いわく鑑定士

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〈理想の体重になる〉ヘルスメーター(脚本)

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〇黒
鑑定士「この世には〈いわく〉を抱えた呪いの品が存在します」
鑑定士「私はそんな〈いわく〉付きの品専門の鑑定士」
鑑定士「さて、本日の〈いわく〉は、一体おいくらになるのでしょうか⋯⋯」

〇時計台の中
厳島優(いつくしま まさる)「これをお願いします」
厳島都(いつくしま みやこ)「ねえ、本当に売っちゃうの?」
厳島都(いつくしま みやこ)「私、これがないと⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「もう充分だって言っただろう?」
鑑定士「随分、訳ありのご様子ですね」
鑑定士「では、こちらに纏わる〈いわく〉をお話しください」

〇可愛らしい部屋
インフルエンサー「これでアナタもエクササ〜イズ!」
インフルエンサー「この動画がイイな、と思ったら、高評価とチャンネル登録よろしくね!」
大江都(おおえ みやこ)「はぁ〜ん、イイなぁ」
大江都(おおえ みやこ)「私もこんな風に痩せれたら⋯⋯」
厳島優「都〜、俺の剃刀って置いて行って⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯って、うわ!」
厳島優(いつくしま まさる)「またこんなに散らかして⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「ごめん」
厳島優(いつくしま まさる)「しょうがないな」

〇可愛らしい部屋
厳島優(いつくしま まさる)「俺さ、次の出張が終わったら昇進するんだよ」
大江都(おおえ みやこ)「うん」
厳島優(いつくしま まさる)「給料も上がる」
大江都(おおえ みやこ)「うん」
厳島優(いつくしま まさる)「俺達って、付き合って長いじゃん?」
厳島優(いつくしま まさる)「だから、そろそろ⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「結婚しないか?」
大江都(おおえ みやこ)「⋯⋯うん」
インフルエンサー「この動画がイイなと思ったら、高評価とチャンネル登録よろしくね!」
厳島優(いつくしま まさる)「都、聞いてる?」
大江都(おおえ みやこ)「うん」
厳島優(いつくしま まさる)「いい加減にしろよ!」
大江都(おおえ みやこ)「え? 何?」
厳島優(いつくしま まさる)「痩せたいって言いながら、何で食べてばっかりなんだよ!」
大江都(おおえ みやこ)「そこにお菓子があるから⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「そこに山があるから、みたいに言われても」
厳島優(いつくしま まさる)「ハッキリさせよう」
厳島優(いつくしま まさる)「一ヶ月以内に十キロ痩せるんだ」
大江都(おおえ みやこ)「ええっ!? 無理だよ、そんなの!」
大江都(おおえ みやこ)「一年以内に十キロも痩せるなんて!」
厳島優(いつくしま まさる)「さり気なくハードルを下げない」
厳島優(いつくしま まさる)「出来なきゃ別れる」
大江都(おおえ みやこ)「何でそうなるの?」
厳島優(いつくしま まさる)「こんな食っちゃ寝生活をしていたら、そのうち体壊すって」
大江都(おおえ みやこ)「でも、毎日暴飲暴食して、寝る間も惜しんで動画見てるだけだよ?」
厳島優(いつくしま まさる)「自殺のタイムアタックかな?」
厳島優(いつくしま まさる)「俺、結婚してすぐ葬式なんて嫌だよ」
大江都(おおえ みやこ)「け、けけ結婚!?」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯やっぱり聞いてない」

