バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

第7話 新たな出会い。危険な2人っきりの夜…(脚本)

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〇黒背景

〇豪華な部屋
リアリナ・シャルルド・グレイ(さあ、聖女様)
リアリナ・シャルルド・グレイ(私を殺せるものなら殺してみなさい!)
ミレーユ「えー。でもー」
ミレーユ「夕食やリアリナ様をお泊めする部屋も、ご用意が無いんです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「食事なんて気にしないわ。 部屋もリビングの片隅で十分よ」
ミレーユ「で、でもぉー」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「いい加減にしないか! 聖女様が、困っているではないか」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「聖女様、この度のリアリナの無礼、申し訳ない」
ミレーユ「き、気にしないでぇー」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「さあ、支度をしろ。帰るぞ! !」
リアリナ・シャルルド・グレイ(スタンのバカー! 邪魔しないでよ!)

〇レンガ造りの家
ミレーユ「今日は来てくれてありがとう!」
ミレーユ「リアリナ様」
リアリナ・シャルルド・グレイ「!?」
ミレーユ「今度いらした時は、おもてなしいたしますね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「聖女様。あの・・・あのね」
ミレーユ「どうしましたか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ(今まで苛めちゃってごめんなさい)
リアリナ・シャルルド・グレイ(って、なんか言いづらいわ!)
リアリナ・シャルルド・グレイ「聖女様のこと、ミレーユって呼んでもいいかしら!?」
ミレーユ「ええ! 嬉しい!」
ミレーユ「じゃあ、私もリアリナって呼んでもいい?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もちろんよ!」
ミレーユ「じゃあ、またねリアリナ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「うん。またねミレーユ」

〇けもの道
テオフィル・ベフトン「聖女様と仲良くなられたのですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええそうね。名前を呼び合う仲になれたわ」

〇黒背景
リアリナ・シャルルド・グレイ「まあ本心はわからないけれど」
リアリナ・シャルルド・グレイ「一歩前進、よね?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「って! ダメじゃない!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「一歩前進したところで、殺意を消し去れてなかったら、結局、殺される!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「むしろ、今日の行動で余計に殺意増えちゃったかもしれないし!」

〇林道
リアリナ・シャルルド・グレイ「や、やっぱり。ミレーユの家に戻ろうかしら」
テオフィル・ベフトン「はい?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「馬鹿なことを言うな」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これ以上の聖女様に迷惑をかける行動は、グレイ家の品位に関わるぞ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あら、殿下に我がグレイ家の品位をご心配いただくなんて思ってもみませんでした」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「はんっ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「少しは可愛げがあるかと思ったが、やはり思い違いだったようだな!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私を可愛いと思ってくださっていたのですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「光栄ですわー」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「き、貴様とは口を聞かぬ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ふーん?  そのお言葉、いつまで続けられるかしら?」
テオフィル・ベフトン「はあ・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「きゃあ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「何が起きた?」

〇林道
御者「道が封鎖されております」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「封鎖?」
御者「この先の村で“人さらい”があったそうで」
御者「馬車一台一台、調べているとのことです」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「通り抜けるのに、どのぐらいの時間がかかる?」
御者「この調子ですと、夜までかかるかと」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「それは困ったな・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何を言ってるの?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王族の馬車なんだから、融通通して貰えばいいじゃない」
リアリナ・シャルルド・グレイ(こんなところで時間を使っていたら、襲撃対策できなくなる!)
スタンスラス・ブラン・エレオノール「それはできない」

〇原っぱ
「この辺りはフォルダンテ公爵の領地だ」
「わざわざ王族と名乗り、公爵家に借りを作る理由はない」
「借りって・・・公爵家でしょ?」

〇謁見の間
「フォルダンテ公爵家と王家は旧知の仲だったはず・・・それに」

〇林道
リアリナ・シャルルド・グレイ「フォルダンテ公爵と殿下は従兄弟よね」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「だからこそ、わきまえたいのだ」

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「変だわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ゲームでは、ミレーユを連れてフォルダンテに会いに行くイベントがあった」
リアリナ・シャルルド・グレイ「二人の間に遠慮なんてなかったはずなのに」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ゲームの設定とズレている?」

〇林道
スタンスラス・ブラン・エレオノール「とにかく、無駄に権力を振りかざすようなことはしたくない」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「王になる前から暴君と言われては、民を従えることはできまい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタンって、案外真面目に民のことを考えてるのね」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「当然だろう? 次期王は私であるからな。 あっ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これは貴様と喋るつもりではなくてだな」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうだわ! 折角ですから、もっと王太子らしいところ民衆に見せちゃいましょう!」

〇西洋の街並み
「リアリナ、待てっ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ですから、馬車の中で待っているより」
リアリナ・シャルルド・グレイ「人探しを手伝って、少しでも民衆の好感度を上げたほうがいいと——」
「そうではない!」
「どうして、この私が」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「こんな格好をせねばならんのだ!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これでは、どこからどう見ても平民では無いか!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「だって、あんな紋章入りのマントなんかつけてたら、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王子様って言ってるようなものじゃない」
リアリナ・シャルルド・グレイ「民衆との距離感が近い方が、慕われるというものですよ?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ではなぜ、リアリナはそのままなのだ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私は残念ながら服が調達できなかったの」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「ぐぬぬっ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「これでは、この私がリアリナの使用人のようではないか!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「えっ??!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そんなことはないわ。 ちゃんと私の婚約者に見えますわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「本当か? こんな見窄らしい格好をさせられて、」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「辱めを受けているとしか思えないのだが」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そんなことはないですわー」
「リアリナ様ー!!」
テオフィル・ベフトン「準備できました!」
テオフィル・ベフトン「如何でしょう? 村の民に見えますか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まあ、テオ! とっても似合ってるわ!」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様に褒められるなんて、嬉しいです!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「わ、私の方が似合っているだろう?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ、2人とも素敵よ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「では殿下。じゃなくて、 さあ、行くわよ!  スタン♪」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「う、うむ・・・」

〇西洋の街並み
ヨハン村長「この村の村長をしております。 ヨハンと申します」
ヨハン村長「お嬢さん方は、旅のお方ですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・ええ。旅の途中なの」
ヨハン村長「そちらは?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私の従者よ」

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