退職させていただきます!(脚本)
〇アパートのダイニング
みより「あー、いい天気だ!」
みより「さて、今すぐ会社を辞めるぞ!」
みより「・・・って言っても、さすがにバックレは良くないよね・・・」
みより「面倒だけど、会社行くか・・・」
〇小さい会議室
部長「はぁっ!?退職する!?」
みより「はい!」
部長「あのなぁ・・・ 辞めるなら、3ヶ月前には言えって就業規則に書いてあんだろ?」
みより「法律上は、14日前に申し出れば大丈夫ですよね?」
みより「あと私、有給まるまる残ってるんで、退職日まではそれ使います♪ なので明日からは来ません!」
部長「お前なぁ・・・ 会社には、引き継ぎとか人員の確保とか、色々あんだよ。 だから3ヶ月前には言えって言ってんの」
部長「社会人としての自覚が足りねーんだよ!! そんな無茶な話、まかり通るわけないだろう!? バカなこと言ってんじゃ・・・」
みより「退職、させていただきます!!」
部長「えっ・・・いや、だから・・・」
みより「今までお世話になりました!!」
部長「はっ!? お、おーい!!」
〇街中の道路
みより「ふんふふーん♪ さぁて、お昼は何食べようかなー!」
同僚「・・・ちょ、ちょっと、待って!板垣さん!!」
みより「あっ、宮下さん」
同僚「聞いたよ、なんか急に退職届出したって・・・」
みより「うん!明日から有給消化だから、もう会社には行かないよ」
同僚「どうしたの?急に。 みんな心配してて、会社今パニックだよ」
みより「あー・・・そうだよね、ごめん、迷惑かけて」
同僚「い、いや、そういうんじゃなくて・・・」
同僚「そうだ、ちょうどお昼休みだから、これからランチ行かない?」
みより「え?あー、うん・・・」
〇レトロ喫茶
みより「いっただっきまーーす!」
同僚「おぉー、結構ガッツリだね」
同僚「板垣さん、いつも健康的なお弁当食べてるイメージだったから」
みより「だって、都内のランチ高くない!? 普通に1500円とかするし!」
みより「あと一応、ダイエットとかも考えてたかなー」
みより「ま、今日は退職記念ってことで♪」
同僚「うんうん。お疲れさま!」
同僚「そういえば、会社のことで、一つ気になってることがあって・・・」
みより「ん?何?」
同僚「たぶんだけど、部長、次異動になると思う」
みより「えっ!?そうなの?」
同僚「うん。 部長、結構キツイ発言多いじゃない?すぐ怒鳴るし・・・」
みより「あー、そうだよねぇ」
同僚「それでいろんな人からパワハラの報告があがってて、上から目つけられるっぽいんだよね」
みより「そうなんだー・・・」
同僚「今人事部にいる同期の子が教えてくれたから、ほぼ確実だと思う」
みより「確かに、あれはパワハラって言われても仕方ないね」
同僚「そう・・・だから、もし辞めるのが、部長が原因なら、ちょっともったいないかなって」
同僚「部長、特に板垣さんに当たりキツかった気がするから」
みより「まぁ、部長は正直、苦手だったけど・・・」
みより「仕事辞めたのは、それとは関係ないよ」
同僚「そうなの?」
みより「うん。・・・例えば・・・ あ、これ、本当に例え話だよ!」
みより「もし、あと半年・・・いや、三ヶ月で死ぬとしたら、私こんな人生で良いのかな?って思って」
同僚「え??」
みより「仕事も、いつしか惰性になってた。 とにかく言われたことをやってれば良いって、周りの機嫌ばかり伺ってた」
みより「これじゃあ、ただのロボットみたいで。 こんなことに時間使ってて良いのかな、とか思い始めちゃって」
同僚「うーん、なるほど」
みより「うちの会社、結構忙しいじゃん? まーその分お給料良いからやってたんだけどさ!」
みより「今は、お金より、時間の方を大切にしたいと思ったんだ」
同僚「そっかぁー・・・ 色々、悩んでたんだね」
同僚「あっ、そろそろ戻らなきゃ!休憩終わっちゃう!!」
みより「あ、私も食べ終わったから、出よう!」
同僚「うん、ありがとう。話せて良かった」
みより「こちらこそ。 急に辞めちゃって、しばらく負担かけると思うけど、ごめんね」
同僚「ぜーんぜん! チャンスだと思って頑張っちゃう♪」
同僚「・・・それじゃ、お疲れ様」
みより「うん、ありがとう!」
〇川沿いの公園
みより「あぁ〜なんてすがすがしいんだろう!」
みより「平日の真っ昼間に飲む酒は背徳の味!なーんて♪」
みより「・・・ほんと、こんな自由な時間、いつぶりだろう?」
みより「さて、これからどうするかだよなぁ」
みより「とりあえず、今どのくらいお金あるか確認するか」
みより「貯金は・・・どれどれ。 おっ、500万かー。結構貯まってたな」
みより(ここ数年は仕事ばっかりで、飲みに行くことも少なくなったしなぁ・・・ 服もオフィス用の似たようなのばっかりしか買ってない)
みより「あとは・・・? あ、そうだ、昔同僚に勧められて、NISAとかいう投資もやってたなぁ」
みより「えーっと、IDとパスワード、なんだっけー・・・・・・」
みより「嘘っ!?え、700万っ!? 倍になってる・・・!!」
みより「マジかー!サンキューS&P500!! あの時教えてくれた同僚に感謝!」
みより「保険も入ってるから、葬儀代はそこから出るっしょ! ってことは、一ヶ月200万も使える!!」
みより「あー、これでちまちま節約生活ともおさらば! 豪遊したるわ〜!!」
〇川沿いの公園
みより「よし・・・それじゃ、帰るか」
みより「まずは絶っっ対、あの男に出て行ってもらう!!」
会社辞めるまで時間かかると思いましたが、すっぱり辞めちゃいましたね。普通はしたくてもなかなかできませんが、やはり余命という決まった期限があるからでしょうか。次に何だかんだでまずはお金確認するのもリアルですごくわかる気がします。短いけど自由な時間もあり、お金もある。さて彼女は次にどんな行動を取るのか…
痛快ですね!!
この手の話は悲しい物が多いけど、こちらは痛快で楽しいので面白いです!!
斬新な視点ですね。
先日は、2話も読んで頂きありがとうございました🙇 とても感激致しました。頑張ってください!
また時間がある時に、覗かせて頂きます😄