①サークルから追放されたので気ままに青春を?バカ言うな馬鹿 ゴーレム部に来い前編(脚本)
〇華やかな裏庭
お前、退部な
「・・・」
こっちは全会一致で決まってんの
つーか、君のためでもあるから(笑)
はじめから俺らと合わない感じだったし
「・・・しないか」
え?設計図?
いや、君のものじゃないよ(笑)
紙とインク、部費で買ったものでしょ(笑)
「・・・入部しないか」
ゴッドスター「・・・」
この物語は
私がメソメソうつむいていた時から始まった
それは
ここに入学した時でも、
魔工部に入部した時でも、
退部させられた時でも、
そのくせ私の作ったものは返してくれなかった時でも、なく
ゴッドスター「あっ・・・ ごめんなさい・・・」
ゴッドスター「?」
「入部、したいという顔、してるなあ!?」
そのショッキングとともに始まった
〇体育館の裏
ゴッドスター「ひいいいいいいい!!」
ハグレル「逃げるな!!!! 入部したいと言ったのは君だろう!!!」
ゴッドスター「い、言ってませええん!!!?」
ハグレル「君の顔にハッキリ/ビッシリと書きなぐられているではないか!!!!」
ハグレル「その様はさながら、 数学教授によって時間いっぱい方程式で埋め尽くされた無惨な姿なる黒板か! あるいは!!!」
ハグレル「あるいは! ありたけの語彙で愛を伝えんとする、エロースの神に取り憑かれたうら若き少年/少女のラブレターと言うべきか!!!」
ゴッドスター「私の顔見て変な解釈しないでくださいい!」
ゴッドスター「ハア・・・ハア・・・」
???「来い! こっちだ!」
グイッ
ゴッドスター「えっ・・・ わっ!」
「ゼェ・・・ゼェ・・・」
ハグレル「むう・・・消えた!」
ハグレル「神隠しか・・・ これ以上の追求は禁忌と申すか、主よ」
マントを翻し退場。
〇高い屋上
ゴッドスター「ハア、ハア、」
ゴッドスター「・・・ はあー」
ゴッドスター「いいことないよぉ、今日」
???「いきなり引っ張ってすみません」
???「何か変なのに追われていたので、咄嗟に」
ゴッドスター「あ、ありがとうございます 助かりました」
ミシマ「私はミシマと申します 実は私もあなたに興味が・・・」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター(良いこと・・・ あった)
ミシマ「あなた、魔工部を退部──」
ミシマ「いや、「追放」されたんでしょう?」
ゴッドスター「え!?」
ミシマ「風のウワサで聞いただけです。 どうか怪しまないで」
ミシマ「それに、最近の魔工部は」
ミシマ「よくない話をよく聞きます」
ゴッドスター「・・・そう、思いますか?」
ミシマ「部外者から見てもわかりますよ」
ミシマ「モラハラ、パワハラ、セクハラ、etcハラ・・・」
ミシマ「それに、出来のいい魔道具を作った人を退部させて」
ミシマ「その功績を自分のものにしようとする輩もいる、」
ミシマ「と、聞きますよ?」
ゴッドスター「あ、あの・・・」
ミシマ「あ、私に期待しないでくださいね」
ミシマ「魔工部をぎゃふんと言わせるとか、」
ミシマ「そんな力はないので」
ゴッドスター「ま、まさか!」
ゴッドスター「そんなことしたらいけません!」
ゴッドスター「もう、済んだことだし」
ミシマ「良かったです。 私が言いたいのは、つまり」
ミシマ「私の部に来てくれませんか?」
ゴッドスター「・・・ それって勧誘ですか?」
ミシマ「ええ! そうですそうです」
ミシマ「あなたはあの部から追放された、」
ミシマ「ということは、逆に考えれば」
ミシマ「横取りしちゃいたいほどの魔道具を作るセンスが、貴方にあるということです」
ゴッドスター「そ、そんな! たまたま良いのができただけです!」
ミシマ「それでも良いですよ!」
ミシマ「ウチの部新しいので、とにかく人が欲しいんです!」
ミシマ「人が欲しいってのにウチの部長は困ったやつで・・・」
ミシマ「「ちゃんと才能があるって認められるやつしか入部させねぇ」とか言う」
ミシマ「人間の屑・・・」
