14 決着(脚本)
〇屋上のヘリポート
桐ヶ谷聡太「プロフェッサー!ロボットがメインコンピューターから開放される時間は!?」
マリア・シモンズ「できて後10分ね。それさえできれば、後はロボット達が勝手にやってくれるわ!」
桐ヶ谷聡太「メインコンピューターを防衛してるロボットの方は?」
〇研究所の中枢
ロボット「・・・・・・」
久保直樹「くそ!こいつら幾らでも沸いて来ますよ!!」
影山純也「諦めるなよ!ここで俺達が負けたらもう誰もやっちゃくれねぇ!!」
久保直樹「分かってますよ!!」
影山純也「おい!シャッターはまだ開かないのか!?」
兵士「後もう少しです!!」
影山純也「間に合ってくれよ・・・!!」
影山純也「ん?誰からの通信だ?」
通信機「神崎です!影山さん!聞こえますか!?」
影山純也「おう、どうした神崎?」
通信機「良く聞いて下さい。後5分程でロボットはメインコンピューターからの支配から開放されます!」
影山純也「な!それマジか!?」
通信機「間違いありません!こちらからもメインコンピューターへの侵入を試みてますがとても間に合いません!確実なのは」
通信機「メインコンピューターを直接破壊する事です!ロボットが開放されたら私達の負けです!!」
影山純也「なるほど・・・これは確かに泣ける話だぜ・・・」
兵士「影山さん!シャッターの溶断が終わりました!」
影山純也「おぉ良くやった!後は俺に任せて、お前らは下がれ!!」
兵士「はい!!」
影山純也「これで最後になってくれよ・・・」
〇屋上のヘリポート
影山さんがメインコンピューターを破壊する時間から少し前の時間帯。兄さんとプロフェッサーはヘリで逃走する準備をしていた。
マリア・シモンズ「聡太君!もう直ぐヘリを出せるわ!」
桐ヶ谷聡太「分かりました!俺も準備します!」
桐ヶ谷誠「兄さん!!」
桐ヶ谷聡太「誠!?ロボットに殺されてたんじゃ・・・!?」
中島蒼「自分の弟をそんな風に思う兄がいますか!?何で心配の一つもできないんですか!?」
桐ヶ谷聡太「何故って・・・無駄な事だからだよ!言っただろ?優しい奴に限って、ズルい奴らに切り捨てられるって!」
桐ヶ谷誠「そんな風に言うなよ!そんな風に言ったら、俺達が生まれて来た事、やって来た事全部無駄だって言ってるもんだろ!?」
桐ヶ谷聡太「実際全部無駄だったよ!そもそも人類がここまで進化しなければ、今日まで起きた無駄な事、何一つ起きずに済んだんだ!!」
桐ヶ谷誠「兄さん・・・」
中島蒼「あなたと言う人は!そこまで堕ちるだなんて・・・!!」
ロボット「ターゲット及ビ防衛対象ノ存在ヲ確認。任務ヲ続行スル・・・」
桐ヶ谷誠「あぁ!もう追い付いて来た!!」
桐ヶ谷聡太「ははは!言っただろ!何もかもが無駄なんだって!プロフェッサー!」
マリア・シモンズ「聡太君?」
桐ヶ谷聡太「プロフェッサー!ここは俺に任せて逃げて下さい!」
マリア・シモンズ「な、何を言っているの!?一緒に人類を滅亡させるんじゃ無かったの!?」
桐ヶ谷聡太「確かにその光景は俺も見たいです。ですが、万が一の事が起きても、プロフェッサーがいてくれれば何度でもやり直せます!」
桐ヶ谷聡太「俺の命はそもそもついでです!こいつらは俺が何とかしますから、プロフェッサーは早く逃げて!!」
マリア・シモンズ「・・・分かったわ・・・一度決めた事だし、絶対にやり遂げて見せるわ!!」
桐ヶ谷聡太「さて、後はロボットで誠に止めを・・・」
ロボット「ターゲット、ロックオン・・・」
ロボット「攻撃カイ、カイ・・・カイ・・・シ・・・・・・ザ、ザザザザザザ!!!」
桐ヶ谷聡太「お、おい!どうしたんだ!?」
ロボット「・・・・・・」
桐ヶ谷聡太「おい!どうした!?何で動かないんだ!?」
中島蒼「誠!これって!!」
桐ヶ谷誠「あぁ!もしかしたら!!」
桐ヶ谷誠「はい!桐ヶ谷です!」
通信機「おうお前ら聞こえるか!?影山だ!たった今メインコンピューターを破壊した!!」
中島蒼「やっぱり!!」
通信機「ロボット達も動きを止めて何もして来なくなった!神崎が今世界のあちこちに連絡を入れてる!俺達も直ぐ合流するから!」
通信機「黒幕の連中を殺さずに取り押さえてくれ!!」
桐ヶ谷誠「・・・!分かりました!!」
桐ヶ谷聡太「こ、こんなふざけた話があるか!!後もう少しでロボットが開放される所だったのに!!」
桐ヶ谷誠「ここまでだよ兄さん。もう観念して俺達と一緒に日本へ帰ろう。罪を償って、また一緒にやり直そう!」
桐ヶ谷聡太「なんで・・・なんでお前はまた!同じ事を繰り返そうとするんだ!!」
桐ヶ谷誠「兄さんもとっくに知ってるだろ?兄さんにも夢がある様に、俺にだって夢がある・・・確かに同じ過ちは繰り返すけど、」
桐ヶ谷誠「そこから変わって行く事も、立派な人間だよ・・・」
桐ヶ谷聡太「くそ!くそ〜!!!」
マリア・シモンズ「メインコンピューターがやられて、ロボットが機能を停止したですって・・・!?」
マリア・シモンズ「こんな事で諦めてられないわ!私も早く逃げないと!!」
中島蒼「プロフェッサーさん、操縦桿から手を離して下さい・・・」
マリア・シモンズ「は!?」
中島蒼「あなたの身柄はあたし達が拘束します。あなたとて、命は惜しいでしょ?」
マリア・シモンズ「くぅ!!」
中島蒼「そのまま両手を頭の後ろへ移動して、ヘリから降りて下さい・・・」
マリア・シモンズ「・・・覚えてなさい・・・私達を捕まえた所で、あなた達はまた無益な争いや過ちを繰り返す・・・やがていつか、私達を」
マリア・シモンズ「こうした事、後悔するわよ!」
中島蒼「分かりました・・・ならあなた達も見てて下さい。あたし達が、これから変わって行く所を・・・」
確して、一連のロボット災害は俺達の勝利で幕を閉じた。兄さんとプロフェッサーを拘束した後、影山さん達と合流して、
俺達は日本へと帰還するのだった。