余命半年らしいので、残りの人生好きにやらせてもらいます!

めぐる

今すぐに出ていってください!(脚本)

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〇アパートのダイニング
マサキ「えっ!?みより、今日定時?珍しいね」
マサキ「昨日体調悪くて病院行ったんだろ? 大丈夫だった?」
みより「・・・・・・なんともない」
マサキ「そっか、良かった。心配したよ」
みより「・・・マサキ、話があるの」
マサキ「うん?どうした?」
みより「今すぐに、出ていってください!」
マサキ「・・・・・・へ?」
マサキ「みより、まさかまだ、この前のこと気にしてるのか?」
マサキ「あれは、誤解だって言っただろ?」
みより「今すぐに!!出ていってください!!」
マサキ「いや、だからさ・・・」
みより「別れてください」
マサキ「なんなんだよ!唐突に!!」
みより「私はもう、私のことを大切にしてくれない人と一緒にいる時間はないの」
マサキ「はっ!? 何言ってんだよ。意味わかんねぇ」
マサキ「それに、話が一方的過ぎるだろ! 今すぐ出ていけなんて無理だろ」
みより「この部屋は私の名義だ!!」
みより「早く!1秒でも早く、出ていけ!!」
マサキ「うわっ!? おい、俺の話も聞けよ!自分勝手過ぎるだろ」
みより「・・・恋愛ってね、自分のしたことが、返ってくるんだよ」
マサキ「は?なんだよそれ」
みより「今マサキが、私のことを自分勝手だとか情がないとか思ってるなら、それはあなたが過去に私にしてきたことだよ」
マサキ「い、いや、そんなつもりは・・・」
みより「私のことを本気で心配してたら、昨日、ソファでゲームしながら寝落ちしてるなんて、ありえないよね」
マサキ「え?あー・・・それは・・・」
みより「そういうところだよ」
マサキ「みより、ちゃんと話しよう?」
みより「平気で嘘をつく人と話すことなんて、何もないよ」
マサキ「みより・・・なんでそんな、急に・・・」
みより「もう、あなたの荷物はだいたいまとめてあるから」
マサキ「嫌だよそんな、だって俺みよりのこと・・・」
みより「出ていけ!!!」
みより「もし出ていかないなら、警察に通報するからな!!」
マサキ「・・・はぁっ!? お前、頭おかしいんじゃねーの?」
マサキ「わかったよ。さっさと出ていくわ! こんな女だと思わなかった。別れて正解だわクソが!」

〇アパートのダイニング
みより(・・・・・・終わった。 何も言わずに出ていくんだ)
みより(4年かー。長かったなぁ)
みより(意外と、あっけなく終わるものなんだな)

〇歌舞伎町
  ──次の日
みより「キターーー!!!眠らない街、歌舞伎町!!」
みより「今日は人生初!ホストクラブに行ってみようと思います!!」
みより「彼氏とも別れたし、気兼ねなく行けるわぁ〜♪」

〇ホストクラブ
  いらっしゃいませーー!!
ホスト「こちらのお店は初めてですか?」
みより「あ、はい!」
ホスト「それでは、初回は2時間2000円ですね。 こちらは飲み放題です。氷や割り物は無料になってます!」
みより(えっ!?そんな安いの!? ホストって10万くらいするのかと思ってた・・・)

〇ホストクラブ
ホスト「名前は? へー、みよりちゃんっていうんだ。可愛いね!」
みより「は、はい・・・」
ホスト「普段休みの日は何してるの?」
みより「えーっと・・・」
みより(・・・え?休みって、何してたっけ? だいたい休日出勤か、溜まった家事やるか、疲れすぎて寝てるか・・・)
みより「友達と、ご飯行ったり、飲み行ったり・・・とか」
ホスト「そっかそっか。結構ここら辺で飲むの?」
みより「新宿は、あんまり来ないんですけど・・・」
ホスト「お仕事は?何してるの?」
みより「えっと、商社で・・・」
みより(もう辞めてるけど、それは言わない方が良いかな。 お金はちゃんと持ってるし、変に誤解されたら面倒だし)
ホスト「そっか、すごい良いところに勤めてるんだね。 商社って忙しそうなイメージあるなぁ」
みより(この人も大変だなぁ。 2時間2000円なんて、普通の居酒屋より安いじゃん。 そんな客相手に気遣って、機嫌うかがって・・・)