〇白いバスルーム
大江都(おおえ みやこ)「私ってそんなにおデブ?」
大江都(おおえ みやこ)「ぽっちゃり、くらいじゃない?」
大江都(おおえ みやこ)「男の人ってこれくらいの方が好きでしょ?」
厳島優(いつくしま まさる)「俺の好みはともかく、」
厳島優(いつくしま まさる)「デブなのか、ぽっちゃりかのか、こいつに聞いてみよう」
大江都(おおえ みやこ)「いや〜、そうは言ってもそんなには⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「って、えーーーっ!?」
大江都(おおえ みやこ)「えーと、1ポンドって何キロだっけ?」
厳島優(いつくしま まさる)「それメイドインジャパン」
厳島優(いつくしま まさる)「生活態度を改めてくれれば、本当に十キロも痩せなくていいからさ」
大江都(おおえ みやこ)「がん゛ばっでや゛ぜる゛⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「あ、ああ⋯⋯ そんなにショック?」
大江都(おおえ みやこ)「数字ば正直だがら゛⋯⋯」

〇オフィスビル

〇エレベーターの前
大江都(おおえ みやこ)「待ってくださ〜い!」
大江都(おおえ みやこ)「あ、やっぱりいいです。行ってください」
厳島優(いつくしま まさる)「乗ら⋯⋯ ないんですか?」
大江都(おおえ みやこ)「はい。階段で行きますので」
同期の男「はは! ダイエット? 無理はしないようにね」
同僚「ちょっと! それセクハラですよ!」
同期の男「は〜い。すいませぇん」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯」
同期の男「どうした? 厳島」
同期の男「お前、大江さんの事、知ってたっけ?」
厳島優(いつくしま まさる)「あ、いや。何でもないよ」

〇大きい施設の階段

〇オフィスのフロア
課長「大江さん、食堂行かないの?」
大江都(おおえ みやこ)「あ、はい。お弁当持ってきてますので」
課長「へえ、珍しいね。節約?」
大江都(おおえ みやこ)「まあ、そんなトコです」

〇ラーメン屋
大江都(おおえ みやこ)「あ、美味しそう⋯⋯」

〇空

〇空

〇オフィスビル
???「出張お疲れ様、優」
厳島優(いつくしま まさる)「ああ、ただい⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯マ?」
大江都(おおえ みやこ)「一週間ブリトニー・スペアーズ」
厳島優(いつくしま まさる)「もしかして、都⋯⋯ か?」
大江都(おおえ みやこ)「もしかしなくても、体重が五キロも減った大江都、二九歳。独身だよ〜」
厳島優(いつくしま まさる)「もう五キロも!?」
大江都(おおえ みやこ)「いや〜やってみると楽しいもんだねぇ〜」
大江都(おおえ みやこ)「このまま一気に痩せてみせるぜっ!」
大江都「らんらんら〜ん♬」

〇オフィスのフロア
同期の男「大江さん、最近キレイになったよねぇ」
課長「それセクハラ」
同期の男「え? これも駄目?」
大江都(おおえ みやこ)「ちょっとちょっと、誰がオードリー・ヒップバーンですか」
同期の男「いや、そこまでは言ってないし、人種も変わってるし」
課長「でもまさかダイエットしてるとはね〜」
大江都(おおえ みやこ)「でへへ⋯⋯ 実はですね⋯⋯」
課長「って何で、空気椅子?」
大江都(おおえ みやこ)「これもダイエットですよ」
大江都(おおえ みやこ)「下半身を鍛える方が効率的なんです」
課長「仕事の効率も考えてね」

〇小さい会議室
同期の男「という訳で今回の進捗は⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「ふんッ! ふんッ! ふんッ!」
課長「ちょ待っ! 大江さん?」
課長「いきなりスクワット始めないで! 怖いから!」
大江都(おおえ みやこ)「あと三キロ〜!」
同期の男「ダイエットの進捗はいいから!」