ミシマ「もとい、困ったやつでね」
ゴッドスター(毒舌・・・)
ゴッドスター(ちょっと・・・ ドキッとしたかも)
〇体育館の裏
ミシマ「こっちで〜す」
ゴッドスター(そういえば)
ゴッドスター(魔工部にいた時は青春なんてできなかったなあ)
〇華やかな裏庭
ミシマ「こっちで〜す」
ゴッドスター(この機会にやってみよかな・・・ 「垢抜け」)
ミシマ「向こうの建物が部室で〜す」
ゴッドスター(イメチェンかあ 髪染め、イヤリング あと・・・)
ゴッドスター(あとは、アクセサリー?指輪とか)
ゴッドスター(指輪・・・タトゥー・・・)
ゴッドスター(あれ?ここさっきいたとこ・・・)
〇ツタの絡まった倉庫
ミシマ「ここ」
ゴッドスター「あの・・・」
ゴッドスター「こ、ここって」
ゴッドスター「何部・・・ですか?」
ミシマ「・・・」
この日、教訓を得た
知らないイケメンに
ついて行ってはいけない
〇組織のアジト
ゴーレム部 部室(予定)
ハグレル「私の時間感覚的には先刻ぶりだな だが、セミ/カゲロウのように儚き短命種にとってはそれとも」
ハグレル「お久しぶりと言うべきか!?」
ゴッドスター「そこまでじゃないです・・・」
ゴッドスター「その、失礼しました」
「すたこらー」
ゴッドスター「ミシマさん!! 開けてください!」
ミシマ「すまない」
ミシマ「もちろん閉じ込めるつもりはない」
ミシマ「少し話を聞くだけで良いんだ そうすれば必ず開けよう」
ハグレル「そこの黒髪ロングの言う通りだ」
ハグレル「入部届を出すのはまだ早い。 はやる気持ちを慮(おもんぱか)らんほど私は残酷ではない、ということだけ言っておこう」
ゴッドスター「ひぃ!」
ミシマ「気持ち悪い部長ですまない いや、ホントに」
ハグレル「こ、これを! 見ろ!」
ゴッドスター「うわ! も、もの投げます?初対面に普通?」
ゴッドスター「設・・・計図?」
ゴッドスター「人型・・・ホムンクルス? いや違う」
ハグレル「肌は合金 骨は鉄柱」
ハグレル「脈はミスリル そして魔導ファイバーの神経」
ゴッドスター「──ゴーレム!」
ハグレル「私が聞きたいのは一つだけ」
ハグレル「作れるか?」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「「推定される機能、機構及び──」
ゴッドスター「──「魔板」の組み込み予定(作成中)」」
ゴッドスター「うっ・・・」
ゴッドスター「ウワーッ!?」
〇古代文字
ゴッドスター(こ、これをこう動かす想定なら・・・)
ゴッドスター(あれとあれを組み合わせるとして・・・ いや、あそこで齟齬ができちゃう)
ゴッドスター(え?なにこれ? こんなもの魔法で作れないでしょ)
ゴッドスター(呪文いくつ刻めばいいのよ こいつ動かすエネルギーはどこから!?)
ゴッドスター(大きくて複雑な手足動かすってことは 試行回数、絶対千は超える その度呪文刻み直して・・・)
ゴッドスター(3人・・・いや、5人で取り掛かったとしても)
ゴッドスター(右腕だけでも・・・一年かかる)
ゴッドスター(・・・これを私が? できるかって・・・)
ゴッドスター「で・・・」
〇組織のアジト
「できませえええん!!!」
ミシマ「鍵が・・・」
ハグレル「ん?・・・ あ!」
ハグレル「おい!!! 設計書返せ!!!」
ハグレル「・・・まいったな」
ハグレル「ドワーフの筋力があれほどとは 結界を張るべきだったな」
ミシマ「? ドワーフ?」
ハグレル「お前は知らんだろうがな」
ハグレル「そういう人種がいるんだよ 大抵は背が小さく筋肉質で力が強い」
ミシマ「筋肉質? そうは見えなかったが」
ハグレル「・・・隠してるんだろうな」
〇体育館の裏
ゴッドスター「ハッ、 ハッ、」
ゴッドスター「ハア・・・」
ゴッドスター「うわ 持ってきちゃった」
ゴッドスター「返さないと でも、・・・う〜ん」
ゴッドスター「・・・ 扉壊してきちゃった」
ゴッドスター「ドワーフって、バレただろうなぁ」
「それでさー」
ゴッドスター(!)
