Xヒーロー

語り部

第46話 五本指(フィンガーズ)(脚本)

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〇ナイトクラブ
  2021年 イリノイ州 デュページ郡 ネイパービル 氷壁に覆われた街 ナイトクラブ内
ゲライント「皆ー?早く準備しないとボスがへそ曲げちゃうから急いでねー?」
エル・シッド「皆お疲れさん!休憩所に珈琲置いといたから準備がすんだら飲んどけよー」
ゲライント「シャルちゃん『マリちゃん』と『ライちゃん』は来てる?ボスの命令でフィンガーズ全員集合しろって言われてるのよ」
シャルル「マリすぐ、ライまだ」
ゲライント「んもう···ライちゃんはどれ位で来るかしら?」
シャルル「1時間」
ゲライント「それまでは私達も待機ね···あ、マリちゃーん!こっちよー!」
  扉を開け入ってきた女性は旗槍を持っており、旗には『4代目Xヒーローのギルドマーク』が記されていた
  女性は不機嫌な表情をしながら、ゲライント達に近づき話始める
マリア・イアハート「相変わらず薄汚い場所だな。今になって慌てて準備なぞ···前もって準備くらいさせておけエル・シッド」
エル・シッド「うるせえバーカ!相変わらずネチネチうぜぇなお前はよ」
マリア・イアハート「うるさくて結構。お前には乙女としてのお淑やかさをいい加減身につけてもらわねばならん」
マリア・イアハート「少しはゲライントを見習ったらどうだ?下品な所もあるが乙女としての淑やかさと艶やかさを兼ね備えた良き乙女だ」
エル・シッド「知るか!てめぇの趣味に合わせる気なんざねーんだよ!」
マリア・イアハート「全く···もしお前が『頼様』がご存命の時同じ組織居たら是が非でも更正していた所だ」
マリア・イアハート「まぁそもそも頼様の美しさときたら、まるで雪景色に咲く一輪の椿。あの異次元の美しさに気づけない男共と来たら···」
エル・シッド「まーた始まったよ··· ··· ···今日逃げ場ねえのホントめんどくせえ···もう何万回ぐらい聞いてるぞこれ」
シャルル「える過誤。訂正93」
エル・シッド「93回も同じ事喋ってるのも異常だけどな···今日だけで100回行くんじゃねえか?」
シャルル「可能性大。逃走不可」
エル・シッド「ゲライントー···サッサとボスの客人達連れてこようぜー···道連れは多い方がいいって」
ゲライント「ダメよ、ボスが到着してから案内するように命令されてるの。悪いけど我慢して聞きましょう?」
エル・シッド「うわぁ··· ··· ···『ライオネル』のヤツにぜってー奢らせてやる···!」