〇空

〇白いバスルーム

〇エレベーターの中
同期の男「⋯⋯おう」
厳島優(いつくしま まさる)「お疲れ。お前も残業か?」
同期の男「まあな」
「⋯⋯」
同期の男「いや〜最近仕事が楽しくって、仕方ないわ〜」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯」
同期の男「いや〜楽しすぎて、仕事も手につかんわ〜」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯」
同期の男「いや〜最近⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「わかったよ。何が言いたいんだよ」
同期の男「あ! 気になる? もう〜 しょうがないなぁ〜」
厳島優(いつくしま まさる)「話したいだけだろ」
同期の男「ウチの課のさぁ、大江さんって、知ってる?」
厳島優(いつくしま まさる)「みや⋯⋯っ!?」
厳島優(いつくしま まさる)「いや、知らないけど、そのコがどうかしたのか?」
同期の男「最近ダイエットしてるらしくてさ、すげーキレイになってんだよ」
厳島優(いつくしま まさる)「へ、へぇ⋯⋯」
同期の男「この間も、コピー待ちの間、腕立てしててさ」
厳島優(いつくしま まさる)「それは普通に迷惑だろ」
同期の男「頑張ってる女の子ってイイよな! 艶っぽいって言うか、必死な所がさ!」
厳島優(いつくしま まさる)「お前、変わった趣味してるな」
同期の男「俺、告っちゃおうかな!?」
同期の男「でも彼氏とかいるのかなぁ〜?」

〇ラーメン屋
厳島優(いつくしま まさる)「都!?」
厳島優(いつくしま まさる)「何やってんだよ、傘もささずに⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「しかも何故スポーツウェア?」
大江都(おおえ みやこ)「あと一キロが減らないから、走って帰るの」
厳島優(いつくしま まさる)「冗談だろ? 何駅分あると思ってるんだよ」
大江都(おおえ みやこ)「脂肪一キロは約七千カロリーだから、百四十キロ走れば良い」
厳島優(いつくしま まさる)「ま、まあ、減らない時だってあるよ」
大江都(おおえ みやこ)「だって、今まで順調だったのに⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「頑張ってるみたいだし、今日はチートディにしよう。な?」
厳島優(いつくしま まさる)「たまには思っいっきり食べて⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「⋯⋯なにそれ?」
厳島優(いつくしま まさる)「え?」
大江都(おおえ みやこ)「私がこんなに必死なのに⋯⋯」
厳島優(いつくしま まさる)「え? あ、いや⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「どうしてそんな事言うの?」
大江都(おおえ みやこ)「優は私と結婚したくないって事?」
厳島優(いつくしま まさる)「違うよ。無理して体を壊したら、元も子もないから⋯⋯」
大江都(おおえ みやこ)「優は自分の思い通りにならない私が嫌なんでしょ?」
厳島優(いつくしま まさる)「⋯⋯怒るぞ」
大江都(おおえ みやこ)「ほら、思い通りにならないから、すぐそうやって不機嫌になる」
厳島優(いつくしま まさる)「お前の方こそ、少し痩せてキレイになったから、調子に乗ってるんじゃないか?」
大江都(おおえ みやこ)「はぁ?」
厳島優(いつくしま まさる)「男に色目とか使ってないか?」
大江都(おおえ みやこ)「⋯⋯信じらんない。浮気してるって言うの?」
大江都(おおえ みやこ)「そんな暇ないんですけど?」
大江都(おおえ みやこ)「誰かさんが、痩せなきゃ別れるとか、うるさいからっ!!」
厳島優(いつくしま まさる)「何だよ! その言い方!」

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コメント

  • 公開おめでとうございます✨️
    やっぱり、面白ーい!😆💕
    面白さって、会話の掛け合いの妙なんだな、こんなにたくさん仕込めるものなんだな、と気づかされた作品でした。次から次に繰り出される面白さに引き込まれてワクワクしました☺️大好きなイチオシ作品です!

  • さすが在ミグさん!
    2人の台詞の掛け合いがとっても面白いです。
    こういう話は読後感が悪くなるはずなのに、むしろ彼がめちゃくちゃイイ人で救われますし、妊娠後の不安定な彼女さんも、いわくに繋がる伏線でテクニックに唸りました。

  • ダイエット前のノリツッコミなやり取りがセリフも秀逸で好きです😊
    ポンドとか、ハードル下げたりとか笑いました😆
    血を抜いて体重を減らすところも狂気を感じてとても好き。

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