〇兵舎
パンナコッタ姫「痛い　痛いよっっっ！」
魔女「平気　平気」
魔女「スリ傷なんか　へっちゃら 痛いの痛いの　飛んでけえ～」
パンナコッタ姫「アレレ？ 本当じゃ　もう痛くない」
パンナコッタ姫「シスターは 魔法使いみたいじゃな」
魔女「フフフフ」
パンナコッタ姫「アヤヤ?? シスターの足にも傷？」
パンナコッタ姫「わらわと　同じ傷じゃな」
パンナコッタ姫「痛いの痛いの　飛んでけえ～💖」
魔女「うふふふ」
魔女（ちがうのよ　この傷は・・・）

〇牢屋の扉（鍵無し）

〇兵舎
パンナコッタ姫「同じキズ　同じキズ🎵 ワーイ　ワーイ」
魔女（カワイイ　でも憎い 悲しい　　でも悔しい 愛おしい　でも殺したい）
魔女（同じ傷？　 いいえ違うね　 いつか　それを教えてあげる!!）
魔女「オホホホホホ」


〇闇の闘技場
チュロス「王だ　寝たまま歩いてる 操られているのか？」
魔女「王よ喜べ お前に　竜の卵をやろう」
王「竜の卵・・・ オオ　嬉しや」
チュロス「竜の卵　盗めたのか？」
魔女「いでよ　竜の卵よ！」
チュロス「なんだろう　このドラゴン やけに悲しそうだ」
チュロス「何か言いたいことあるのか？」
チュロス「それじゃ　わかんないよ」
チュロス「え！　ジェスチャー!?」
チュロス「お前はエクレアなのか？」
エクレア「私はここだよ」
チュロス「だとしたら　お前は・・・」

〇草原の一軒家
パンナコッタ姫「🎵踊り明かそう　踊り明かそう 夢の向こ～う 眠れぬ夜　魅惑の夜🎵」
チュロス（この優雅な身のこなし 妙な話し方・・・ 分かった!!　こいつの正体は）

〇闇の闘技場
チュロス「姫　まさかそんな!?」
　　ドラゴンの悲しい声が轟く
魔女「喜べ　この子が卵を産む」
王「ううーむ　 オスのドラゴンはどこだ？」
魔女「目覚めたのに　まだ寝言かい？ 解りきってるじゃないか」
魔女「いやらしいオスドラゴンは　お前だよ」
魔女「さあ　自分の娘を抱け」
　　強引に　薬を飲ませる魔女
王「うぐぐぐ・・・」
魔女「親子でまぐわえ ケダモノ　ケダモノ　ケダモノ」
魔女「さあ　竜の卵を産むのだ」
　　姫ドラゴンに襲いかかる竜王
チュロス「やめろ そのドラゴンは姫だ　娘だぞ」

〇貴族の部屋
魔女「王子を病死に見せて始末した」
魔女「王は偏屈になり 姫は益々　王の愛情を欲した」
魔女「初めは私と同じ 子供の産めない体にしようとした」
魔女「王家の血を　これで断てる」
魔女「でも　逆に産ませることにしたのさ」
魔女「ケダモノの卵を！」

〇闇の闘技場
魔女「戦争・陰謀・裏切り・惨殺・拷問 王家こそケダモノ　 なにが高貴か　なにが純血か!!」
魔女「お前らの血は　穢れたケダモノの血 膿み腐った泥水」
魔女「「穢れ狂いし卵」で スープを作り　 この国の奴らにバラまいてやる！」
魔女「スープを飲めば 姿は鬼畜の化け物」
魔女「なーに バカモノがバケモノになるだけさ」
魔女「どうせ　心はケダモノだ 姿もそれに変えてやろうじゃないか！」
チュロス「魔女の狙いは 「竜の卵」を見つけることじゃなく」
チュロス「産ませること!?」
チュロス「親が子に産ませる 「穢れ狂いし卵」 食せば　みんな狂う!!」
　　竜王に襲われ
　　悲鳴を上げる姫ドラゴン
エクレア「あきれた こんなことが狙いだったなんて・・・」
　　溜息ついて　エクレアはその場を離れた

