうした?考え込んで」
アイリス「なんでもないわ」
アイリス「セイレーンはどしてここに?」
セイレーン「妹を探しに来たのじゃ」
アイリス「妹・・・?」
セイレーン「ああ、妾のように美しくていい子なんじゃが・・・人間に恋をしたらしたらしくてな」
アイリス「え・・・」
ロイ「な、魔女とか接したとかねぇよな?」
セイレーン「何故知ってるのじゃ」
セイレーン「あのババアに唆されてしまってな・・・ 早い所見付けて連れて帰りたいじゃ」
アイリス「・・・その子危ないかもしれないわ」
セイレーン「ああ・・・想い人を殺すなどできない・・・ ましてはあんな純粋な娘に・・・」
セイレーン「妾が奴を始末し妹を連れ戻す」
セイレーン「例え恨まれても・・・大切な妹のためじゃ」
アイリス「それはダメよ。 私も力になるから・・・」
セイレーン「お前に何がわかる!?」
セイレーン「純粋な人魚が人間になるというのは相当な覚悟がいるんじゃ!」
セイレーン「妹は・・・セレナはどんな苦痛があろうとあの男の為に全て全てを捨て、会いに行ったんのじゃ」
セイレーン「なのに、あの男はセレナを誑かしおって・・・許せるわけあるまい!」
アイリス「ごめんなさい・・・無神経な事言ったわね・・・」
ランス「それってその子が勝手にした事で相手は望んでなんかないじゃないかな」
セイレーン「なんじゃと・・・」
ランス「考えてもみなよ。 いきなり現れて1回話しただけのヤツを好きになれる?」
ランス「普通なんとも思わないでしょう」
ランス「俺か言わせれば君の妹も相当勝手だよ」
アイリス「ランス!言い過ぎよ」
アイリス「セイレーンは妹さんを助けたいと思って・・・」
ランス「なんで素直に"助けて欲しい"って言わないかな?」
ランス「初対面の俺らに話したのは助けて欲しいから?同情して欲しいから? それとも、止めてほしいの?」
ランス「甘いじゃないか。初対面の奴なんかなんとも思わないでしょ」
セイレーン「な・・・別にお主らの力など借りなくとも」
ランス「そう、じゃ、俺達は行くよ」
セイレーン「待て!待って・・・本当は力を貸してほしい」
セイレーン「妾は・・・私は人を殺めるなんてできない・・・ あなた達なら妹を救えるのでしょう」
セイレーン「お願い・・・助けて」
ランス「最初から素直に頼みなよ」
アイリス「ランスたら意地が悪いわね」
アイリス「セイレーン、協力するから私達を信じてくれるかな?」
セイレーン「ああ、信じよう」
ロイ「妹の臭いがつい物があれば探しだせるぜ」
セイレーン「あるぞ。やはり、狼は鼻が利くんじゃな」
ロイ「おう。俺の嗅覚は世界一!」
アイリス「褒めると調子乗るんだから」
アイリス「さあ、探しに行きましょう」

〇ヨーロッパの街並み
セレナ「・・・」
セイレーン「セレナ!探したぞ」
セレナ「セイレーン姉様、どうしてここに?」
セイレーン「帰るためじゃ」
セイレーン「セレナ、帰るぞ」
セレナ「セイレーン姉様、私帰りたくない」
セレナ「あの人のそばに居たいの」
セイレーン「なぜじゃ。 あの男はソナタを愛してない!」
セレナ「それでもいいの」
セイレーン「セレナ・・・妾はソナタが消えるのが嫌じゃ・・・」
セイレーン「頼む・・・お願い、私の我儘を聞いて」
セレナ「セイレーン姉様・・・」
アイリス「妹を救う方法ならあるわ」
セレナ「その人は?」
セイレーン「妾の信頼できる友人じゃ」
セイレーン「本当に助かるじゃな?」
アイリス「えぇ・・・」
アイリス(セレナには悪いけど、変えさせてもらうわ。 私が結末(エンドロール)を変えてあげる)
アイリス「とりあえず広場に来て」

