エピソード5(脚本)
〇一戸建て
「こちら、現場からの中継です」
「殺害されたのは、錦戸涼子さん三十二歳」
「被害者がウェディングドレスを着せられていたことから、警察は先月発生した事件との関連が強いとして捜査中です——」
〇通学路
警察や報道陣の出入りを、少し離れたところから眺めている光。
『聴撮日記』に文字を打ち込む。
『昨日のあれは、やっぱり殺人事件だった』
久保田光「・・・・・・」
イヤホンを取り出す光。そのコードは、背中のリュックへと繋がっている。
イヤホンからは、警察らしき人々の音声が漏れる。
「現場荒らすなよ、何か重要な証拠でもあるかもしれないから」
「って、おい、赤地、勝手に——」
ザーッ・・・ザーッ
久保田光「うるさ、え、なに・・・?」
〇一戸建て
警察官「はい、下がって、下がって・・・」
現場に群がる人だかりの後ろから、中を覗き込む光。
久保田光(盗聴器の調子が・・・)
警察官「現場荒らさないで、はい下がって」
玄関から出て来た刑事。
その手にはジップロックが握られている。
久保田光「僕の、盗聴器・・・」
村木駿「自分、こんなところに盗聴器あるとは、全然気づかなかったっす」
村木駿「よく気づいたっすね、赤地(あかち)さん」
久保田光「!!」
久保田光「あ、あ・・・」
〇一戸建て
赤地正男「普通に発見器使っただけだよ。 念には念を、ね」
久保田光「・・・・・・」
久保田光(あの首の、火傷の跡・・・)
〇街中の道路
〇街中の交番
スマホを取り出し『盗撮日記』に文字を打ち込む光。
『警察が、犯人』
警察官「ん、どうかされましたか」
久保田光「あっ・・・」
久保田光「い、いえ」
警察官「なんだ?」
〇開けた交差点
〇歩道橋
赤地正男「・・・っと、どうぞ」
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