英雄親子の里帰り

筑豊ナンバー

3,離れ離れになった絆(脚本)

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〇空港のエントランス(人物なし)
アイシャ・コウデリ「ついたーー!!」
アイシャ・コウデリ「ここが日本!!侍の国!!忍者!忍者!」
アレックス・ワトソン「お前ン中の日本は何年前で止まってんだよ」
「おとーさん!!」
アレックス・ワトソン「また大きくなったなアリス!!」
アイシャ・コウデリ「え?その子がアリス!?」
アレックス・ワトソン「そうだが?」
アイシャ・コウデリ「血のつながった実の娘さん?」
アレックス・ワトソン「そのとりだが?どうした?」
アイシャ・コウデリ「全然似てない!!」
アレックス・ワトソン「馬鹿野郎!!よく見てみろ!!目元とか!!俺そっくりだろ!!」
亜里沙・ワトソン「あなた。おかえりなさい」
アレックス・ワトソン「ただいま」
亜里沙・ワトソン「アイシャちゃんも久しぶりね!!」
アイシャ・コウデリ「亜里沙姉!!久しぶり!!あいたっかたよ!!」
亜里沙・ワトソン「今日は腕によりをかけてカレーライスをつっくたの!!アイシャちゃんもよっかたら食べていく?」
アイシャ・コウデリ「もちろん!!楽しみだなあ~」
アリス・ワトソン「お姉さん誰?」
アイシャ・コウデリ「君のお父さんの友達だよ!!」
アリス・ワトソン「・・・」
アイシャ・コウデリ(怖がられてるなあ~どうやってうちとけようか・・・そうだ!!)
アイシャ・コウデリ「いつもお父さんから話を聞いててね!!お姉さんはアリスと友達になりたいんだ!! これはその・・・」
アイシャ・コウデリ「アレックス!!こういうの日本語でなんていうんだっけ?」
アレックス・ワトソン「賄賂だ」
亜里沙・ワトソン「あなた!!違うでしょ!!」
アイシャ・コウデリ「あーそうだ!!思い出した!!」
アイシャ・コウデリ「オチカズキノシルシニドウゾ!!」
アリス・ワトソン「・・・」
アイシャ・コウデリ「・・・」
アリス・ワトソン「アイシャお姉ちゃんありがとう!!」
アイシャ・コウデリ「気に入ってくれてうれしいよ!!」

〇浴場
アイシャ・コウデリ「アリス・・・大きくなったなぁ」
アリス・ワトソン「すみません!!遅くなりました!」
アイシャ・コウデリ「向こうの世界と勝手が違うから慣れるまで大変だろうけど、まぁ私が移住してきた時より溶け込んでるし大丈夫!!」
アリス・ワトソン「ありがとうございます!」
アイシャ・コウデリ「・・・・・・」
アリス・ワトソン「・・・・・・」
アイシャ・コウデリ「どうしたの?入らないの?」
アリス・ワトソン「私無宗教なので!!お構いなく!!体を清められてください!!」
アイシャ・コウデリ「?・・・・・・」
アイシャ・コウデリ「あっ!?そういうこと!?」
アイシャ・コウデリ「アリスこれはただ体温めてるだけで宗教的な意味はないんだよ?」
アリス・ワトソン「え?そうなんですか!?」
アイシャ・コウデリ「ほら!こっちすいてるからおいで!!少し話そうよ!!」
アリス・ワトソン「・・・失礼します」
アリス・ワトソン「ちょうどいい!!」
アイシャ・コウデリ「でしょ?ここの銭湯湯加減が完璧だからよく来るんだよ!!」
アリス・ワトソン「ふう・・・気持ちいい・・・」
アイシャ・コウデリ「そのドッグタグはアレックスの形見?」
アリス・ワトソン「はい。 私の本当の名前と両親の名前が刻まれている家族の絆の証です」
アイシャ・コウデリ「そうか・・・大切にするんだよ!」
アリス・ワトソン「アイシャさん! 父さんは軍隊にいた時どんな人だったんですか?」
アイシャ・コウデリ「アレックスはなぁ〜──」

〇荒廃した市街地
  ──イカれたやつだったよ。
  冷静沈着で動揺したとこを見れるとしたら夫婦喧嘩をした時位で戦場では1度も取り乱したとこを見たことがない。
  暇さえあれば教本を読み漁って戦術を練り、トレーニングを欠かさない。
  機会のような人物だった。
  戦場では誰よりも先に敵を発見して、誰よりも早く突撃する。
  半分はアメリカの遺伝子だがもう半分は確かに日本の魂を持っていた
  ただ突っ込むだけではなく戦力差やら地形やらを臨機応変に考えながら戦う。
  誰よりも返り血に染まり帰ってくる彼を皆は──
  ──「REDオーガ」とよんで恐れていた。
  でも私は──
アイシャ・コウデリ「アレックス!!」
アイシャ・コウデリ「任務完了!!早く帰ろう!!」
アレックス・ワトソン「まて!!」
アイシャ・コウデリ「どうした?」
アレックス・ワトソン「腹を見せてみろ!」
アイシャ・コウデリ「えー?!なに?!ムラムラしちゃった? でもダメだろ?アレックスには亜里沙が──」
アレックス・ワトソン「黙れ!傷が開いちまうぞ!!」
アイシャ・コウデリ「・・バレてたか・・・・・・」

