28/エルム・ナキュ⑦ブレインフォグ(脚本)
〇海辺
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「── おい、おっさん その"腰ベルトに付けてるワラ人形"は どこで手に入れた?」
禁煙中の兵士「ですよねっ?! コレ、エルム・ナキュ先生が持っていた ワラ人形ですよね?!」
オージュ・ウォゲ「それは、渡航するアイツに私が 餞別としてくれてやったものだ!」
禁煙中の兵士「この気味悪いの、オージュさんから だったんすか?!」
謎の男「‥‥‥‥‥‥ぅ」
禁煙中の兵士「ダメだ、やっぱコイツ‥‥‥ スムーズに喋ってくれねぇや」
禁煙中の兵士「‥‥‥場所を移動して、そこで コイツの事 説明させてくれません?」
オージュ・ウォゲ「そうだな‥‥‥ 君らは帰ってきたばかりだしな」
オージュ・ウォゲ「カフェにでも行くか‥‥‥」
※おっさんを引っ張っていく禁煙くん
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥」
※遠方、人混みの中に
旦那を探す担当編集ちゃんがいる
オージュ・ウォゲ((状況を把握したら、説明しに いってやるよ))
街の娘「エルム・ナキュ先生、いないなぁ‥‥‥ 見つけそこねたのかなぁ‥‥‥」
街の娘「サイン、ほしかった‥‥‥」
モブ君「早く『セイ・ベル』の 「ノキース/ミーナのヒロイン戦争」の 結末を書いてほしいもんだよなぁ‥‥‥」
「‥‥‥で、サインほしかった‥‥‥」
〇店の入口
〇レトロ喫茶
禁煙中の兵士「肉に、肉‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「── で? 何なんだ、ソイツは」
禁煙中の兵士「実はアッチに行って割とすぐ、先生が 単独で魔物討伐に行っちまいまして」
オージュ・ウォゲ「お前らが、よほど邪魔だったんだろうな」
〇牛丼屋の店内
禁煙くん「‥‥‥で、先生が行っちまってから 2年ほどっスかねぇ‥‥‥」
禁煙中兵士「‥‥‥‥」
禁煙中兵士「‥‥‥魔物の死骸ばかり、見つかるなぁ‥‥‥」
マッチョ兵士「あれ、全部エルム・ナキュの通った後 なんだよな‥‥‥」
マッチョ兵士「俺ら、すっかりガレキ除去や 大工仕事ばかりの集団になっちまってる‥‥‥」
禁煙中兵士「今頃‥‥‥どこで何してんだろうなぁ、先生」
???「〜〜〜‥‥‥」
禁煙中兵士「ん?」
マッチョ兵士「何か、あのデカイ背中のおっさん‥‥‥ 独り言ボヤいてねぇ?」
???「〜〜‥‥‥‥〜〜‥‥‥‥〜‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥〜〜‥」
禁煙中兵士「えぇ‥‥‥? やべぇな」
禁煙中兵士「‥‥‥‥んん?」
禁煙中兵士「あ!!!!」
謎の男「〜‥‥‥‥〜〜‥‥‥」
禁煙中兵士「おい、おっさん!」
謎の男「!」
禁煙中兵士「そのワラ人形、オレの知り合いが 持ってたものじゃ?!」
謎の男「ぁ」
※禁煙兵士はワラ人形を奪った!
禁煙中兵士「お前、どこでコレを手に入れたっ!」
謎の男「‥‥‥‥‥」
謎の男「‥‥‥‥うぉ‥‥‥え‥‥‥」
禁煙中兵士「えぇ? なんだよ、アホなの?」
謎の男「かえ‥‥シ、‥‥‥」
禁煙中兵士「いったぁ?!?!!」
禁煙くん号泣「ヒドイ!!!! ノーモーションで 顔面ブン殴るなんて!!!!!」
マッチョ兵士「なぁ‥‥‥」
マッチョ兵士「もしかしたら、エルム・ナキュが 落としたあのワラ人形を 拾っただけとか‥‥‥?」
禁煙中兵士「‥‥‥そうなのかなぁ」
禁煙中兵士「‥‥‥‥‥‥」
禁煙中兵士「おい!」
禁煙中兵士「お前は、行方不明な先生の重要な “足取り”なのかもしれないっ!」
禁煙中兵士「見たところ、きったねぇ旅人で 行くところもないだろ?」
禁煙中兵士「だから、一緒に来てもら‥‥‥‥」
禁煙中兵士「おい!!!」
〇飲み屋街
禁煙中兵士「えっ、えぇ‥‥‥?!」
禁煙中兵士((行動が早いなぁ‥‥‥))
禁煙中兵士((まるで、先生のような‥‥‥))
禁煙中兵士「お前、エルム・ナキュの弟子とか そんなんかっ?!」
謎の男「?」
禁煙中兵士「先生と動きが似てるっ! お前、絶対 先生と面識あるだろっ!」
禁煙中兵士「一緒に来てもらうぞっ!」
〇レトロ喫茶
禁煙中の兵士「── と、いうわけで話を聞くために 何やかんやで行動を共にしまして」
禁煙中の兵士「でもコイツ、バカすぎて何も情報 聞き出せなくてっ!!!」
オージュ・ウォゲ「うーん‥‥‥困ったな」
店員さん「あぁあ💦 すみません! お客様! 驚かせてしまい、大変申し訳ございません!」