〇ヨーロッパの街並み
ロイ「リス、人集めてきたぜ」
アイリス「ありがとう」
男「おい、これから何をするんだよ」
アイリス「物語を聞いてもらいます」
女「紙芝居なら今朝聞いたわよ」
アイリス「人魚姫は続きがあるの」
女「続き?」
男「聞くのはかわまねぇが早くしてくれよ」
アイリス「ゴホ・・・」
  昔昔、ある所に人魚姫がいました。
  人魚姫は家族に愛されて幸せでした
  好奇心旺盛な人魚姫は陸へ興味があり家族の目を盗んで陸へ行きました
  浜辺で倒れていた男を見つけると、優しい人魚姫は助ける事にしました
  男は目を覚ますと美しい人魚姫の姿に一目惚れして、人魚姫も男に一目惚れでした
  しかし、人と人魚・・・結ばれる事はありません。
  2人は種族なんか気にせず、自分達が種族の壁を越えて「愛」を伝えればいいと考えました。
  二人には多くの試練があり、それを乗り越えて行く事にしました。
  二人の愛の強さを見ていた人は応援して、反対していた家族も応援しました
  試練を乗り越えた2人は無事に結ばれて、末永く幸せに暮らしました
アイリス「おしまい」
女「素敵なお話しね」
男「ああ・・・姉ちゃんの声もすげぇ癒される」
女「こっちのお話の方が好き」
ユキト「セレナ」
セレナ「ユキトくん、どうしたの?」
ユキト「ごめん!」
ユキト「兄さんが勘違いさせて・・・傷付けて・・・」
セレナ「謝らないで。私が勝手に惚れただけだから」
ユキト「あのさ・・・僕じゃダメかな・・・?」
セレナ「え?」
ユキト「優しくて可愛くて素直なセレナを見てたから好きになって・・・」
セレナ「ユキトくん」
ユキト「ごめん、困らせたね」
ユキト「兄さんみたいに顔が良くて才能ある訳じゃないけど・・・セレナを幸せにはできる」
ユキト「お互いを知って、セレナが僕に惹かれたら結婚して欲しい」
セレナ「ユキトくん・・・」
ユキト「え、嫌なこと言ったかな?」
セレナ「ううん、凄く嬉しい」
セレナ「これからよろしくね」
男「お、兄ちゃん良かったな!告白成功して」
女「二人ともお幸せに」
セイレーン「セレナ、ソイツなら良いと思うぞ」
セレナ「セイレーン姉様・・・」
セイレーン「ユキトと言ったな。 セレナを悲しませたら・・・わかってるな」
ユキト「悲しませないようにする」
セイレーン「ふむ・・・アイリス、ありがとうな」
アイリス「私は何もしてないわ」
セイレーン「いつか借りは返す」
セイレーン「さ、今夜は宴じゃー!」

〇ヨーロッパの街並み
ランス「よくあんな話し思い付いたね」
アイリス「元からあった話しを変えただけよ」
アイリス「でも・・・次は上手くいくとは限らないわ」
アイリス「今回は良かったけど・・・なんとしても止めなきゃね」
ランス「やれやれ、無茶だけはしないでくれよ」

〇西洋の街並み
ロゼリア「相変わらず邪魔な女ね・・・」
カゲツキ「失敗したようだね」
ロゼリア「カゲツキ様、申し訳ございません。次は必ず・・・」
カゲツキ「構わないよ、ある意味成功だから」
カゲツキ「ロゼリアは頑張ってくれてるから期待してるよ」
ロゼリア「はい、次は必ずカゲツキ様のお望みのままに」
カゲツキ「本当・・・利用しやすい女だ」
カゲツキ「アイリス・・・面白い女だねぇ」
カゲツキ「もっと私を楽しませておくれ」
  これから少女達は苦悩していくのだった

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