〇大衆居酒屋
みより「お酒は何を飲まれますか?」
取引先「あー、いも焼酎をロックで!」
みより「は、はいっ!!」
取引先「アンタもどうだい?」
みより(うわ、いも焼酎苦手なんだけどな・・・)
みより「はい!いただきます!!」
取引先「おー、いいねいいね!」

〇ホストクラブ
みより(ホストって、これが仕事だもんなぁ。 あー取引先との飲み会、ダルかったなぁ。興味ない人とつまらない話ばっか)
みより(この人たちも同じようにダルいんだろうなー。 そして私がコミュ障なせいで全然上手い返しもできないし、ほんと申し訳ないわ)
ホスト「あ、えーっと、みよりちゃん?大丈夫? お酒、もっと薄くした方が良いかな?」
みより「いいえ!!」
ホスト「えっ!?」
みより「むしろ、もっと濃く!お願いします!!」

〇ホストクラブ
みより「んでぇ〜、彼氏とは、つい昨日別れてぇ〜」
ホスト「マジか!じゃあ今フリーなんだね!」
みより「そーそー!もぉ〜めちゃ開放感!!」
ホスト「そんで気晴らしに来たの? 嬉しいなー。どんどん飲んで、楽しんでいってよ!」
  なんと、なんと!!
  素敵な姫様から、シャンパンタワーをいただきましたーーー!!
ホスト「ごめん、ちょっと行ってくるね」
みより「何あれ?」
  ぐいぐーい ぐいぐーい ぐいぐいよしこい
  ぐいぐーい ぐいぐーい ぐいぐいよしこい
みより「すごーい!あれ、私もやりたい! いくらするの?」
ホスト「えっ、初回で!? 一番安いので50万だけど・・・」
みより「50万!?」
みより「ぜーんぜん!平気!!」
ホスト「えぇぇぇ!!??」

〇ホストクラブ
  ぐいぐーい ぐいぐーい ぐいぐいよしこい
  ぐいぐーい ぐいぐーい ぐいぐいよしこい
  それでは、姫から一言!
みより「・・・・・・え?」
みより「えーっと? きょ、今日の出会いに、カンパーイ??」

〇ホストクラブ
ホスト「みよりちゃん、今日は素敵な思い出になったよ。ありがとう」
ホスト「よかったらLINE交換しない?」
ホスト「初めまして!ここいいっすか? 俺、凛華景っていいます!」
ホスト「次、お話させてもらって良いですか?」
みより(ひいぃぃぃ〜〜〜!! なんか集まってきたぁぁぁ!!)

〇歌舞伎町
みより(すごい空間だった・・・)
みより「なんか、疲れたな」
  みよりちゃん、今日は本当にありがとうね!
  今度、今日のお礼をしたいんだけど、空いてる日あるかな?
  今日はお話できて楽しかったです!
  よかったらこの後二人で飲み直さない?店終わった後暇なんで!!
  みよりちゃん、すごく可愛くて話も楽しかったよ!
  次はいつ来てくれかな?早く会いたいよ!
みより「か、感じる・・・!! 金と欲望のニオイが・・・!!」

〇黒背景
ホスト「みよりちゃん、可愛いね!」
マサキ「みより、本当に可愛い」
ホスト「みよりちゃん、素敵な思い出をありがとう」
マサキ「みより、ご飯作ってくれてありがとう!」

〇歌舞伎町
みより「・・・言葉って、いったい何が真実なんだろう?」
みより「あぁーもう!! 全部ブロックしちゃえ!!」

次のエピソード:高級ワインをいただきます!

コメント

  • 前回同様本当に気持ちいいくらいスパッといきますね。彼氏にも全く未練を残さず。ただ初ホストはどうもしっこりこなかった(?)ようですね。
    明るく振る舞っている彼女ですが、そのセリフにはなかなか深いものがあります。最後のセリフもそうでしたね。

  • 取材されているなと思うほど、セリフにリアリティがあって良かったです!!
    ホストクラブも初回は、激安らしいですねww
    恋愛は自分のしたことが帰ってくるって、いうのは名言ですね!!
    リアリティ大事だなと感じ入りました🤔

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