バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

第3話 「バッドエンドを回避するには、王太子攻略が鍵ですか⁈」(脚本)

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〇黒
  ・・・
  episode 03

〇上官の部屋
リアリナ・シャルルド・グレイ「きゃあっ!!」
ツヴァイ「手間取らせやがって、 ・・・クソが!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ひいいいいい」
リアリナ・シャルルド・グレイ「う、嘘でしょ。 テオは!?」
アインス「テオ? ああ、先ほどの男か」
アインス「なかなかいい腕前ではあったが、 ・・・残念だ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なんてことを!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ああ、テオ。 私がそばにいてって言ったせいで」
アインス「お嬢さん。我々も時間がない そろそろ首をいただこうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「こ、こっちに来ないで!」
ツヴァイ「ハハッ! この状況で抵抗する気かよ?」
アインス「無駄なことを」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ち、近づかないで!!」
アインス「ふんっ!!」
ツヴァイ「余計な時間を使わせんな!」
ツヴァイ「抵抗しなければ、一瞬で終わらせてやるさ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・ううっ」
アインス「威勢の良いお嬢さん」
アインス「これも宿命。 抗いようのない運命というもの」
アインス「今までの人生を悔い改めて、次の人生を生き直すが良い」
リアリナ・シャルルド・グレイ「い、いや! やめてーーーーー!!」

〇黒

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「いやあああああ!!」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様!? どうかなされましたか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「テオ! い、生きてる?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「良かったあ! 生きてたあ!」
  思わずテオをだきしめた
テオフィル・ベフトン「リ、リアリナ様!?」

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「今までの人生を悔い改めて、新しい人生を生き直せ。ですって!?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そうしたくたって死ぬたびループしたら無理なんですけど!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「こうなったら・・・」

〇華やかな裏庭
テオフィル・ベフトン「い、一体? どうなさったのです!?」
  クッキーの欠片をナプキンで拭い取り、立ち上がる
リアリナ・シャルルド・グレイ「よし!!」
「リアリナ!!」
テオフィル・ベフトン「スタン様!!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「リアリナ、ここにいたのか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下、城からの招待状をわざわざ届けてくださり有り難う御座います」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「!?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「どういうことだ?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「城からの招待状を持ってくること事前に把握していたのか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そんなことよりも!! もっと大事なお話がございます」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そんなことより?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・まあいい、」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「それでなんだ、大事な話とは」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・あ、えっっとおー。 その前に、お茶でもいかがです」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・。ふん。 ではもらおうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ(よおっっし!!)

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「まずは、スタンを交渉の席に座らせたわ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ここからは」
リアリナ・シャルルド・グレイ「何がなんでもスタンを口説き落として、契約をとる!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「・・・じゃなくて!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王宮の魔法使いをゲットしないと!」

〇華やかな裏庭
ルネ「お待たせいたしました。 ローズティーでございます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「我が家の庭園で採れた薔薇をブレンドしましたの。きっと殿下も気に入られますわ」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・ふむ。良い香りだ」
テオフィル・ベフトン「・・・ルネ」
ルネ「・・・はい」
テオフィル・ベフトン「この冷めたクッキーは、もう下げてくれませんか」
テオフィル・ベフトン「殿下には、焼き立てのものをご用意しなくては」
ルネ「は、はい。すぐにお持ちいたします」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「別にそこまで気をつかわずとも構わんが」
テオフィル・ベフトン「いえ。殿下がグレイ家でお茶をなさるのですから、それなりのおもてなしをいたしませんと」
テオフィル・ベフトン「ですよね。リアリナ様」
リアリナ・シャルルド・グレイ「へ? ええ、そうよ。 殿下は、わたくしの大事な客人ですもの!!」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「そ、そうか? まあ、そういうことなら甘えようか」
リアリナ・シャルルド・グレイ(テオ。ないっすー!)
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下、実は・・・」

〇豪華な社長室
  ここ最近、この辺りで盗賊が現れ、屋敷を襲っているようなのです

〇謎の扉

〇豪華な社長室

〇華やかな裏庭
スタンスラス・ブラン・エレオノール「盗賊?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ、そこで」

