高嶺の花に手を伸ばして

夏目心 KOKORONATSUME

17 変えられる物、変えられない物(脚本)

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〇体育館の中
  俺がアカリさん、いやアカリに告白されてから数日後。
暗森敬一「良し!今日の練習はここまで!」
星野慎太郎「ありがとうございます!」
暗森敬一「皆大分腕を上げて来たな・・・冬の大会は、夏の時以上の成果を出したいと思ってる・・・今後も鍛錬を怠らない様にな・・・」
モブ男子「はい!」
暗森敬一「良し、解散だ!また放課後にな!」
星野慎太郎「さて、俺も戻るか・・・」
月島アカリ「慎太郎君!お疲れ様!」
星野慎太郎「アカリ!あぁ、頑張ったよ!」
月島アカリ「暗森先生意気込んでたね!」
星野慎太郎「そりゃそうだよ・・・この前は準々優勝だったし、それ以上の成果は絶対狙いたいから・・・」
月島アカリ「そうだよね!慎太郎君達なら絶対優勝できるよ!」
星野慎太郎「ありがとう・・・そろそろ戻ろうか・・・」
月島アカリ「うん!今日もお弁当作って来たよ!」
星野慎太郎「そっか!楽しみにしてるぜ!」

〇教室
星野慎太郎「ただいま!」
須藤智也「あ、二人ともお帰り!今日はどうだった?」
月島アカリ「順調よ!」
須藤智也「そっか・・・」
星野慎太郎「なぁ、あれから速水はどうなった?」
須藤智也「あぁ、その事なんだが・・・あれから随分経ったけど、あいつ一応学校には来てるけど、今まで以上に身体鍛える様に」
須藤智也「なっちゃって・・・体育以外の授業、まともに受けてないんだ・・・」
星野慎太郎「う〜ん・・・正直悪い事しちゃった気もあるが・・・」
月島アカリ「そうよね・・・こればっかりは流石にどうにもできないわね・・・」
須藤智也「まぁ、俺ら三人の中であいつが一番我儘だったからな・・・一番変わって欲しい所に限って簡単には直らないから・・・」
星野慎太郎「本当、仕方ないよな・・・」
月島アカリ「まぁ、過去と他人はどうやっても変えられないもの・・・でも、自分とこれからは変えられるわ・・・たがら、」
月島アカリ「あたし達はできる事をやれば良いと思うわ・・・これからもね・・・」
星野慎太郎「そっか・・・そうだよな!」
須藤智也「・・・確かにそうだね・・・ねぇ月島さん、慎太郎と一緒になれて、どう思ってる?」
月島アカリ「慎太郎君といれて?」
月島アカリ「心から嬉しいわ!あたしが本気で気になった人だもん!後悔なんてして無いわ!」
星野慎太郎「おいおい・・・嬉しい事言ってくれるじゃねぇか・・・」
須藤智也「本当、何がどうなるか分かったもんじゃ無いな・・・今日も頑張ろうぜ!」
星野慎太郎「あぁ!」
星野慎太郎「なぁアカリ・・・」
月島アカリ「慎太郎君?」
星野慎太郎「改めてなんだけどさぁ・・・」
星野慎太郎「これから良い事嫌な事沢山あると思う・・・これから先で、アカリの事傷付けちゃう事だって・・・それでも、」
星野慎太郎「アカリと一緒にいる事、最後までやり通したいと思ってる・・・だから、」
星野慎太郎「これからも宜しくな・・・」
月島アカリ「・・・!こちらこそ!あたしはずっと前から覚悟できてるよ!絶対離さないからね!」
  彼女の笑顔を守る事は、決して楽な道のりでは無いと思う。だけど、俺もこれから、勉強であれ、剣道であれ、
  高みを目指して精進して行く。俺だけで無く、アカリと共に。俺達の行く道は、これから始まるのだと、心の中でそう思った。

〇体育館の中
速水康太「くそ!くそ!!くそー!!!」
速水康太「アカリさん!アカリさん!!アカリさーん!!!」
速水康太「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
速水康太「駄目だ・・・幾らサンドバッグに攻撃しても治まらねぇ・・・もっと・・・もっと!!」
高崎浩一「おい!こんな時間まで何やってる!!」
速水康太「高崎先生!俺は・・・もっと強くないたいんです!だからもっと鍛えないと!!」
高崎浩一「馬鹿たれ!自分が何やってるのか分かってるのか!?体育以外そっちのけで、自分の身体ガチガチにするだけが全てか!?」
高崎浩一「月島に振られてショックなのは分からなくも無いが、お前は今やり方を間違えてる!一つの物事に囚われ過ぎだ!!」
速水康太「うるさい!!勉強なんていつでもできるだろ!!俺は強くなりたい!その為なら何でもしてやるんだ!!!」
高崎浩一「やめろ!そこまで言うなら勝手にすれば良いが、最後に責任を問われるのは自分だって事を忘れるな!とにかく今日はもう帰れ・・・」
高崎浩一「速水、お前はもっと広い視野を身に着けるべきだ・・・これが最後の警告だからな・・・」
速水康太「あぁ勝手にするさ・・・俺こそがアカリさんに相応しいからな・・・」
  アカリに振られた速水はその悔しさを自力で抑える事ができないでいた。今の速水を支配している感情は悔しさ、恨み、
  憎しみと言った負の感情ばかりだった。速水は高崎先生からの警告を無視し続け、速水の側に寄る者はいなくなり、
  二学期の期末では再度オール赤点となり、続く追試も不合格となって落第。周囲からの圧に負けた速水は学校へ行く事が苦痛となり、
  人知れず退学届けを書いたのだった。
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