禁煙中の兵士「っあ〜〜‥‥‥ 皿ァ割るなよなぁ、ったく」
禁煙中の兵士「おっさん?」
店員さん「‥‥‥あっ、いえ、そんな、お客様‥‥‥💦 破片を素手でお拾いにならないで下さ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「あら、イイ子」
店員さん「すみません、ありがとうございます‥‥‥💦」
禁煙中の兵士「めっちゃ、指 切ってきてる!!!」
禁煙中の兵士「ほら、そのキモいワラ人形で とっとと治療せぇや」
オージュ・ウォゲ「えっ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「な゙っ‥‥‥!」
禁煙中の兵士「呪具に回復機能つけるって、 マジでオージュさん悪趣味っすよねぇ」
オージュ・ウォゲ「そのワラ人形は 【人形に髪を練りこまれた者】しか 扱えないものなのだが‥‥‥?!」
オージュ・ウォゲ「だから、エルムうんこにしか ソイツの回復機能を使えない‥‥‥!」
禁煙中の兵士「えっ‥‥‥‥ 髪を練りこんでるって何っ、キモっ‥‥‥」
禁煙中の兵士「‥‥‥‥‥‥」
禁煙中の兵士「道中、そのキモい人形でずっと 自分の回復してましたよ。おっさん‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「おい! お前、エルム・ナキュなのか?!」
※胸ぐらを掴まれる、おっさん
謎の男「‥‥‥‥//////」
オージュ・ウォゲ「顔を赤らめるなっ!!」
オージュ・ウォゲ「はぅあっ‥‥‥‥!」
禁煙中の兵士「ど、どうしたんスか、オージュさん‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「この小ボケや私のツッコミの感じ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「すごぉくデジャヴを感じる‥‥‥!」
オージュ・ウォゲ「間違いない‥‥‥! ワケわからんが、とにかく‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「このおっさんは、エルムうんこだ‥‥‥!」
禁煙中の兵士「どこで確信を得てるんスか?!」
禁煙中の兵士「そ、そんな‥‥‥」
禁煙中の兵士「先生は、何でこんな アホゴリラおっさんに‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥」
〇お化け屋敷
〇田舎の病院の病室
幼少オージュ「貴様ぁ!! 肋骨が折れてるのに どこへ行ってたぁ!!!」
幼少ナキュ「え〜? 今日は『火竜の共食い』2巻の発売日だよ?」
幼少ナキュ「本屋行かずにどうするの?」
※オージュはナキュの胸ぐらを掴んだ!
幼少オージュ「‥‥‥」
幼少オージュ「それくらい、私に頼めばいいじゃ‥‥‥」
幼少ナキュ「ヤダァ、顔近い‥‥‥ そんな見つめないでよぉ〜」
幼少オージュ「顔を赤らめるなっ!!!💢」
幼少ナキュ「にゃあ!!!!」
幼少オージュ「本屋なんて行ってるところを見られたら、 まぁた 体育会系の親父さんに 骨を折られるぞ」
床でウゴウゴする幼少ナキュ「うぇえん‥‥‥ 筋トレしたくない木刀も持ちたくない 組み手もしたくないぃい‥‥‥」
〇お化け屋敷
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「私の家、覚えてるか?」
オージュ・ウォゲ「お前、親父さんに怒鳴られた後は よく私の家に逃げこんで隠れてたじゃないか」
謎の男「ぅ‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
禁煙中の兵士「あのぉ‥‥‥回想内の子供オージュさん かわいすぎませんか?!」
オージュ・ウォゲ「フフ‥‥‥かわいかろう‥‥‥(ドヤァア)」
〇宝石店
オージュ・ウォゲ「── どうだ。 お前が魔物ズバズバ斬ってる間に 発売されたオススメ小説の数々だぞ」
謎の男「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「お前が続刊を楽しみにしていた"とある本"! オチが最悪だったぞ! どーれだっ!」
謎の男「‥‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「ところで私、ホラー作家として デビュー致しました」
謎の男「‥‥‥‥‥‥」
※とりあえず、拍手された!
