3 新しい環境(脚本)
〇研究施設のオフィス
俺がニューヨークの支社に配属されてから翌日。俺はダニエルリーダーにデータを見せて貰って居た。
ダニエル・カーター「・・・で、これが件のプランなんだがな・・・」
鍵山陸斗「どれどれ・・・?成る程、戦隊の合体ロボですか・・・」
ダニエル・カーター「そうなんだ。組み上げ方や、強度の問題で行き詰まっててな・・・」
鍵山陸斗「まぁ、日本でも複雑な変形をするタイプは沢山有るし、少し待って下さい・・・・・・」
鍵山陸斗「これなら・・・パーツの強度を固めにして、接続させる穴の大きさとかは・・・」
ダニエル・カーター「ワッツ!?」
鍵山陸斗「ダニエルリーダー、この感じなら、組み上げ易さも確実です。只、固くした分嵌め込み辛さも上がりますが・・・」
鍵山陸斗「説明書に注意書きをすれば問題無い筈です」
ダニエル・カーター「オーマイガー・・・もう解決しやがった・・・」
鍵山陸斗「まぁ、不慣れだと分かり辛いですよね?」
ダニエル・カーター「・・・いやはや、恐れ入ったぜ陸斗、教えて貰う事は沢山有りそうだ・・・」
ダニエル・カーター「このデータ、俺の方からボスに報告させて貰うぜ!」
鍵山陸斗「分かりました、お願いします!」
鍵山陸斗「もしこれが通ったら、後は自分で組み上げ作業するんだよな・・・」
エミリア・ブルーム「ハーイ陸斗!」
鍵山陸斗「エミリアさん、お疲れ様です!」
エミリア・ブルーム「陸斗、私の事もエミリアで良いよ。あんまり固いと陸斗が持たないよ?」
鍵山陸斗「あ、有難う・・・」
エミリア・ブルーム「ねぇ陸斗、さっきダニエルリーダーとすれ違ったらダニエルリーダーが凄く驚いた顔してたけど、何か有った?」
鍵山陸斗「あぁ、実はね・・・」
俺は先程作ってダニエルリーダーに渡したデータをエミリアに見せる。そしたら、
エミリア・ブルーム「ワァオ!!これ行き詰まってたプランでしょ!?もう解決しちゃったの!?」
鍵山陸斗「え?こんなのやり方さえ分かれば直ぐ出来ると思うけど?」
エミリア・ブルーム「ノーノー!!こんなの私達じゃ考え付かない!!やっぱり日本人は格が違うねぇ!!」
鍵山陸斗「お、おう・・・大袈裟だな・・・」
ダニエル・カーター「皆聞いてくれ!陸斗の改善案をボスに提出したら、一発OK貰えたぜ!!」
鍵山陸斗「え?リーダー、それ本当ですか!?」
ダニエル・カーター「あぁ!後は俺達が実際に組み立ててデータを取れば正式に販売出来る!」
エミリア・ブルーム「リーダー!やりましたね!!」
ダニエル・カーター「あぁ!陸斗、君のお陰だ!!」
鍵山陸斗「は、はぁ・・・」
まさか自分が此処に来て手助けをしたら、此処まで上手く行くとは思わなかった。こんな風に喜ばれる事は滅多に無かったので、
どう表現して良いか分からなかった。
〇研究施設のオフィス
鍵山陸斗「ダニエルリーダー、こっちの仕事終わりました!」
ダニエル・カーター「良くやってくれたな陸斗!こりゃ日本に帰すには惜しい人材だな!」
鍵山陸斗「いえ、大した事無いです」
エミリア・ブルーム「謙遜は日本人の悪い癖ね!でもそこが良い所かもね!」
鍵山陸斗「えへへ、そう言ってくれると嬉しいです・・・」
エミリア・ブルーム「ねぇ陸斗、向こうではどんな感じだった?」
鍵山陸斗「向こうでって、日本での事?」
ダニエル・カーター「あぁ、そこは俺も気に成るな。折角だから聞かせてくれないか?」
鍵山陸斗「・・・そうですね・・・実際見て貰った訳じゃ無いけど、俺は俺でやれる事やってただけです」
エミリア・ブルーム「本当にそれだけ?」
鍵山陸斗「あぁ、特別何をこうしたとかは無いかな?」
ダニエル・カーター「やっぱりこう、国と国の考え方の違いなんだろうな。こっちじゃ絶対食わない物、日本人は平気で食ったりするからな」
鍵山陸斗「いやいやいや!それ言われると心外なんですが・・・」
ダニエル・カーター「おっとと!それは確かに失言だったな!」
鍵山陸斗「いえ、大丈夫です。こっちではそれが当たり前でしたから」
ダニエル・カーター「お、おう・・・」
エミリア・ブルーム「ねぇ陸斗、陸斗にはガールフレンドとか居ないの?陸斗モテそうだけど・・・」
鍵山陸斗「ガールフレンドね・・・居たら楽しいんだろうけど・・・」
ダニエル・カーター「ホワッツ?何だか歯切れが悪いな、何か有ったのか?」
鍵山陸斗「彼女は居ましたよ・・・でも、俺が此処に来る前に浮気されてたって分かっちゃって・・・」
エミリア・ブルーム「えぇ?マジで!?日本の女は悪い奴多いって聞くけど、本当だったんだね!!」
鍵山陸斗「まぁ、もう過ぎた話だし、相手はそっちと居る方が楽しそうだったので、飛行機に乗った時点で放って置く事にしました」
ダニエル・カーター「まぁ、陸斗がそう言うなら俺等からウダウダ抜かすのも良く無い話だな」
ダニエル・カーター「陸斗、改めて聞くが、此処でやって行けそうか?」
鍵山陸斗「え?あぁ!まだ分からない事だらけですが・・・」
エミリア・ブルーム「ノープロブレム!私達が確り教えるから、陸斗は大丈夫!!」
鍵山陸斗「・・・!有難う御座います・・・!」
何だかんだで俺はニューヨーク支社の人達と打ち解ける事が出来た。手助けは一応出来てる見たいだが、まだまだ期待や不安が
俺の中で溢れ返っていた。後日、プラモの試作品が完成し、俺達はそれを組み上げたら合格だったので正式販売が決まるのだった。