〇立派な洋館
  我がグレイ家にも防御魔法を施したいのですが
  我が家には、屋敷全体に
  防壁を築くことのできる魔法使いが、おりませんの
魔法使い「・・・」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「どうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王宮の魔法使いをお借りできないでしょうか」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・わかった」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「婚約者であるリアリナの頼みだ。王宮から1人寄越そう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ありがとう! スタン!!」
  リアリナはぴょんと跳ね上がると
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なっっっ!!」
  スタンへと抱きついた
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、はしたないですよ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ(っは!! つい嬉しくて!! はしゃいでしまったわ!)
リアリナ・シャルルド・グレイ(これじゃあ、悪役令嬢じゃなくてヒロインじゃない)
テオフィル・ベフトン「早く離れてください」
リアリナ・シャルルド・グレイ「殿下、大変失礼いたしましたわ・・・」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「んんっ・・・。別に構わない・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ(あれ? スタンったら照れてる?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(へえー。意外と可愛い)
スタンスラス・ブラン・エレオノール「では週末にでも、グレイ家へ寄越すよう手配しておこう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「!?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「なんだ、不満か?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「不満もなにも。それじゃあ、意味がないわ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今日中に用意してくださらない?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「今日中? そんな無茶なことを言われても・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王太子でしょ!! 婚約者のためにそれぐらいのワガママ通しなさい!!」

〇空
リアリナ・シャルルド・グレイ「これよこれ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「悪役令嬢たるものこれぐらいのワガママ言わなくっちゃよね!!」

〇華やかな裏庭
スタンスラス・ブラン・エレオノール「・・・リアリナ、流石にそのわがままは聞き入れ難い」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ふえっ!?」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「私の婚約者だからといって、王宮の魔法使いを、アゴで使うような態度は、改めた方がいいだろう」
リアリナ・シャルルド・グレイ「で・・殿下、・・・でも」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「今日のところはこれで失礼する」
スタンスラス・ブラン・エレオノール「招待状、よく目を通しておくように」
リアリナ・シャルルド・グレイ「で、殿下!! お待ちください!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ(・・・ああ。や、やり過ぎたー)
テオフィル・ベフトン「リアリナ様」
  と、テオがリアリナの手を握る
テオフィル・ベフトン「私の護衛では心配ですか」
リアリナ・シャルルド・グレイ(っは!! しまった!!)

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタンにあんなことを頼んだら」
リアリナ・シャルルド・グレイ「この屋敷の護衛係でもあるテオの機嫌を損ねてしまったわ!!」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「そ、そんなことはないの。ただ・・・心配で」

〇豪華な社長室
テオフィル・ベフトン「しかし、盗賊がこの辺りを襲っている。などという噂」
「耳にしたことは、ないのですが・・・」

〇華やかな裏庭
リアリナ・シャルルド・グレイ「そ、そうよね」
テオフィル・ベフトン「・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ま、まあ、ある筋の噂?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「聞いたっていうか・・・。 体験したっていうか・・・」
テオフィル・ベフトン「そうでしたか。 そんな噂があったのですね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ! うふふ」
リアリナ・シャルルド・グレイ(ふう、危ない)

〇黒
リアリナ・シャルルド・グレイ「でも困ったわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「スタンに頼んで、屋敷に防御魔法をかけてもらうつもりだったのに、予定が外れたわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「一体、どうすればいいの!?」

〇洋館の廊下
リアリナ・シャルルド・グレイ「ううーん。スタンに頼れないなんて誤算だったわ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「こうなったら!」