〇ダブルベッドの部屋
  同時刻 ホテルの一室
斎王幽羅「で、遅れてきたと。まぁ気持ちはわからないでもないけど・・・」
鸞「す、すまない・・・つい興が乗ってしまってな・・・」
フェード「代わりにと言ってはなんだが、ちゃんと写真は撮って現像してきたぞ」
フェード「残念ながら急いできた来たから、一人分しか現像してきてないがな」
斎王幽羅「まぁそれは後で見るとして・・・ひとまず皆の情報を整理しよう。まずイリノイ州には革命軍『名残り雪』という組織が統率していて」
斎王幽羅「その組織の五人の幹部『フィンガーズ』がそこからまた組織化。各組織は『協力状態』で」
斎王幽羅「そのうち名前がわかっているのが『コンキスタドール建設』と『ロックフォード商業組合』」
斎王幽羅「そしてその組織のリーダーがゲライントさんとエル・シッドさん、その他の組織は名前とリーダーも不明・・・こんな所?」
エンチャント魔導法士「だな。まぁ街の地図も簡易的ではあるが教会で書いてもらったし、迷うことは無いだろう」
エンチャント魔導法士「今後はどうする?革命軍名残り雪に協力しながら、アナザーと呼ばれるクローン喧嘩王を探すか?」
斎王幽羅「そうだね、でも···どうしよう?まだなんの情報もないし、フィンガーズのどの組織に協力すればいいのかな···?」
エンチャント魔導法士「それは追々考えよう。今日その革命軍名残り雪のボスと対峙できるらしいしな」
斎王幽羅「うん。俺と凪園が来た時、シャルルさんに『今日、ゲライントさんが迎えに来る』って書いてある紙を渡されたんだ」
斎王幽羅「ナイトクラブにはフィンガーズとボスっていう人も来るって言ってたから」
斎王幽羅「今後の行動はそれから考えてもいいかもね」
キング「まぁそれでいいかもな。それじゃあ!お待ちかねの鸞とフェードのウェディングドレス姿お披露目と行こうぜー!」
エンチャント魔導法士「いよっ、待ってました!ヒューッ!」
斎王幽羅「もう茶化しちゃダメだよ二人共。じゃあ改めて写真見せてもらうよ」
  鸞とフェードは少し顔を赤らめながら、四人に写真を見せる。その姿に皆が衝撃を受けた
斎王幽羅「やばっ、二人ともすごく綺麗だよ!まるで花みたい・・・」
キング「フェードはともかく、鸞がこんなに綺麗だとは気付かなかったな・・・すげぇなお前」
凪園無頼「でもー?ひょっとしたら俺らの中で未来の花婿がいたりしてー?」
鸞「多分俺とフェードは同じ意見だと思うが・・・斎王達は誰が花婿になると思う?」
キング「そりゃあ俺だろ!こんなに頼りになる男いねえぞ~?ケンカだって負けた試しねェしな!」
凪園無頼「それなら俺もケンカ負けた事ねーよ?それに、俺一時期シノギ(お仕事)でホストやってたし」
凪園無頼「鸞とフェードが辛い時とかかけて欲しい言葉かけてあげらっし~?」
エンチャント魔導法士「上っ面の言葉だけじゃダメ、大事なのは相手を想う事。ワシはキングと凪園よりその辺心得ているぞ?」
キング「おい、若返んな!じいさんは俺側だろうが!」
エンチャント魔導法士「残念だったなキング!三代目の世代で鸞の父親の次にイケメンなワシに死角なーし!」
鸞「ツラは良くても性格が終わってるから意味ないがな。そういう意味ではエンチャントはなしだな」
フェード「異議なし。全くもって論外だ」
鸞「キングは頼りになるし力もあるからいいが、散財癖があるから嫌だな」
鸞「凪園は単純にDVしそうで嫌だ。しないとしてもキレやすいから結婚まではいかないな。という事で消去法で・・・」
「この中なら斎王以外に花婿候補はいない」
斎王幽羅「え、あ···う、うん···ありがとう2人とも。気持ちだけ受け取っておくね?」
凪園無頼「まぁ斎王なら納得じゃね?俺らが女なら斎王一択だしー?」
キング「キャー斎王さんステキー(無理して出してる声)ってか?」
エンチャント魔導法士「違う違う、見てろキング」
エンチャント魔導法士「キャー斎王さんステキー!(老人が無理してだしてる高い声)」
キング「うわ···声が汚いカラスみたいだな···」
鸞「カラスのほうがまだ可愛いぞ?こいつのはただ声が汚いだけだろ」
エンチャント魔導法士「おい、ワシだって可愛いだろ!とびきり可愛い笑顔見せてやろうか!?」
鸞「いらん、興味無い」
  こうして斎王達はゲライントからの招待が来るまで、和やかな時間を過ごしていた

〇空港のエントランス(人物なし)
  数時間後 日本 東京都 羽田空港
趙「先程総帥から連絡があった。アメリカにある紅色派の拠点拡充を最優先事項に切り替えろとの事だ」
紅色派の中国人「斎王一派を追わなくていいのですか・・・?それに裏切り者のミン達もどこにいるのやら・・・」
ロン「ミン達はもう手が出せん。『福岡』に向かったという報告を最後に紅色派の定期連絡が途絶えた」
ロン「福岡には氷帝の『実家』がある。斎王家や雪月家と違ってあそこには鬼月家の『私兵団』がいる」
ロン「異種族を束ねた軍で、幹部メンバーは全員『四代目Xヒーロー』の主要メンバーだ」
ロン「定期連絡のやつも消されたとみていいだろう。俺達はさっさとアメリカに行くぞ」
趙「その前にちょっといいか?ロンさん。聞きたいことがあるんだが・・・」
趙「なんで大阪で斎王一派を仕留められなかった?あの時山ほど兵隊連れてったくせに全員死んだって聞いたぞ?」
ロン「なんだ?不思議か?お前も神奈川で二回も接触してるくせに仕留められず、しかも総帥からの処罰もなし」
ロン「俺が裏切り者って言いたんだろうが、俺からしたらお前が裏切り者に見える動きしてるぞ?」
趙「・・・厚木飛行場に向かう際、ロシア聖教が俺達を攻撃し始めた。行き先なんて伝えてもいないのにだ」
趙「紅色派内部にロシア正教を手引きした裏切り者がいると考えたほうが自然だ。そうだろ?ロンさん」
ロン「そうだな、じゃあ運命の風を使ってお前の望む『未来』に因果律をねじ曲げればいいだろ?」
ロン「それがお前の望みだろ?ほら、やれよ趙」
趙「・・・ ・・・ ・・・望むならいつでもやってやりますよ、ロンさん。今はひとまず、アメリカに行きましょう」
ロン「それが賢明だ、ちょうど飛行機も来たしな。行くぞ」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第47話 氷の覚醒者

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