生徒B「あそこのパフェがビバ良くてさあ!」
生徒A「へ〜」
生徒B「イデア濃度濃いわ〜あそこのパフェ」
生徒A「へ〜」
ゴッドスター「・・・」
ゴッドスター「あんな服・・・ 着てみたいなあ」
〇イルミネーションのある通り
ミシマ「「魔板」・・・ 呪文を刻んだもの全般を指す言葉」
ミシマ「詠唱と違い一瞬で魔法を使えるが、」
ミシマ「道具・武器につける場合スペースをとるし、」
ミシマ「魔板に刻まれている以上の魔法は使えない 当たり前だが、炎魔法が刻まれた魔板からは氷魔法を使えないように・・・」
ミシマ「「コンピューター」の「プログラム」のようなものだろう」
ミシマ「「魔法」といっても万能ではないか 俺のいた世界の認識と違うな」
ミシマ「こいつを使ってゴーレムをどう作るのか」
ミシマ「想像できないが、 途方もなく大変なのはわかる」
ミシマ「逃げ出したくもなるなぁ」
「ッッなってんだよ この杖はヨォォォォォォ!!!」
ミシマ(!?)
魔工部員A「不良品かコイツッ!! なんで魔法出せねぇんだヨオオオオ!!」
魔工部員B「ねぇマジ壊れてるってマジ」
「壊れてなどない」
カイバーン「これを作ったのはドワーフの女だ 出来は保証できる」
ミシマ「あいつか・・・カイバーン 魔工部の部長、そして」
ミシマ「ドワーフの彼女から杖を奪った・・・ 悪人!」
カイバーン「おそらく市販の魔板を差し込んでもダメなのだろう」
カイバーン「この杖専用の魔板も作ってるはずだ」
カイバーン「ハンドメイドの杖では良くあることだ」
カイバーン「十分想定できたはずだが、なぜドワーフの女に杖だけ残させたんだ?」
魔工部員A「うっ・・・」
魔工部員B「・・・」
カイバーン「さてねぇ どうやって彼女から魔板をもらおうかな」
魔工部員A「へへ・・・ に、ニンジンと交換とかどうよ」
魔工部員A「ドワーフは好きだっていうぜ」
魔工部員B「え、え〜それマジ!?」
魔工部員B「馬じゃん!ヤバ(笑)」
カイバーン「は?」
カイバーン「「取引」というのは立場が対等な人間同士が行うことだ」
カイバーン「お前は肉が欲しいとき、豚と取引するのか?」
カイバーン「ん? お前は豚と話せそうだな」
魔工部員A「・・・くっ」
魔工部員B「う、ウチ 友達と予定あるんだった じゃ、じゃね〜」
カイバーン「うむ、とりあえずはドワーフの女に会わねば」
カイバーン「大人しく魔板をよこさないようであれば そうだな・・・ う〜ん」
セクシー教師「うっふ〜ん」
カイバーン「うっお めちゃ露出度高めなグラマーレディ」
カイバーン「おお!そうだ! あのドワーフの女は自分の体がコンプレックスだった!」
カイバーン「服を脱がせる」
ミシマ「!?」
「そうと決まれば早速行かねば」
ミシマ「・・・」
ミシマ「はっ」
ミシマ「まずい!! 彼女が、マズイ!!」
邪悪な者に眼をつけられたドワーフの少女、ゴッドスター
ゴッドスター「なんか悪寒が・・・」
ミシマはカイバーンの魔の手から彼女を逃すことができるのか?
つづく
初めまして!!
とてもスチルが素敵ですね😄
しかも効率的!
大きい話は書かないと言いながらも、設定が込み入っていて裏が幾つもありそうですね。
とても楽しみです!!