エピソード35 「冬の思い出作り!」前編(脚本)
〇バスの中
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うぅ~、しゃっこい・・・」
北原 そら(きたはら そら)「今日は、気温が氷点下だとか」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それなのに、そらはその肩出しコートは変えないんだ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「新しいのを買っていないもので」
東条 風(とうじょう ふう)「園、宿題手伝ってくれて本当にありがとう。園の力無しだったら間に合わなかった・・・」
西條 園(さいじょう その)「全然、気にしてないよ。それに、最後は風だって自分の力でやってたじゃん」
西條 園(さいじょう その)「それに、今日は宿題とか忘れて温泉旅行、楽しもうよ!」
東条 風(とうじょう ふう)「う、うん、だね!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そら、誘ってくれてありがと! 温泉旅行なんて、ナイス提案!」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、私も現実を見たくなくてな・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、これが終わっちゃったら、また学校か~。寂しいな~」
北原 そら(きたはら そら)「今、そのことは考えないようにしようぜ」
北原 そら(きたはら そら)「目の前を見てみろ」
西條 園(さいじょう その)「風、この辺りって温泉だけじゃなくて足湯もあるんだって~」
東条 風(とうじょう ふう)「いいね! 温泉入る前に足湯入ろっか! あと、サウナとかあったらいいな~!」
西條 園(さいじょう その)「サウナ、入ったことないんだよね。なんか、ドキドキするなぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、じゃあ私が教えてあげる! 私、何度か入ったことあるから!」
西條 園(さいじょう その)「本当に? ありがとう!」
北原 そら(きたはら そら)「こやつらじゃないが、余計な事は考えずに旅行を楽しもうじゃないか」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ごめんごめん、それもそうだね」
北原 そら(きたはら そら)「それに、宿題のことは忘れたいのだ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、まだ終わってないの? 大丈夫・・・?」
〇温泉街
西條 園(さいじょう その)「着いた~!」
東条 風(とうじょう ふう)「久々に来たけど、風情ある場所だよねぇ」
東条 風(とうじょう ふう)「なんか、見てるだけでワクワクする!!」
北原 そら(きたはら そら)「無料で入れる足湯だけ巡って、帰るか」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え、温泉入らなくていいの? 私達は入っていくけど~」
北原 そら(きたはら そら)「・・・私も、入りたいっす」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うむ、よろしい」
北原 そら(きたはら そら)「さて、足湯に向かおうか。足湯の場所は全て熟知している、無料だしなぁ!」
北原 そら(きたはら そら)「者共、我に続けぇぃいっ!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「皆の者、そらに続けぇっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「いざ、参ろうかっ!!」
西條 園(さいじょう その)(え、何のノリ・・・?)
〇足湯
南沢 香(みなみさわ かおり) 「気持ちいい~!」
東条 風(とうじょう ふう)「沁みるぅ・・・」
西條 園(さいじょう その)「足湯、いいねぇ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「そうじゃろう、そうじゃろう・・・」
北原 そら(きたはら そら)「しかも、これが無料っ!!」
北原 そら(きたはら そら)「二倍沁みるというものだ・・・」
西條 園(さいじょう その)「なんか、そう言われると気持ち良さ半減なんだけどぉ~」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「足湯って不思議だよね、足しか温めてないのに、全部がポカポカしてきちゃって」
東条 風(とうじょう ふう)「ね、なんか不思議だよね」
北原 そら(きたはら そら)「園、なんでだ?」
西條 園(さいじょう その)「え? 末端で冷えやすい足の血液を温めることによって、体中の血流が良くなるからじゃない?」
北原 そら(きたはら そら)「いや、そんなガチガチに答えられても、反応に困るぜぃ」
西條 園(さいじょう その)「ひどっ! 人に言わせておいてっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あれ、風、あそこに甘酒売ってない?」
東条 風(とうじょう ふう)「本当だね」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「せっかくだし、みんなで飲みながら入らない?」
東条 風(とうじょう ふう)「いいねっ! じゃあ私、買ってくる!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、私も行くよ」
西條 園(さいじょう その)「風、香ちゃん、ありがとう! 後で、お金払うね!」