〇屋敷の書斎
リアリナ・シャルルド・グレイ「攻撃魔法を覚えるっきゃないでしょ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「リベンジあるのみ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「確か、攻撃魔法の本はこの辺りにあったはず・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「っきゃ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「い、いたたー」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ああ、やっちゃった・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ん・・・何かしら、」
リアリナ・シャルルド・グレイ「すごく古そうな書物ね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「暗黒魔法の薬草本?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「こっちは死霊召喚魔法と悪魔抑制術・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ううっ。なんだか物騒な本ね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「お父様の趣味かしら」
リアリナ・シャルルド・グレイ「思えば、さまざまな書物が充実してるわね。よっぽどお父様は、本を読むのがお好きなのね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「お父様、お母様」
リアリナ・シャルルド・グレイ「今度こそリアリナが、救ってみせるわ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あったわ!! 攻撃魔法術教本!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あ、これなんかできそう!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「魔法のマナを手に集めるイメージで・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「アクアシールド!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「って、出ない!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「きっと言い方が悪かったのね。もう一回!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「アクアーーーーーー!! シイイイーーールドオオオオオオ!!!!︎」
リアリナ・シャルルド・グレイ「うんともすんとも言わないわ!!」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、魔法のお勉強ですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ。この魔法を出そうとしたんだけど、上手くいかなくて」
テオフィル・ベフトン「どれどれ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ(テオってまつ毛長いのね)
リアリナ・シャルルド・グレイ(鼻筋もスッとしてて、本当に綺麗な顔・・・)
リアリナ・シャルルド・グレイ(って!! なに自分の従者に見惚れてるの?)
リアリナ・シャルルド・グレイ(今は、今夜の襲撃に備えることに集中しなくちゃ!!)
テオフィル・ベフトン「リアリナ様。これは水属性の魔法ですので、お嬢様が取得することは難しいです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「どういうこと?」

〇魔法陣2
テオフィル・ベフトン「リアリナ様の魔法エネルギーは、炎属性の加護のもとにあられます」
テオフィル・ベフトン「よって、水属性とは相性が良くないのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「リアリナは炎属性の加護を持つ人だから」
リアリナ・シャルルド・グレイ「水属性魔法を覚えたところで、無駄でしかないってこと?」
テオフィル・ベフトン「おっしゃる通りでございます」

〇屋敷の書斎
リアリナ・シャルルド・グレイ「あ、でも、テオはなんでも出せるわよね?」
テオフィル・ベフトン「それは鍛錬と魔法センスによるものですね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「私はどっちもないってこと?」
テオフィル・ベフトン「あっ・・・、いえいえ!!」

〇魔法陣2
テオフィル・ベフトン「属性の加護を持つものが、その属性を極めた場合」
テオフィル・ベフトン「他の魔法使いより、ずっと強力な魔法を扱えるようになるのです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「おお!」

〇王宮の入口
  私の兄も、炎属性の加護を持っておりましたので
  騎士団の中でも、右に出る者はいないほどの炎の使い手でございました

〇屋敷の書斎
テオフィル・ベフトン「ですから、リアリナ様には炎属性魔法を極めていただきたい。ということです」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まあ・・・。そういうことなら極めなくともないけど?」
テオフィル・ベフトン「あ、これなどいかがですか?」
テオフィル・ベフトン「風と炎を組み合わせた魔法です。炎だけよりも威力がありますし、リアリナ様にぴったりな魔法ですよ」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ふむむ。攻撃を加えてきた相手に火炎攻撃をおみまいする魔法・・・と」
テオフィル・ベフトン「相手への怒りの感情をエネルギーに変換する魔法ですので、」
テオフィル・ベフトン「たとえ少ない魔力でも発動できるのです」
テオフィル・ベフトン「それに無詠唱が簡単ですので、幅広く使えるかと」
リアリナ・シャルルド・グレイ「てことは、魔法を唱えられない状況になっても発動するってことよね!」
テオフィル・ベフトン「正解です!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「これなら、首を切り落とされそうになっても、魔法で跳ね返せるわ!!」
テオフィル・ベフトン「首を切り落とされる!?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あ〜っ! ただの妄想よ!!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「そういうケースも、想定しておかないとなって・・・」
テオフィル・ベフトン「ふふっ。 なんとも物騒な妄想ですね」
リアリナ・シャルルド・グレイ(ふー。今のはセーフみたいね)
テオフィル・ベフトン「よろしければ、お教えいたしましょうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「いいの!?」
テオフィル・ベフトン「リアリナ様が、やる気になっていらっしゃるのを見て、テオも教えたくなってきました」

〇黒
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