オージュ・ウォゲ「── どうも」
謎の男「!」
オージュ・ウォゲ「あぁ、そこの本棚は」
オージュ・ウォゲ「エルム・ナキュ、お前が書いた本が 並んでるんだぜ」
※おっさんは、本を手にとった!
謎のおっさん「‥‥‥‥‥‥‥」
謎のおっさん「‥‥‥‥なつか、し‥‥‥」
禁煙中の兵士「お、反応アリ?!」
謎の男「‥‥‥‥‥‥」
謎の男「なつかしぃ、気がする‥‥‥けど 何が書いテあるのか‥‥‥よくわかラない」
謎の男「きょうみも わかない」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「何で、そんな面白い事になったんだよ」
謎の男「‥‥‥‥‥‥」
謎の男「‥‥‥どしたら、もっとヒト 且力 けられ‥‥‥ かなって筋卜レがんばったぃ‥‥‥」
謎の男「ずっと、ウゴ きマワって たら‥‥‥」
謎の男「‥‥‥‥」
〇鍛冶屋
自然に浮かんできていたはずの
空想物語の数々は脳から湧き出てこなくなり、
気が付いたら、本も手放していて
ペンも紙も手放していて。
自身が書いてきたキャラの人生も名前も忘れた。
文字通り、私の”かけがえのないもの”は
【忙殺】されてしまった。
〇お化け屋敷
禁煙中兵士君「‥‥‥え。 じゃあ『セイ・ベル』は未完に‥‥‥?!」
禁煙兵士君「主人公はミーナとノキース、 どっちとくっつくはずだったんすか‥‥‥?!」
エルム・ナキュ「さぁ‥‥‥?」
禁煙兵士君「俺、ダチと『どっちとくっつくか』 賭けてるんですけど?!」
オージュ・ウォゲ「ピューブリカ社で新しく開始するはずだった メルヘンファンタジーもオジャンか」
オージュ・ウォゲ「覚えてるか?」
エルム・ナキュ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「馬鹿だなぁ」
オージュ・ウォゲ「本当に馬鹿だなぁ」
オージュ・ウォゲ「1番大切なモン失くしてきやがって」
オージュ・ウォゲ「この‥‥‥タコが」
〇宝石店
エルム・ナキュ「俺、たしか‥‥‥ヒトといっしょに しょうせつ かいてなか、た?」
オージュ・ウォゲ「ピューブリカ社の担当編集と、だよ」
オージュ・ウォゲ「お前の嫁だよ、ヨメ」
エルム・ナキュ「ヨメ?! 俺に?!」
エルム・ナキュ「マ、マジか‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「それは、こっちの台詞だぞ‥‥‥」
〇西洋の城
〇謁見の間
オージュ・ウォゲ「── と、いうわけで」
オージュ・ウォゲ「エルム・ナキュは、討伐の激務から 『ブレインフォグ』を発症しております」
オージュ・ウォゲ「人気小説家である彼は、もう小説を 書けない‥‥‥かもしれません」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「そんなになるまで、よくぞ隣国の為に 働いてくれた」
オウシ・ヤマ王「おかげで恩が売れて、こちらにとても 有利な条件で交易の取引が‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「小説を書かないのなら、ではもう “ペンネーム”で呼ぶ必要がないのでは?」
オウシ・ヤマ王「懇願されたから付き合ってやっていたが、 本当に馬鹿馬鹿しい‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「なぁ? 『エルム・ナキュ』こと‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「『キン・ユルシャ』よ」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥‥」
キン・ユルシャ「あぁ‥‥‥ そういやぁ、本名‥‥‥ソレだぁ‥‥‥」
禁煙中の兵士「えっ、何?! ”ペンネーム”?!?!」
キン・ユルシャ「え? そうだよ?」
禁煙中の兵士「っていうか、先生‥‥‥! ユルシャの家の人だったんすか?!」
キン・ユルシャ「え? そうだよ?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュさんの「馬鹿だなぁ…」が泣ける…
この人のナキュ先生への愛、重すぎな位重いですよね🤤✨(←顔文字間違えました!こっちだ😭)
幼少期のオージュさんもとっても可愛いけどナキュ先生が子供時代から顔変わってない感じの違和感無しも最高でした👍💕
しかしまさかキンさんがイコールだったとは…!!
幼少期のオージュさん、かわいい🥰
そんなオージュさんが丹精込めて作った藁人形がキモいキモいと連呼されていておもしろ…もとい、不憫ですね😆
そして、次回のタイトルがなんとも不穏な感じで…続きも楽しみにしています👍
そこの二人も幼馴染みでしかも幼少期可愛かったんですねなんてときめいていたら、その立ち絵、え、親父殿ーーーー!!??昔はギン君と同じように小説家書いてたんだろうなとは思ってたんですが、そういうビフォーアフター…!?( ; ゚Д゚)