北原 そら(きたはら そら)「私は、買わないで園から一口貰うか」
西條 園(さいじょう その)「なんかそら、いつにも増してケチくない?」
北原 そら(きたはら そら)「お正月、ゲームを買ってしまってな・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「わかった、三本ね!」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ買ってくる!」
西條 園(さいじょう その)「なんか、二人に行かせちゃって悪かったかなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「悪いなぁ、申し訳ないなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「あー、気持ちいい」
西條 園(さいじょう その)「本当に思ってる・・・?」
〇温泉街
東条 風(とうじょう ふう)「ねぇ、香、相談なんだけどぉ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「なに、どうかした?」
東条 風(とうじょう ふう)「園とのお風呂、緊張する・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あぁ、なんだそんなこと」
東条 風(とうじょう ふう)「そんなことって! だって、園の裸体を目の当たりにするんだよっ!? めちゃくちゃ緊張するじゃんっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まぁ女子同士だし、気にしなくていいんじゃない?」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、園の裸体を写真に撮っても良いってことっ!?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「絶対ダメでしょ、嫌われるよ・・・?」
東条 風(とうじょう ふう)「嫌われるのは嫌だけど、本能が言うこと聞いてくれるかなぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「もし、私が変な気を起こしそうになったら、絶対に止めてね・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「安心して! その時はぶん殴って気絶させて、温泉に沈めるからっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「思った以上にバイオレンスっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まぁ、意外と普通な感じになると思うよ? 今までもそうだったでしょ?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それに、もっと仲良くなったら二人きりでお風呂に入るってこともあるんじゃない?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「練習、練習!」
東条 風(とうじょう ふう)「えっ・・・///」
東条 風(とうじょう ふう)「って、からかうのやめてっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、すいませーん。甘酒を三つ、お願いしまーす」
東条 風(とうじょう ふう)「ねぇ、香、聞いてるっ!?」
温かい眼差しを向ける店員さん「はい、三つね。ありがとうね~」
温かい眼差しを向ける店員さん(可愛い子達ねぇ・・・)
〇足湯
西條 園(さいじょう その)「気持ち良いねぇ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「体中に血液が巡るのを感じる・・・」
西條 園(さいじょう その)「それに、この後はみんなと、風と温泉かぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「風と、温泉かぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「なーに妄想してる」
西條 園(さいじょう その)「いや、違うよっ!? 別に、妄想・・・」
西條 園(さいじょう その)「違わなくていいか~」
西條 園(さいじょう その)「風の引き締まった体を眺めて~」
西條 園(さいじょう その)「眺められて照れている風の顔を見て~」
西條 園(さいじょう その)「ちょっかいをかけたら赤くなっちゃって~」
西條 園(さいじょう その)「その一部始終を動画撮影する~」
北原 そら(きたはら そら)「犯罪だぞ」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、目に焼き付けて脳内再生かな~」
北原 そら(きたはら そら)「駄目だこいつ、存在が犯罪だ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そら、園、買ってきたよ〜」
西條 園(さいじょう その)「風、香ちゃん、ありがとう〜!」
東条 風(とうじょう ふう)「園、楽しそうにしてたけど、何の話してたの?」
西條 園(さいじょう その)「別に、なんでもないよ〜」
西條 園(さいじょう その)「ただ、風と一緒に温泉に入れるんだ〜って思っただけ〜」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん・・・」
西條 園(さいじょう その)「楽しみだね、風~」
東条 風(とうじょう ふう)「う、うん!」
東条 風(とうじょう ふう)(あれ、楽しみなはずなのに、悪寒が・・・)
西條 園(さいじょう その)「えへへ〜」
後編に続く