〇牢屋の扉（鍵無し）
エクレア「この部屋は何だ？」

〇拷問部屋
エクレア「拷問部屋？ 趣味の悪い・・・」
エクレア「これは！」
エクレア「この匂い・・・ ブラウニー!!」
エクレア「この城にブラウニーが!?」
エクレア「ブラウニー どこ　どこにいるの!?」

〇要塞の廊下
エクレア「ブラウニー!!」

〇城の客室
エクレア「ブラウニー!!」

〇城壁
エクレア「ブラウニー!!」

〇牢獄
エクレア「・・・・・・」

〇地下室への扉
エクレア「ここだ!! あの人の匂いが強く！ 強く強く残ってる」
エクレア「誰もいない・・・」

〇黒
エクレア「そうだ!! 覚えたばかりの魔法が 道具から持ち主の運命を　透視する力!!」
エクレア「こ　これは!! そんな・・・」
エクレア「アアッ　あなた」

〇闇の闘技場
魔女「あらそえ　まぐわえ　ケダモノよ」
チュロス「お前も　充分ケダモノだろう」
魔女「アハハハハ」
魔女「おかしな子だね やられっぱなしじゃないか？」
魔女「バカだね！ 本当に卵を産むハメになるよ・・・ 老害オスなど　噛みつけばいい!!」
チュロス「親は倒せないさ まだ姫には　心が残っているんだ 人間の心が・・・」
魔女「・・・・・・」

〇兵舎
パンナコッタ姫「痛い　痛いよっっっ！」
魔女「スリ傷なんか　へっちゃら 痛いの痛いの　飛んでけえ～」
パンナコッタ姫「アレレ？ 本当じゃ　もう痛くない」
パンナコッタ姫「シスターは 魔法使いみたいじゃな」
パンナコッタ姫「痛いの痛いの　飛んでけえ～💖」
魔女「うふふふ」

〇闇の闘技場
竜王「ワシノ　子ヲウメ」
竜王「ウムノダ!!」
姫ドラゴン「・・・・・・」
魔女「お　おお・・・」
魔女「おやめ」
魔女「これ以上 キズを増やさないで!!」
魔女「何十年経っても塞がらない そんなキズは　もう沢山」
魔女「ベルリーナー・プファンクーヘン ボン・ボン・ショコラ」
魔女「憎い・・・可愛い 傷つけたい・・・傷つけたくない 深いキズ・・・同じキズ」
チュロス「復讐は何も生まないんだぞ!!」
魔女「うううう」
チュロス「わかったら　姫を戻してくれ」
魔女「できない」
魔女「私の受けたキズを 忘れることは　できない・・・」
魔女「竜の卵が私を支えた どんな辛さにも耐えた 「産ませてやる」その恨みの一心で・・・」
チュロス「それでキズが癒せるのか？ 逆だろ！」
チュロス「キズをえぐってるだけだ 深めてるだけだ 解らないのか」
　　幼い姫の笑い声が脳裏をよぎる
魔女「わ　わかった　ひい様を戻そう」
魔女「ポッフェルチェ──」
　　魔女を噛み砕く音が響く
ブルードラゴン「我が名はエクレア ドラゴンであり──」
ウィッチドラゴン「大魔女だ!!」
チュロス「復讐は何も生まないと言うのに!!」
ウィッチドラゴン「復讐ではない 大魔女になったのだ 魔女を喰らって」
ウィッチドラゴン「アハハハハハハ」
チュロス「姫　逃げろ」
ウィッチドラゴン「逃がすか」
姫ドラゴン「くううう」
チュロス「姫」
　　足に当たるものがあった
　　ドラゴンになった瞬間
　　エクレアが落としたのだ
　　剣を拾い立ち向かう
チュロス「やめろ　エクレア」
ウィッチドラゴン「邪魔すると　あなたでも容赦しない!!」
チュロス「あつい！」
チュロス「剣よ！　兄さん！　力を!!」
ウィッチドラゴン「喰った？」
ウィッチドラゴン「どうやら　 本当のケダモノになったようだね？」
ウィッチドラゴン「むしろ幸せさ 誰を食べたかも解らない」
ウィッチドラゴン「恋に苦しむことも 涙することもない」
ウィッチドラゴン「王家などという苦しみから 解放してやる ケダモノとして幸福に死ね」
　　姫にとって本当の幸せは？
　　竜か人か？
　　そして王国の未来は!?
　　次回　怒涛の最終決戦!!