〇廃ビル
アレックス・ワトソン「よし!ここならしばらく隠れられるだろ」
アレックス・ワトソン「なぜギズがある事をかくしたんだ?」
アイシャ・コウデリ「ヘリとの合流予定の時間まで余裕がないだろう?それにここは敵地のど真ん中だ。わがまま言ってられないと思ったんだよ」
アイシャ・コウデリ「無線機は妨害されてて使い物にならないせいで時間の変更もろくに出来ない」
アレックス・ワトソン「・・・・・・」
アイシャ・コウデリ「クソ!!もうヘリが到着する時間だ!! これで私達は捕虜になったか死んだものとして扱われちまう!!」

〇荒廃した市街地

〇廃ビル
アイシャ・コウデリ「今のはなんだ?!もう敵に追いつかれたのか?」
アイシャ・コウデリ「クソ!!もうおしまいだ!! アレックス!私は自爆して時間を稼ぐ!だからそのすきに──」
アイシャ・コウデリ「おい!聞いてるのか?ライフル一つでどうにかなる状況じゃないだろ?」
アレックス・ワトソン「アイシャ。これを持って祈ってろ」
アイシャ・コウデリ「これは?」
アレックス・ワトソン「俺のお守りだ」
アイシャ・コウデリ「祈って助かる世界ならそもそも戦争なんて起きちゃ──」
アレックス・ワトソン「俺には最近娘ができたと言ったな!!」
アレックス・ワトソン「娘はアリスって名前なんだ。 妻ににたのか賢くて優しい子だ」
アレックス・ワトソン「兄弟を作ってやりたいが妻は体が弱くてな。 アリスを産めたのも奇跡だと医者に言われた」
アレックス・ワトソン「だから弟や妹は作ってやれない。 だが!一人っ子てのはわがままな育つイメージがあって心配なんだ」
アレックス・ワトソン「アイシャにはあの子の頼れる姉になって欲しい! 頼めるか?」
アイシャ・コウデリ「──そういうことなら仕方ないな! 頼まれてやるよ」
アイシャ・コウデリ「その代わりアレックスが私を紹介してくれよ?」
アレックス・ワトソン「俺が死ぬと思うか?」
アイシャ・コウデリ「思えねぇよ」
アレックス・ワトソン「行ってくる。 ヤバくなったら大声でfuckを叫べ!」
アイシャ・コウデリ「了解!」
  そこからは凄かったよ。
  外から怒涛に罵声、銃声、爆発音。
  まるでハリウッド映画のラストバトルのように色々きこえてきたよ

〇浴場
アイシャ・コウデリ「──っで静かになったと思えばアイツはいつものように無傷でケロッとかえってきやがったんだ」
アリス・ワトソン「父さんって昔から強かったんですね」
アイシャ・コウデリ「そうだな。強かった。でもそれ以上にバカ真面目で誠実で勤勉だったんだ」
アイシャ・コウデリ「だから私もあの男に惹かれたんだろうね」
アリス・ワトソン「好きだったんですか?」
アイシャ・コウデリ「好きだったよ。でも私が好きなのは家族思いのパパさんやってる「アレックス・ワトソン」だ」
アイシャ・コウデリ「簡単に浮気するクソ野郎じゃない!」
アリス・ワトソン「父がモテてるってなんか複雑な気分ですね・・・」
アイシャ・コウデリ「私はアリスがアレックスににて育ってて安心したよ」
アリス・ワトソン「私が父さんに?」
アイシャ・コウデリ「案外本人は気ずないもんだよ!」
アリス・ワトソン「・・・」
アイシャ・コウデリ「そろそろあがろっか!」
アリス・ワトソン「はい!」

〇銭湯の脱衣所
アイシャ・コウデリ「いや〜いい湯だったね!」
アリス・ワトソン「はい!新鮮な体験でした!」
アイシャ・コウデリ「銭湯が気に入ったなら今度温泉に行ってみる? 近くに有名なとこがあるんだけどどうかな?」
アリス・ワトソン「ぜひ!」
アイシャ・コウデリ「ん?これは?」
アイシャ・コウデリ「猫好きなの?」
アリス・ワトソン「いえ!犬派です!」
アイシャ・コウデリ「じゃあそのキーホルダーは?」
アリス・ワトソン「これは・・・正直なぜこれを持っているのか覚えてないです」
アイシャ・コウデリ「・・・」
アリス・ワトソン「でも大好きだった人からもらったすごく大切な物だって言うのだけは覚えてて今でもお守りとして持ち歩いているんです」
アイシャ・コウデリ「そうか・・・こういう時って嬉しいもんだな」

次のエピソード:4、遭遇そして最悪な現実

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