第45話 組織の形(脚本)
〇ビルの裏
2021年 イリノイ州 デュページ郡 ネイパービル 氷壁に覆われた街 路地裏
凪園はビートを使わず、自身の蹴り技のみでギャング達を圧倒していた。
当然武器を持っていたギャング達はその強さを恐れるやいなや、凪園に対しゴマをするようになった
ギャング「い、いや~お強いですね~凪園さん。いや···凪園の兄貴!流石の強さですね」
ギャング「俺らみたいなザコが束になっても余裕で勝てちゃうんだもんなー、凄いですよ!へへっ」
凪園無頼「あれ?こいつら日本語使ってね?今まで英語だったじゃん」
斎王幽羅「ナメられないようにとかそういう事なのかな?それはともかく、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
ギャング「勿論ですよ!アンタは凪園の兄貴のボスですよね?なんでも聞いてください!」
斎王幽羅「まず···ここを管理してるのはどんな組織?」
ギャング「『コンキスタドール建設』っていう奴らです。リーダーは変化武器エル・シッドさんで、フィンガーズの1人です」
凪園無頼「そのフィンガーズって何ー?」
ギャング「『革命軍 名残り雪』の幹部5人を言います。それぞれが組織化していますね」
斎王幽羅「革命軍 名残り雪···?つまり名残り雪という巨大組織があって、そこからフィンガーズが組織化してるって事?」
凪園無頼「なーんかヤクザみたいだね。親の組あって、子の組があって···名残り雪の親組織ってあるのー?」
ギャング「聞いたことないですね。他に聞きたいことはありますか?凪園の兄貴」
凪園無頼「フィンガーズのメンバーと組織名はー?」
ギャング「俺が知ってるのはコンキスタドール建設とロックフォード商業組合だけです、他組織は···わからないです」
斎王幽羅「名残り雪の敵対組織はわかる?」
ギャング「それもわからないです・・・ただ最近『州兵共が頻繁に攻めて来てる』らしいですよ?」
斎王はその言葉に何か『違和感』を覚えながらも、頭を悩ませていると一匹の雀が紙をくわて斎王の手に止まる
斎王が紙を開いてみるとそこには『ある程度情報を集めたらホテルに戻って欲しい』と書いてあり
斎王は雀に紙をもう一度くわえさせ、雀はその場から羽ばたく
斎王幽羅「凪園、鸞が情報が集まったら一度ホテルに戻って欲しいって。先に行って待ってようよ」
凪園無頼「おっけー。じゃ、そういうことだからお前らも消えろよー?」
ギャング「は、はい!凪園の兄貴!なにか困ったことがあったら俺らを呼んでください!」
〇アパレルショップ
同時刻 ショッピングモール内
フェード「鸞、皆の様子はどうだ?」
鸞「キングとエンチャントは教会でもう少し情報を集めるそうだ。斎王と凪園は返答待ちだな、そっちはどうだ?」
フェード「聞いてる限りこの街の管理はコンキスタドール建設という組織が行っているが」
フェード「財政はロックフォード商業組合という組織に任せっぱなしらしい」
鸞「フィンガーズという5つの組織がいると聞いてるが・・・どうやら『協力関係』にあるらしいな」
鸞「『競争関係』にないということは役割が組織ごとに統一されているということだな」
フェード「そしてそれらの組織を統率するのが『革命軍 名残り雪』。だが肝心の実態がまだ把握できていない」
フェード「何に対してどのような形で革命を起こすのか。そしてそれを市民が把握しているのか?なぜ『徴兵』の様子がないのか?」
フェード「謎すぎる・・・鸞はどう思う?」
鸞「わからない・・・だが、そういう『深部』は流石にここにいてもわからないだろう。ひとまず、俺達もホテルに戻るぞ」
二人が歩を進める中、フェードはとある場所で足が止まる。鸞が何事かと見つめるとそこにあったのは
ショーケースにあったウェディングドレスを見つめるフェードに店員が気づいたのか、店員はフェードに話しかける
店員「何かお探しですか?よければご案内いたしますが···」
フェード「あ、いや!すまない!つい見惚れてしまっていただけだ···邪魔したな」
店員「フフっ···そうですか。でも1度は憧れますよね、ウェディングドレス」
フェード「確かにそうだな、だが···仕事に追われてるうちにいつしか『着る機会なんてない』なんて思ってしまったものだ」
店員「そうですよね、でもお姉さんカワイイから相手なんてすぐに見つかるんじゃないんですか?」
フェード「そ、そんな事は··· ··· ···」
鸞「いや、フェードは可愛いと思うぞ?褒められて照れてる様が愛らしいしな」
フェード「鸞!お前何時から聞いて···!」
店員「あら?ご友人ですか?そちらの方もカワイイですね。どうですか?ウェディングドレス」
鸞「いや、遠慮しておく。でもそうだな・・・試しに着てみるのも悪くはないかもな、どうだ?フェード」
フェード「ほ、本気か!?ウェディングドレスってそう簡単に試着できるものじゃ・・!」
店員「試着用で何着かはご用意してます。といっても実際に着るのではなくあくまで『合わせてみる』だけなのですが・・・」
店員「今日たまたま『コーディネーター』の方が来ており、特別に試着できるようになってます」
鸞「フフッ・・・ならいいかもな。この先ウェディングドレスなんて着る機会もないだろうし、少し付き合ってくれフェード」
フェード「それは構わないが・・・着る機会がないなんて、鸞は可愛いんだから、相手なんてどうにでも・・・」
鸞「『子を宿すことができない女』と結婚したいなんて思うやつはいないだろ。せいぜいセフレ止まりじゃないか?」
フェード「・・・かもな。確かに並みの男ならそうするだろう」
フェード「じゃあ相手が『斎王』ならどうだ?お前を愛してくれないと思うか?」
フェードの言葉を聞き、鸞は苦い顔をし困った様子を見せる
鸞「・・・ ・・・ ・・・いや思わない。だがこれ以上この話はやめておこう、斎王をまともに見れなくなる」
鸞「それに···斎王に『そういう気持ち』を抱いてない訳では無いが、今は目の前のことに集中したい」
フェード「すまなかった・・・じゃあ気を取り直して試着をするぞ!そうだ、写真も撮って斎王達に見せてやろう」
鸞「待て、写真なんて取る必要ないだろう!?一体何のために・・・おい、腕を引っ張るな!」
〇アパレルショップ
数時間後・・・ ・・・ ・・・
店員「大変お似合いですお客様!すごく綺麗ですよ!」
鸞「昔任務で着た露出が高い服より恥ずかしいな・・・変な高揚感もある・・・」
鸞「フェード!何撮ってる!?今すぐ消せ!!」
フェード「驳回(断る)。店員さん見てくれ、こんな綺麗な鸞の写真を私達だけが知ってるのは損だと思わないか?」
店員「えぇ、全くですね。ほかにご友人が居るのであれば是非見せてあげたほうがよろしいかと」
フェード「という事だ、エンチャントはまぁ・・・いいとしてキング、凪園、斎王の分はキチンと現像してやらないとな?」
鸞「お前・・・ ・・・ ・・・店員さん!俺はもういいから次はフェードを!俺なんかより可愛いフェードを!」
店員「勿論です!それでは一旦脱いで頂く必要があるので試着室にお戻りを」
結局斎王&凪園、キング&エンチャント、鸞&フェードの順でホテルに到着するのであった
To Be Continued . . .