Xヒーロー

語り部

第49話 第一の組織(脚本)

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〇ダブルベッドの部屋
  2021年 イリノイ州 デュページ郡 ネイパービル 氷壁に覆われた街 ホテルの一室
  斎王達はひとまず部屋に集まる事に。しかし昨日の一件でエンチャントは顔をしかめていた
  そんなエンチャントに斎王は話しかける
斎王幽羅「エンチャントさん、気持ちはわかるけど今は冷静になって?」
斎王幽羅「なぜ終身刑の『魔弾のライオネル』が出所しているのか、なぜ『若返っているのか』、それもこれも冷羅さんの言う通り」
斎王幽羅「『信用を得なければ』冷羅さんにおしかけても教えてくれない。こればっかりは動かせないよ」
エンチャント魔導法士「わかってる。わかってはいるが··· ··· ···ワールドインパクトには大勢の者が傷を負わされた」
エンチャント魔導法士「Xヒーローのメンバーだけじゃない、メンバーの家族や友人、恋人さえ奴らは手を出してきた」
エンチャント魔導法士「ライオネルも例外じゃない。ワシは···どうしてもそこが割りきれん···」
斎王幽羅「別に今すぐどうこうって訳じゃない、ライオネルさんの組織に潜入した時にでもライオネルさんの人間性を知っていけば」
斎王幽羅「冷羅さんがなぜ引き入れたのかも、わかるんじゃないかな?」
斎王幽羅「許す許さないもその時に決めればいいと思う。どうかな?」
エンチャント魔導法士「··· ··· ···いや、それでいい。すまんな、少し結果を急ぎすぎたのかもな···」
斎王幽羅「いいよ全然。三代目Xヒーローを語る上で『闇ギルド ワールドインパクト』は外せない話題だもん」
斎王幽羅「俺もエンチャントさんが言うまで気づかなかったし、気が回らなくてごめんね···?」
エンチャント魔導法士「お前が謝ってもどうにもならんから気にするな。それよりワシは冷羅の『協力条件』の方が気になる」
斎王幽羅「そうだね···冷羅さんからの条件だけど『フィンガーズの抱えている問題を解決し、信用を得る事』って聞いてる」
キング「問題···?具体的にはどんなだ?」
斎王幽羅「俺が言われたのはコンキスタドール建設についてなんだけど···」
斎王幽羅「作業人員を何処からか『攫ってる』って。キングはエル・シッドさんがそういう事する人だと思う?」
キング「『あり得ねえな』。やるとしたら···アーサーぐらいだろな、あいつ人嫌いだし」
キング「まぁそのアーサーも錆が広がりすぎて『人の姿に変われなくなった』んだがな」
斎王幽羅「となるとやっぱり···『内部で何か起こってる』って事かな」
エンチャント魔導法士「ひとまず最初の潜入先はコンキスタドール建設になるのか···ワシ、腰ヤバいんだが···」
斎王幽羅「そこはほら···どうにかこうにかしてくれるんじゃないかな···?」
キング「つーかよ、どうやって潜入するんだ?まさか『入れてください』って言いに行くのか?」
斎王幽羅「それについては問題ないよ。ひとり心当たりがあってさ···ね?凪園」
凪園無頼「心当たり···?あー!あいつねー?また路地裏いけば会えっかなー?」
  斎王と凪園以外は不思議そうな顔をしながら、2人の提案を受け入れ各々がしばしの休息を取る

〇ビルの裏
  翌日 裏路地
ギャング「お、凪園の兄貴と兄貴のボス!お連れの方はお仲間で?」
凪園無頼「そーだよー。つーかさ、お前コンキスタドール建設に入る方法知らね?俺らあそこに用あんだけど」
ギャング「簡単ですよ『illinois WorkForce Alliance(アメリカ版ハローワーク)』で求人出してるんで」
ギャング「そこで応募すれば問題ありませんよ。まぁコンキスタドール建設は面接とかなく、即採用でしょうけど」
凪園無頼「なんでそんな事言えんの?」
ギャング「あそこずっと『人手不足』で猫の手も借りたい状況なんですよ。まぁ土木なんて作業キツイッスからね」
斎王幽羅(ハロワで求人を出す···?冷羅さんの言ってることが本当ならそんな必要ないはず···)
凪園無頼「人攫って人員増やしてるとか聞いたけど、どうなの?」
ギャング「俺も最近よく聞きますけど、真相知ってるのは親方のエル・シッドさんだけだと思います···」
凪園無頼「ふーん···じゃあ俺らそのナントカってとこで求人出してくっから。またなんかあったら聞きに来るからよろー」
ギャング「はい!いつでも待ってますよ凪園の兄貴!」
  斎王達はギャングの下っ端に見送られながら、コンキスタドール建設の潜入を開始するのであった
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第50話 違和感

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